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第14話ー三竦みー

 侵食を留め、ドミネーターの懐から弾かれるようにして脱出した。

 不確定要素が多すぎる。

 通常のドミネーターとはその特性が大きく違うのかもしれない。


 だが、対策を考える暇はない。

 間合いを開けたところで瞬きした次の瞬間には詰められ攻撃されているのだ。

 まるで自分が取る次の行動が読まれているかのようで恐怖すら覚えてしまう。


《ガスマスクの男、そして人型ドミネーター。目標発見しました》


 一方的に圧され始めていたその時だった。鋭いスラスター音を響かせて、ビル群の合間から一機のウィンバックアブソリューターが現れた。


 蒼き装甲を持つそのウィンバックアブソリューターの姿は見間違うはずもない。

 センチュリオンテクノロジー所属、結月静流のブルーグラディウス。


 最速で現場に駆けつけてきたのは、企業連所属の機体ではなくなぜかセンチュリオンテクノロジーの機体だった。


……ーー。


 その三竦みの状況を確認していた本土軍、飛燕の部下である狙撃手の女は……。


「ねーねーやばいよ、企業連の機体は出払ってるんじゃなかったの?」


「センチュリオンテクノロジーに応援要請した幹部がいるようだね。今、傘下以外の企業に借りを作るようなことをする幹部がいるなんて……予想外の事態だ」


 摩天楼から見下ろすその三竦みはその関係性から、随分歪に映っていることだろう。


「だけど、無事あの化け物を引っ張り出してくれたようで安心したよ。僕らは一旦退こう」


「CTF201の生き残りさんは放っておいていいのー?」


「ああ、問題ない。彼は彼でなんとかするさ……僕的には、あそこで死んでもらっても構わないけれど」


 本土軍の二人は最後まで状況を見届けることなくビルの屋上から撤退する。

 自分たちの目標は達したとでも言うように。



……ーー。


《そこのガスマスクの男。こちらがドミネーターを処理するまで動かないようにお願いいたします》


(ブルーグラディウス……!! ターシャか……!!)


 ブルーグラディウスの主兵装、ムラクモの一振りが雛樹の背後に展開した。

 動けば脚を斬りとばすつもりなのだろう。


《こちら東雲、そっちの状況はどう?》


「こちら結月。ガスマスクの男の動きは止めました。あとはドミネーターを処理するのみですが……その、随分変わった姿をしています。タイプα……いえ、αより小型です」


 オペレーターと情報の連携を図りつつ、見たことのないドミネーターと対峙した。

 空を飛んでいたブルーグラディウスは地に足をつけ、二脚機甲汎用レーザーライフルとムラクモを4基展開し、ドミネーターの情報を口頭で伝え、ステイシスデータに検索をかけた。


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