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或る話し  作者: 癒杏
7/8

そして始まる 後


そうして、緩やかに穏やかに過ぎた日は7年になろうとしていた。

後一年だね、そう言って笑う彼女を見ながら、2人でこれからの未来について話したのは、ついこの間のことだったのに。


俺は今、病院のベッドにいる。


詳しい病名なんて覚えてないが、俺の命は来年ー彼女の卒業式ーまで持たないらしい。

思わず笑ってしまった。

笑うしか出来なかった。


俺の生に意味はあったんだろうか?

母を亡くした父の唯一の願いは、俺の幸せだった。

だから、恋い慕った彼女を俺の婚約者にしたのだ。

そんな父よりも早く逝くなんて。

俺以上の親不孝者はそうはいないだろう。


結局、そらから数ヶ月後、俺は呆気なく死んだ。


死ぬことに諦めがついても、彼女だけは諦め切れなかった。

俺以外の誰かとなんて、幸せになって欲しくない。でも、彼女が一人で泣くのも嫌だ。それならば、俺と一緒に死んでくれればいい。

そう願ったが、伝えるつもりは一切なかった。

実際、伝えることなく俺は死んだのだ。


なのに今。

彼女は俺の傍にいる。


「沙夜、なんでここに…」

「だって侑司さんが私を置いて逝ってしまったから。」

「だからって、こんな、」


死んでまで夢を見ることが出来るのか。

そう、考えたけど、どうやら本物の沙夜だ。


「だって侑司さん、望んだでしょう?」

「望んだ?」

「俺と一緒に死んでくれって、望んだでしょう」


そう言って微笑んだ沙夜は、とても美しかった。


「それに、侑司さんは私じゃないとダメでしょう?それと同じで、私も侑司さんじゃなきゃダメなのよ。大好きだから、」


だから、追いかけちゃった、そう言って抱きついて来た沙夜を抱き締め返せば、涙がこぼれた。


俺はきっと、何度死んでも何度生まれ変わっても、彼女を見つけ出して愛するんだろう。

そして彼女もきっと、俺を見つけ出して愛してくれるんだろう。


そう、確信した。




ここでおしまいです。

読みにくくてすみません。


次に登場人物紹介載せてます。

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