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第6節ー脱出ー

「所属不明の潜水艦が海上へ浮上! 突入し、作戦を開始する!」


 ブルーグラディウスによって海上へ押し上げられた潜水艦。付近まで輸送ヘリで来ていた企業連正規部隊の精鋭が、潜水艦の甲板へラペリング降下にて展開。

 潜水艦ハッチを工具で溶断し、艦内へ突入した。


 それぞれが最新の兵装で身を固め、レーザーライフルで武装した兵士だ。艦内は暗く、頭部に取り付けたナイトスコープを下げて装着し、視界を確保しながらクリアリングしていく。


「クリア! ここから先は浸水していた区画だ! ここにはいない!」

「センチュリオンノロジー所属のアインスノックノックから通信が入りました! 超高速の小型艦が離脱したとのこと……ステイシス、及びPMC所属祠堂雛樹の安否は不明!」

「透過処理はまだ終わらないのか!」

「もう少しで艦内全域のスキャニングが完了します!」


 彼らはひどく焦っていた。艦内全域に響き渡るサイレン。そして、不吉なアナウンスがそうさせていた。


《自壊プログラム発動マデ、10分ヲ切リマシタ。各員、直チニ離脱セヨ。繰リ返シマス——》


「ここはもぬけの空だ!」

「せめてステイシスが小型艦に拉致された痕跡だけでも見つける! リミットは5分だ! 急ぐぞ!」


 捜索が続行され、艦の奥深くまで潜り込んだところで通信が入る。

 夜刀神民間軍事会社の夜刀神葉月からの情報だった。

 祠堂雛樹とステイシスはまだ艦内に居る。その場所と、ルートも丁寧に送られてきていた。


「なんだこの施設は……」


 情報にある場所に到達すると、破壊された量子コンピューターが転がった大部屋。そしてその先にはやけに大きな円柱のガラスケースのようなものが設置された施設。

 この艦内で何が行われていたのか……。壁に開いた歪な穴から格納庫が見える。ここもしばらく前まで浸水していたようだが、今は排水が完了しているようだ。

 しかし床は水浸しになっている。水たまりを踏みながら、さらに進んでいくと……。


「情報にあったステイシスと思わしき女性と、男性を二人発見した!」


 拘束されて床で転がっているステイシスと、その側で伏している雛樹、そして顔半分に重度の火傷を負い、意識が無い30代前半の男を回収。

 任務を完了させた彼らはすぐさま艦内から脱出した。


 ヘリに乗せられ、ブルーグラディウスとコバルトスケイルの二機が護衛につき、センチュリオンノアへ搬送されていく。


「ノックノック、あのドミネーターはどうなったのですか?」

《小型艦が母艦から射出された途端に追いかけて行きよったわ。追おうとはしたんやぞ。せやけどあんなん無理や。この機体の水中速度じゃ追いきれんわい。自分の機体やったら追えたやろけどのぉ》


 ヘリを先導するように飛行しているブルーグラディウスパイロット、結月静流は殿しんがりを務めるアインスノックノックへ訪ねたが、結果は聞いてのとおり、敵を逃す羽目になったらしい。


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