百話 イービルクイーン対キングオーガ
記念すべき百話め!一日に二回投稿する日もあるのでデビュー百日目ではないですが一応百話っす。続けて読んでくれてる人がいたらありがとうございます。これからもよろしくお願いします
「飼い犬じゃと!貴様、どこまで我を侮辱すれば気が済むのだ………。もはや捨ておけんわ!」
イービルクイーンは最後のプライドまで傷つけられた。もう怒った、この無礼者には然るべき報いを与えねば気が済まぬ。そう決心すると口からエネルギーを発射しぶつける。
「ぬうぅぅぅぅ」
今まで何度やっても攻撃を防がれたバリアを貫通しキングオーガは手を使い受けることになる。しばらくは耐えていたがイービルクイーンの攻撃には耐えきれずまともに受けることになる。
「やった!」
「あのバリアを貫通しただと!」
イービルクイーンの攻撃にはしゃぐ司と驚きの声を上げるアマツカ。
「これで分かったじゃろう、お主より我のが力が上じゃとな。さ、おとなしく我に頭を垂れるのじゃ。そうすれば先ほどまでの無礼は許そう」
「へ?」
「おい、あいつ自分裏切ったやつ仲間にしようとしてるぞ」
「馬鹿なのか?」
イービルクイーンのさらなる言葉には司達も戸惑いを隠せない。キングオーガはそもそもイービルクイーンを手駒としか見ておらず彼女が自我を取り戻した途端用済みと判断し始末しようとしているのだ。度量が大きいのは構わないがここでそれを発揮するのは危険ではないだろうか。
「はっはっは、君は面白いことを言うねぇ」
キングオーガが興味をそそられる。
「そうじゃろうそうじゃろう。今なら我の右腕の右腕くらいにしてやらんこともない。どうじゃ、我に従う気になったか?」
微妙な立ち位置である、右腕ではないらしい。
「まさかこの程度で私に勝った気でいるなんて本当に面白いよ」
「なにっ?」
だがイービルクイーンはキングオーガから発せられた言葉に驚くこととなる。
キングオーガは再び肉切り包丁の形をした大剣を振るい青黒い魔力をイービルクイーンにぶつける。
「うわぁぁぁぁ」
甲高い悲鳴と共に後方に吹っ飛ばされる。
「大丈夫?」
司がイービルクイーンを受け止めていた。
「う、うむ」
司を見ると恥ずかしそうに目を逸らすイービルクイーン。 再び立ち上がろうとするも膝をつきそうになり再び司に支えられる。
「ええい、触れるでないわ!これぐらい我一人でも立て………くっ」
司の手を振りほどき一人で立とうとするがやはり膝を付いてしまう。
「もう、駄目だよ無理しちゃ。怪我してるんだから」
「ふん」
再度司に支えられるとおとなしく言うことを聞くイービルクイーン。もう戦闘の意思はないのか怪物の手脚を人間のそれに変化させる。
「おや、もう戦わないのかい?さっきの偉そうな態度はどこへ行ったんだい、私を右腕の右腕とやらにするんじゃなかったのかい?」
キングオーガがイービルクイーンを嘲笑する。
今のイービルクイーンには反論する力も攻撃する力もなくただ悔しさに唇を噛み締めるしか出来ない。
「おい青い魔法使い二号、お主も言った通り我はしばらく戦えない。代わりにお主が行け」
イービルクイーンは李梨香と同じような衣装を纏いつつも司は李梨香とは別人なので差別化して青い魔法使い二号と呼んだ。
「僕?いやえっと………」
司は慌ててアマツカの方を見ると首を振っていた、やはり駄目なようだ。
「ならわたしが。イービルクイーン殿はそこでごゆっくりなさって下さい」
今まで黙っていた京之助が前に出る。
誰だこいつはなぜこの女の味方をする。キングオーガは京之助を前にこう思った。自分が乱入するまではイービルクイーンの側にいたのでこちらの組織の人間には間違いない、しかし知らぬ姿なところを見ると幹部クラスではない、なれば名もない下っ端戦闘員でしかない。その彼がなぜ組織の首領である自分に逆らうのか、先ほどまでの戦闘を見ていれば自分に敵うことなどありえぬはず、なのになぜ彼は自分の前に立っている。
その疑問に京之助はこう答えた。
「かりそめとは言えイービルクイーン殿はあなたの娘、その娘に手を出すというのは少々癪でしてね。こちら側に立たせて頂きますよ」
「敵わないと分かっていても?」
キングオーガの問いには答えずニヤリと笑う京之助。キングオーガは気づいていないが後ろから影のようにニュッと何かが二つ現れ京之助の形になる。片方はムチを、もう片方は爪の形をした武器を所持していた。
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