表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
或る話し  作者: 癒杏
2/8

すべての始まり


「なんで、こんな…」

「あぁでもアナタ、この子、幸せそうに笑ってるわ。」


涙が止まらない。

俺の娘は、今日 息を引き取った。

それも、幸せそうに微笑んで。


すべての始まりは、きっと、2人が出会った時から始まっていた。


俺の娘と親友と呼べるアイツの息子、小さい頃から幼馴染みとして、2人で仲良く過ごしていた。

初めは、兄妹のようだったが、少しずつ、俺から見ても分かるくらいに、2人の関係は緩やかに穏やかに変わっていった。


親友がそんな2人をみて、「侑司(ゆうじ)沙夜(さよ)ちゃんが好きなんだよ、だから、沙夜ちゃんを侑司のお嫁さんにくれ。俺が言うのもなんだが、そこら辺の男よりもうちの侑司の方が将来有望だし、イケメンだし、沙夜ちゃんのこと大切に出来るし、大好きだし、何よりも俺の息子ってだけで安心出来るだろ?」なんて笑いながらも、自分の息子を案じるように言ったから。


沙夜よりも5つ歳上な侑司は、まるで沙夜を本物のお姫様のように、宝物のように、大切に大切に扱ってくれていた。

それはさながら、 物語のような王子様とお姫様のようだった。

だから俺は、沙夜を侑司にくれてやることにしたのだ、こんなにも早く娘を嫁に出すことになるなんて、いやいや、まだ結婚なんてさせないし、沙夜はまだ16にもなってない、とも思ったりして、それでも嬉しそうに笑う親友と子供たち2人を見れば、この判断が間違ってないと思ったのだ。

この2人には、幸せな未来が待っていると、信じて疑わなかったのだ。


なのに、どうして、


どうして、俺たちは今、こんなにも悲しみにくれているのだろう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ