5日目 旅支度
かなり、お久しぶりです。
活動休止中だったのですが、書けたのでこっそりup。
余りにも間があいてしまったので、書き方が変わってしまっています。あと、やや支離滅裂になってます。すみません。
レイラから他のプレイヤーがこの世界に居る可能性を聞いて、俺は直ぐに近くの街に行くことを決断した。街にあるギルドで冒険者登録するのだ。
今の俺のレベルでは店を維持出来る程の商品は作製出来ないし、何より俺の知らない二百年の間にレイラが売り子から総合生産職にジョブチェンジしていた。それも、ゲーム時代の俺程では無いが上級者と言って差し支えのないレベルでスキル熟練度も高かった。
だが、店の周辺にはその腕前に見合うようなレア素材をドロップする高レベルモンスターは居らず、鉱石が採れる採掘場もない。
そして、最大の原因として《クラインヴァルト》の首都であるこの街が数十年前、魔物の襲撃によって、壊滅してしまった事があげられる。
それらが、店の商品のレベルを下げている要因だったようだ。俺がレベルアップして強いモンスターと渡り合えるようになれば、そのドロップ素材を使いもっと良い商品を売る事が可能だろう。
幸い、ゲーム時代に大枚はたいて取り入れた生産系プレイヤー御用達システム《倉庫間接続》は生きていた。
《倉庫間接続》はその名の通り複数の倉庫を接続する事によって設定してある倉庫ならどれでも入ってるアイテムを出し入れ可能になるという物だ。
これが実は個人のアイテムボックスにも適用される。だから、俺が手に入れた素材をアイテムボックス入れればレイナが倉庫からその素材を取り出すことが可能なのである。
自身も強くなり、店の品質も良くなる、正に一石二鳥である。
◇
支度を整えていると、レイナが俺の部屋にやってきた。
「店長、少しお時間宜しいでしょうか。」
「うん? ま、いいけど。」
リビングに移動し、テーブルを挟んで、向かい合わせで座る。
「で、どうしたんだ?」
「町に行くのなら、これを、と思いまして。」
そう言うと、レイナはアイテムを取り出した。
「これは……黒い石?」
「“闇の守護石”、です。魔人族の間で代々伝わるもので、私の魔力を込めています。何かあった時には、きっと店長の助けになるでしょう。」
「守護石か! 嬉しい。ありがとう」
そう言って俺は笑った。いやだって、プレゼントってだけで嬉しいのに、それが守護石だなんて、やべ、ぜってえ今の俺、顔にやついてるぜ。
守護石とはゲーム時代、友好度の高いNPCから時々プレゼントされるSレアアイテムである。くれるNPCの種族によって込められている属性が違う。守護石の効果は様々で、何が起こるかは場合によって変わる。それこそ、プレゼントされた人物に、何かあった時に助けになるとしか言いようがない。
そういや、今はNPC何て居ないんだから、自分で作ることも可能かもな。俺が作ったらエルフだから、“風の守護石”か。空飛べたりして、……なんてな。今度作ってみるかな。レイナに1つ、自分に1つ。
「いえ、何て事はありません。この守護石に込めた魔力など、微々たるものですし。現存する中で、一番近い町は、隣国の『月の帝国』にある、新月町ですから大分距離がありますしね。」
「一番近いのが新月町だって……?」
「はい、そうですよ」
「……おいおい、嘘だろ? その間に、エルフの町が幾つかあった筈だろ! まさか……」
「そのまさかです。」
「じゃあっ、壊滅状況に陥ったのは此処だけじゃないってことなのか?」
「はい……。残念ながら、今の《クラインヴァルト》は国としての体をなしてなく、少数の集落が各地に点々とあるのみです。エルフ族は残り千人も居ないでしょう。もとより、寿命が長い分、出生率の低い種族ですし。それは、魔人族が言えたことじゃないですけどね。」
「どこに集落があるのか、知っているか?」
「すみません、分からないです。再び魔物が攻めてくるのを恐れてか、場所を秘匿しているみたいなのです。」
「……そうか。教えてくれてありがとうな。」
「いえ、店長も知っておくべきことですので。では、私は夕食の準備をしてきますね。」
レイナが台所に行ったのを確認して、俺は呟いた。
「この世界にいったい何が起こったんだ……? それとも、現在進行形で何かが起こっているのか……?」
分からないことだらけだ。いったい二百年に何が起こったのか? 十年にあったという、大規模魔物の襲撃。何故俺は今こうしてこの世界へ来てしまったのか?
少なくとも、引き金は《黄金の日》であったことだけは確かだと思う。あの日から歯車は狂ったのだろう。
兎にも角にも、情報が必要だ。明日の早朝には此処を出よう。
レイナとの連絡手段だけが心配だが、新月町に着いたら手紙でも送れば良いだろう。勿論、《倉庫間接続》で!
◇
翌日、俺はレイナに見送られながら、旅立った。
さあ、冒険の始まりだ!
書かなさすぎて、色々設定忘れてて、大変だったというのは内緒。