二十話 敵の中枢は博物館?!
「ここが、敵の本拠地……」
李梨花が目の前の建物を見上げる。李梨花、美羽羅、彩音、沙紀絵、美羽羅は司の誘いにより悪の魔法使いを生み出す組織であるアンダーウィザーズの本拠地に来ていた。正確には司が京之助を誘い京之助が案内したのである。
「てかここただの博物館じゃない?」
アンダーウィザーズの基地は博物館ような形をしている。一見悪の組織の基地には見えない。
「見た目はアレだがれっきとした組織の中枢だよ。正確には施設の地下がそれに当たるがね」
京之助が解説する。
表向きは普通の博物館なので受付で入場料を払い中へ。
「てかここ金払うの!?」
「何言ってるんだい、君たちもちゃんと組織から給料貰ってるんだから自分で払いたまえよ」
李梨花の抗議を突っぱねる京之助。
「あたしバイトしてないからあんまお金ないんだけど」
「あ、じゃああたしが奢ろうか?」
「気にしないで、あたしとあなたの仲でしょ?」
「ありがとう、助かったわ」
美羽羅が所持金があまりないとこを言うと李梨花がその分の支払いを申し出る。
「あの二人仲良かったの!?嘘でしょ」
司が思わず叫ぶ。美羽羅は以前青い魔法使いである李梨花を狙い戦ったこともあるのだ。
「ちっちっち、女同士てのは複雑なんだよ 」
彩音が指を振る。
「はあ……?」
「そういうもんかぁ?」
沙紀絵は腕を頭の後ろに回し疑問気味に言う。
「彩音ちゃんほど単純じゃないってこと」
「あたしが馬鹿だっていうのか!ああ?!」
「ほらほら、そういうすぐ怒るとことか」
「てめえ表でろ!決着つけてやる!」
「あの二人もあの二人で本当仲いいよね」
取っ組み合いを始める彩音と沙紀絵。そんな二人を見て司は呆れる。
「じゃあ司さんはわたしといっしょに行きましょうよ!ちょうどわたしも相手いませんし」
美海がひょっこりと司の横に現れる。
「え、一人じゃ駄目なの?」
「わたし、一人で行くんですか?」
涙目になる美海。
「あー、僕といっしょがいい?」
司が躊躇いがちに聞くとコクコクと頷く美海。
「じゃあいっしょに行こうか」
「やったー!」
両手を上げ飛び上がる美海。司や彩音とあまり年齢があまり違わないのにやや精神年齢が低く見える。




