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全ての始まり
気づいた時には身体が吹き飛ばされていた。隣にいた姉の莉亜も同じように。痛みはあったけど、それも一瞬だった。
あたし達に衝突して来た赤い車に、周りにいる傍観者達の悲鳴。何もかもが見えなくなって聴こえなくなった。
でも、傍に莉亜がいることだけはよく分かった。
『目を開けてごらんよ。君にお願いしたい事があるんだ』
とても美しくて聞いたこともないような声がした。
だからあたしは目を開けた。開けてしまった。
あたしの、あたし達の物語は。
ーーーここから始まったんだ。