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3日目 初戦闘と再会

PV1800、ユニーク500突破しました。皆さんありがとうございます。

どうにか気を取り直した俺は店に並んでいた“緑のポーション”を幾つか頂戴して――俺の店だし良いだろ――外に出ていた。


「おいおい……、何があったんだ……。」


信じられない光景に俺は呆然と突っ立っていることしか出来ない。

だが、それも無理もない。そこは、俺の知っている風景とまるっきり異なっていたのだから。



自然を愛し精霊と共に生きる森の民であるエルフが暮らすクラインヴァルトは世界樹と呼ばれる樹齢二千年を超える巨木を中心に広がっている。

世界樹に近いほど俗に言う富裕層と呼ばれる者達が住み一際大きい屋敷に国の長である大長老が住んでいる。逆に世界樹から離れるほど貧しくなっていくが、全家庭が一定の水準を超えているためスラム街と呼ばれる物は形成されていない。そこはゲームなので、作られなかったとも言える。そんな平和なクラインヴァルトの辺境にプレイヤーズショップ《鈴のなる木》はあった。


だが今見ている光景は辺境だから、では説明が付かないほど荒れていた。

あちらこちらに朽ち果てた家々が並び、人っ子一人居ない。それどころかこの辺りに居るはずのないモンスター達が我が物顔で闊歩している。

一軒だけ傷一つない《鈴のなる木》が異様さが際だっていた。

幾ら辺境とはいえ俺が知っている世界では人々が行き交いそこそこ活気があったはずなのにこれはおかしい。


どうなっているんだ。今日開催しているイベントは《黄金の日》だけだろ!?どうして街中にモンスターが居る!?魔物襲撃イベントなんか聞いてないぞ。それに他のプレイヤー達はどこに行ったんだ。GM(ゲームマスター)は何をしている!?


「そうだ、GMコール……。」


俺はメニューを呼び出しGMコールを押そうとしたが、それが押されることはなかった。


「……ない。GMコールがない。それにログアウトも……消えてる。」


GMコールとログアウトがメニュー欄から綺麗さっぱり消失していた。

ログアウトの消失――それは現実世界に戻れないことを意味していた。


俺の頭の中を急速に言葉が行き交う。

意味が分からない。どうしてログアウトボタンが消えている?俺は現実に戻れないのか?本当にゲームから出られないのか?俺の現実の身体はどうなる?他のプレイヤー達も同じような状況に陥っているのか?もし、そうだと仮定してこれはただのバグなのか?それとも俺はデスゲームに巻き込まれたのか?はたまた……ゲームによく似た異世界にトリップしてしまったのか?


願わくばただの一時的なバグである事だ。だが俺はその線は薄いと考えている。ただのバグでどうして街が廃墟と化してモンスターが闊歩し出すんだって話だ。


もしデスゲームだった場合どうにかしてクリアまでこじつければいい。いや俺自身はクリアするまで籠もっていれば良い。生産職として攻略組を手助けしても良い。実際はそんな簡単な事ではないが、少なくとも現実に戻れる可能性は高い。


だが……、異世界だった場合絶望的だ。よくある転生モノのような神様には会ってないし、“黄金の秘薬”を使った時のままだったのだから転生した訳ではない、と思う。だが転生した訳ではないという事実はただの気休め程度にしかならない。多くの小説がそうであるように現実に戻れない可能性が非常に高い。そして、危険度もその他の場合に比べて数倍高い。火事、地震、盗賊に戦争……数えればキリがない。だが、異世界の可能性が高いのも事実である。


そうだ、フレンドリスト。フレンドリストを見ればここがゲームの世界なのか分かるはず……。


―――――


フレンドリスト


表示できません


―――――


……表示できません?どういう意味だ?一部ステータスのように初期化してしまったからか?サーバーが狂ったからか?それともここが異世界だからなの……か?


もう一つの項目ヘルプも押してみるが結果は同じ。表示できません。


いよいよ、異世界の可能性が高くなった。


これは完全に詰んだ。諦めるしかないのか……?


「グルアッ」


俺の思考をモンスターの一声が引き裂いた。

いつの間に接近を許したのか俺から1m程の所にそいつは居た。


「……まずい。」


目の前に居るのは狼型のモンスター<灰色狼>であるが、子供なのか幾分か小さい。

普段なら恐れる事もない初心者用モンスターなのだが、連続で発覚する絶望的な出来事に気が動転しているのか今はこんなモンスターでさえ怖いと感じる。

ましてや、職業による上昇値がどのくらいか分からないが初期ステータスなのである。

慌てて差していた短剣を構えるが身体の震えがおさまらない。


「グルアッ!」


<灰色狼(子)>がその発達した後ろ脚で地面を蹴り飛びかかってきた。どうやらまだ子供とはいえエルフの薄い皮膚など簡単に噛みちぎることが出来る鋭い牙で俺の首を引き裂こうとしているようだ。


……怖い。怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死死死死死死死死死死ああああああああああああああああああ


グサッ


辺りを沈黙が包んだ。


……?あれ……?


いつの間にか瞑っていたまぶたをあげる。


「俺生きてる……?」


前には出血し倒れ伏した<灰色狼(子)>。手には血に濡れた短剣。<灰色狼(子)>の首にはどう見ても短剣の仕業であろう刺し傷。


「……俺がやったのか?」


刺した瞬間の記憶が完全に飛んでいるが、目の前の光景がはっきりと事実を主張している。

それと同時にゲーム世界では有り得ない血液と死体の存在によりもう一つの事実も確定した。ここは異世界、現実だと。


それを認識した途端、俺は短剣の血糊を振り払うことも忘れて地面にへたり込んだ。


――レベルアップしました――


――未発達な牙を取得しました――


俺の様子に反して場違いなシステムアナウンスが少し遅れて流れた。

異世界なはずなのに変な所ゲームである。


「……はは。死体残ってるのにドロップ品とかどうやって取得したんだよ。」


思わず拍子抜けして、乾いた笑いが漏れた。




さっき襲われたというのにどうにも動く気力が起こらなくて幸いホームの真ん前であることだしそのまま座ったままで居たところ、


がさっ


何かが落ちる音が聞こえた。

先程の例もあったことだし、いつでも動けるように準備をして音の鳴りどころに目を向ける。


そこには……


店長(マスター)……?」


「……レイラ。」


長い黒髪のスレンダーな美女が居た。



いつもよりは黒鷺にしては長く書けたと思います。

その分展開がちょっと早いかも……?

それに最後はもはやお約束なヒロイン登場ですね。ただし美少女と美女ですけどね。

Q黒鷺は男キャラを出す気はあるのか?

A考え中


ちなみにモンスター名とか装備名は考えずに付けてます。オリジナリティ捨ててます。黒鷺センス無いんです。被ってたらごめんなさい(´_ゝ`)


どうでも良いことばかりですみません。


それと補足。

メニューとステータスとアイテムボックスと所持金は全て分かれてます。別々でに呼び出します。



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