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20話ー操縦の腕ー

 と、ガーネットに釘を刺されたのはいいものの、ドミネーター因子に頼らなければならない事態などこれから先いくらでも出てくるはずなのだ。

 対ドミネーター戦はもちろん、海上都市の兵器に対抗する手段としても。


 だが……その使用を限りなく抑え、なおかつドミネーター、海上都市兵器に対抗できる手段があるとすれば。


 己に与えられた黒装甲の二脚機甲、ベリオノイズを置いて他にない。


「俺も早くお前並みに二脚機甲を扱えるようになればな……」


「……あんまり褒めたくなかったんだけどぉ」


 と、雛樹のぼやきに対して答えるように、ガーネットはそう前置きし……。


「しどぉは早いわよぉ」


「なにが」


「なにって……、操縦の覚えだけどぉ? しどぉは言われて覚えるよりやって体で覚える子よねぇ。だからあたしも一緒に乗ってあげたりするんだけどぉ」


 その点に関してはかなり助かってはいた。

 雛樹がベリオノイズでの任務に当たる際、少しでも不安な点があればガーネットが勝手にコクピットへ乗り込んできて膝の上に座る。


 それは雛樹が頼んでいることではなく、ガーネットが雛樹の腕と心境から、この状況なら自分が一緒に乗ったほうがいいと判断してのことだ。


 ガーネットはいつも飄々としているようで、雛樹のことをよく見ている。

 ただ、何かが気がかりで……という理由からではなく、ただただ自分が見ていたいから見ているだけなのだが。

 

「知ってるぅ? 本当なら、二脚機甲に乗るのに普通3年は必要なのよぉ?」


「3年も?」


「座学ぅ、技能講習ぅ、実践演習ぅ、操縦試験で、免許ぉ。大まかでありきたりだけどここまでで2年。まともに動かせるようになるまでもう一年ってとこぉ」


「免許……なんて持ってないぞ?」


「しどぉの乗ってるのは二脚機甲として登録されてないからよぅ」


「え……じゃああれなんて登録されてるんだ」


 ベリオノイズを一応仕事で扱えるようになっているからには、なんらかの形で海上都市の期間に登録されているはずなのだ。

 で、なくては仕事の依頼など受けられない。 


削岩機さくがんきぃ」


「二脚機甲どころか兵器ですらないだろそれ!!」


「だってぇ。免許いらないしぃ」


「かろうじて腕についてるバンカーがそうだとしても、苦しいだろ! どう見ても削岩機じゃないだろ。俺はじゃあいつも削岩機に乗ってるってのか」


「ちょお、うるさぁい」


 腹の傷に響くが、そんな理不尽がまかり通っている事実に驚きを隠せず矢継ぎ早に問い詰めてしまった。

 ガーネットはつんつんと雛樹の腹の傷をつつき、その痛みにより雛樹を一瞬で黙らせてしまう。


「……!!」


「兵器全般の登録を管理してるの、誰だと思ってるのぉ?」


「……高部さんか」


「よかったわねぇ。兵器のことについてある程度ゆうずぅきーてぇ」


「それにしたって削岩機はない……絶対ない」


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