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8話ーレンタル機ー


Gn-IIIペイブロウは現行の二脚機甲とは違いレーダーユニットやラジエーター、火器管制システムなどが小型化されておらずさらには装甲に関しても分厚く重いため機体重量が大きい。

スラスターのみ現行機のものと換装しているためある程度機敏な挙動は可能だがその機体重量のせいで機体を浮かして滑走することができない。


結果、脚部を用いて走ることしかできず速度が出ないため後方部隊に組み込まれていた。


搭乗者はガーネット。

高部総一郎の計らいで企業連傘下にあるGNCの機体を格安でレンタルできたのだ。


撃ち終わってなお砲身が赤熱しているガトリングカノンを背中側へ格納しつつ、両側の腰からレールガンの砲塔をせり出させた。

エネルギーの収束、増幅を待ってからこちらへ伸びてきているドミネーター群れに向かって放つ。

砲塔での凄まじい加速で撃ち出された超高速の弾頭は青白い尾を引きながらドミネーターの群れに突っ込み真っ直ぐ貫き破壊する。

その弾頭はΔ級にすら届く。


だがΔ級のグレアノイド粒子による光線を受けて燃え尽きてしまった。


《やっぱり届かなぁい。大人しく撤退して体勢を整えないとだめかもぉ》


前回Δ級と戦闘を行った際は、極大出力のグレアノイド粒子砲4門をフル稼働させてようやく撃退できた程の相手だ。

中口径のレールガン程度では歯が立たないことはわかりきっていた。


《しどぉは今のうちに退がってぇ。第2中継地点に補給ベースが集まってるからぁ》


「了解、助かる。第2中継地点は……ここから北に約400Kmか。お前はどうするんだ?」


《弾薬も少ないし撤退するぅ。殿しんがりは空の青いのが務めてくれるみたいだしぃ》


通信モニターに映ったガーネットと会話をしながら雛樹はマップを宙に表示させ、第2中継地点までの道筋を確認する。

ベリオノイズで約2時間といったところだが、ガーネットが乗るペイブロウと共に行くのならその1.5倍はかかるだろう。

途中で山もいくつか超えなければならない。


「残り駆動時間は?」


《2時間とちょっとぉ》


「ギリギリだな。行けそうか?」


《大丈夫ぅ。むしろしどぉの方が心配なんだけどぉ? さっき思いっきり転がってたでしょお》


「こっちは問題なく動く。前のスラスターが壊れた程度だ」


《あーあ。またはづはづに怒られるわよぉ》


直してお釣りがくる程度の報酬はもらえるため大丈夫だと雛樹は説明しつつ、撤退を始めた。



……。



「ヒナキも撤退し始めたようですね……っと。こちら結月、モーリス部隊応答してください」


《こちらモーリス部隊、どうかされましたか》


「貴殿等部隊の安全圏までの撤退を確認しました。一度護衛を離れます。よろしいですね?」


《はい、護衛感謝します。後ほど直接礼をさせていただきたい》


「礼は夜刀神PMCの祠堂雛樹へお願いします。あなた方を救ったのは私ではなく彼ですので。第2中継地点へお急ぎください」


静流はそこまで言うとブルーグラディウスの操縦桿を握り直し戦線に取り残された者が居ないか確認を行うため身を翻し、飛行した。

いなければそのまま第2中継地点でセンチュリオンテクノロジーの地上二脚機機甲部隊と合流することになる手筈だ。

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