カレー?
思いつき小説です。
もう、本当ここに乗せるのもおこがましいのですが、再び調子にのり投稿しました。
気分を害された方はすぐにまわれ右でお願いします。
こんな小説でもOKという方はどうぞお楽しみ下さいませ!!
世の中にはいい魔女と悪い魔女がいるってしってる?
いい魔女っていうのは、みんなを助けて誰かの力になれる人。
悪い魔女っていうのは、みんなの優しさを利用する人。
でもね?見方を変えればいい魔女が悪い魔女に、悪い魔女がいい魔女に見えてしまうことがあるの。
「お前はいつまでこの街にいるつもりだい!!さっさと魔女の森へお帰り!!」
この街では私の素性がバレてしまったらしい。
顔を見ると、そんな怒声が飛び交ってくる。
気づかれないようにため息を着くと私は買うものもそこそこに街を後にするしかなかった。
黒の魔女 リーファ。
それが私。
この世界では黒の魔女と白の魔女が存在する。
そして、誰が決めたのか黒の魔女は人々に不幸をもたらす魔女とされ、白の魔女は人々に幸福を与える魔女とされていた。
かと言って、魔法を使えない人間にそれを見分けることなどはできない。
いや、正確には魔女自身見分けなんてつかない。
生まれたときは皆白の魔女として生まれる。
そして、何かの基準でいきなり黒の魔女となることがある。
それは魔女がもつ魔力の色で判別される。
だから、昨日までは魔力を使うときに白い光をはなっていたはずなのに、今日はなぜか黒く光る魔力を放つようるになると言う具合に。
かく言う私もその一人だ。
ある朝起きたらなぜか自分の魔力に違和感を覚え、試しに暖炉に火を付けるため火種をつくる魔法を作れば案の定自分の右手から発せられる魔力の色が真っ黒になっていた。
さすがにその時は私も愕然とした。
まさか、自分が黒の魔女になるなんて思ってもみなかった。
そして、その日から私の人生はガラリと変わった。
「ただいま・・・」
『魔女の森』さっき誰かが言っていたその森こそ黒の魔女が唯一安全に暮らせる森である。
「おかえり~!」
出迎えてくれたのは、ここで一緒に暮らしている姉の様な存在のルーシー。
もちろん彼女も黒の魔女である。
「あれ?リーファー元気ないね?何かあった?」
そう言って頼まれていた買い物を袋ごと渡す。
「あー!もうっ!リーファー!りんごとはちみつ買い忘れてるじゃない!!あれがないとカレーが物足りなくなっちゃうでしょ!!」
・・・・なんていうんだろう。どっかで聞いたことのある隠し味のような・・・
なんて思っているのは決して口に出さずに私はその隠し味に必要な材料を買って来れなかった理由を伝える。
「・・・バレた・・・・」
その一言でルーシーはわかったらしく、眉を寄せる。
「・・・・バレたって、なんでまた」
先程までの明るさは一気に吹き飛ぶ。
「ん・・・。わかんない。でも、バレてた」
見た目では決してわかるはずがないのにもかかわらずこうして、私たちの素性がバレることが良くある。
そうなってしまうともう私たちはその街には入れない。
入ってもモノを売ってくれる店もなく食事すら取ることもできなくなる。
「はぁ・・・。どうしていつもバレるのかしら。やっぱり白の魔女のせいなのかしらね」
ルーシーはため息を付きながら買ってきたじゃがいもと玉ねぎを取り出す。
「・・・次はどこの街にする・・・・・?」
入れなくなった街にいつまでもしがみついていてもしょうがない。
バレてしまったのならば、まだ誰も知らない街へと行けばいい話だ。
「そうね・・・・。この周辺はもうないから少し遠いけど、今度から東のアルバーナ国へ行きましょう」
ルーシーはそう言うと夕食の準備をするべく台所へと入っていった。
「・・・アルバーナ国・・・・・」
その名前をきくのは一体何年ぶりだろう。
ふと、思い出される街の景色に思わず眉間に皺がよる。
「・・・・あんまり行きたくないな・・・・」
水の国アルバーナ国。
東の大陸でも3番目に大きい街である。
食料品はもちろん衣料品も雑貨も色々と揃うであろう街に今更行きたくないとも言えない。
というか、行きたくないなど贅沢は行っていられない。
正体がバレてこうして行けなくなった街はもう両手では数え切れない。
「・・・ま、私だって分かる人は居ないだろうな・・・・」
着ていたコートをかけるため自分の部屋へと戻ると、ルーシーが片付けてくれたであろうベットの上にきちんと部屋着が畳まれて置いてあった。
「ん・・・、おひさまのにおい・・・」
その服を手にとり顔を近づけるとあたたかな日差しのにおいに心が落ち着く。
「・・・ついでに着替えよう」
着ていたものを豪快に脱ぎ捨て裸になる。
「dkjふぉえいにsごひえj」
術語を唱えると黒い煙のようなものに全身が包まれ天井へとその煙が消えていく。
「ふぅ~・・・、スッキリ」
体の汗や汚れを落とすのにわざわざ風呂へ行くのも面倒だった私は魔法を使い体を綺麗にする。
黒の魔女になって唯一いいことがあったのはこの魔力だった。
以前の白の時には、使えなかった魔法も黒になってから使える種類がかなり多くなった。
「・・・それでも、この魔力に対しての代償は大きい・・・・よ」
綺麗になった体に先程の服を身にまとえば、台所からいい匂いがしてきた。
ぐぅぅぅ~
どうやら、お腹は限界のようだ。
そそくさと再び台所に戻れば、ルーシーがちょうどさらに盛り付けたカレーをテーブルに運んでいるところだった。
「・・・手伝う」
あまりのお腹の空き具合に、とっとと用意を済ませて食事にしたかった。
「ありがと!じゃぁスプーンと飲み物をお願い!」
せっせとカレーを注ぎサラダを盛るルーシーの傍を通りスプーンを出した。
「dkぇjろ」
術語を唱えるとコップが飛んできて勝手に飲み物を注ぐ。
「こら!!リーファー!そんなことに魔法を使わない!!料理はどんな料理も自分で作るから美味しいのよ!!」
サラダを盛りながらぷりぷり怒るルーシーに口を尖らせながらもスプーンをテーブルへと運んだ。
「・・・作ってないもん。注いだだけだもん・・・」
ぽつりとつぶやいた言葉はしっかりとルーシーに聞こえていたらしい。
「もう!そんな屁理屈いわないの!!いい?魔法を使うことによって私たちの居場所はどんどんなくなるんだからね!もうちょっと慎重になりなさい!」
「・・・はいはい」
「リーファー!!」
ぐぅぅぅぅ~
タイミングよくお腹の音がなった。
「・・・お腹すいた」
がっくりうなだれるルーシーは頭を抱えながらひらひらと手を振る。
「もういいわ、食べちゃいなさい・・・・」
ルーシーの様子など気にもせず私はスプーンをもってカレーを掻き込んだ。
「・・・美味しい・・・・けど、甘い・・・・」
「んもう!わがままいわないの!私は甘いほうが好きなんだもん!!」
どっちがわがままだ。
と、思ってもやはり作ってもらった手前そんなことは言わずもくもくと食事を進めた。
「・・・もう、本当にリーファはわかってるの?」
そんなことをブツブツ言っているルーシーの声は聞かなかった事にした。




