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異世界ファンタジー概論  作者: NN
1.狩りとはつまりバトルではない
2/15

2.

 オーク討伐を終えた俺は、町に戻って素材を換金していた。

 ギルドから出された討伐ランクはC。

 冒険者ランクがBである俺からすれば、造作ない程度の狩りであった。


「こんなものか」


 オークを狩ったことによる討伐報酬は、この町で5日暮らすには十分な金額になっていた。

 おおよそ5万シル。もし5日泊まるなら宿代が3万シルほどになり、食事などに1万シルなり使えばそんなものだろう。

 まあ他にも買い揃えたいものがあるので、現実的には2日ほど休息してはもう一度狩りに行かなくてはならないだろう。


 だが。


「それより大きな報酬はこれだものな」


 オークの討伐報酬なんかよりも、大きな臨時報酬が手に入ったことを忘れてはいけない。


 まず一つ目はオークリーダーの経験石と技巧石。

 これを俺が吸収すれば、おそらくまた一段階成長するに違いない。

 ただ、技巧石の方はともかく、『経験石』の方は、故あって俺は吸収はしない。


 もう一つ目はオークリーダーの討伐報酬。

 これ単体だけでギルドから10万シルもの報酬が出た。

 これはつまり、オークリーダーはそれ単体だけでオーク複数体に上る危険性を秘めていることを示唆している。

 あっけない戦いではあったが、油断は禁物である。


「何気にこいつが成長したのもでかい」


 最後に三つ目、スライムの成長だ。

 こいつは俺が始めて召喚した魔物であり、それ以来こいつを愛用し続けている。

 何気に成長が早く、使い勝手がいいというところが隠れた長所だ。

 今現在Lv17、この辺の魔物を狩っていい感じに成長している、というところである。


「さて……経験石、技巧石も手に入ったし、追加報酬も貰えたし、ぼちぼち魔石でも補充するかなあ」


 手元の魔石を見て計算する。

 魔石と言うのは、魔法を閉じ込めている石のことである。

 俺のように魔法が使えない冒険者がよく頼る、便利なツールだ。

 使い捨てであり高価ではあるが、その効果は非常に大きい。


 今保有している魔石は、魔物の森でソロ活動をするのであれば十分な量ではあるが、迷宮に潜るのならばもう少し欲しいところだ。






 俺は現在、このウェールス王国の南の辺境にて活動している。

 ソロ冒険者として。

 冒険者という職業は、このウェールス王国では珍しいものではない。


 生計は主に、魔物の経験値を閉じ込めた魔石『経験石』の売却で賄っている。

 『経験石』は貴重品だが、俺の場合魔物から簡単に手に入れることが出来るのでそこまで問題はない。

 むしろ、資金を大量に確保したい。

 安全マージンを優先させた冒険を行なっているので、道具の消費が激しいのだ。


「とはいえ、そろそろ戦闘奴隷が欲しいんだよなあ」


 だがやはり、安全マージンを取りつつ、資金の消費を抑えられるのならば、それに越したことはない。

 戦闘奴隷は、そういう意味でぴったりである。

 最初に負担する金額は大きいが、一度購入すれば、罠まで誘導する役目を押し付けられる。

 その上、道具を使って足止めしたりしなくてはならない状況も減るだろう。


「まあ、どうせなら高級な戦闘奴隷が欲しいし、一旦金を稼ごうかねえ」


 戦闘奴隷の値段は、その奴隷のレベルとスキルで決まる。

 つまり高価な奴隷ほど、パフォーマンスがいいのだ。


 ちなみに、一般的な奴隷の値段は5000万シル。

 俺の欲しい最低限のラインがその倍近く、一億シル。

 俺の全財産が今の段階で一億シルだが、流石にそれを全額はたいて買う勇気はない。




 ではどうやって資金をつくるか。俺には一つだけ、伝があった。

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