とびきりの毒瓶に咲く花
毒か無毒かで言えば、私は心に残る毒でありたい。
ぼんやりしています。あと流石にあまりにもサバをよみすぎた病テイストです。
コレをもとに何か書きたいような〜〜、、、
地中海の中世の地下に熟成された
ひとを殺す為の秘密の毒液
美しく青く汲み出して
私という瓶に閉じたひとは
封を開けることもなく
私に毎日くちづけをおとす
毒のある棘の花の光る意匠の小瓶に
あのひとは救いを見出したのです
祈るたびに
私を手放せなくなる
痛いぐらいに握られて
私のなかの毒が泡立つ
誰かを殺めるために
傷を残し記すために
私は毒を包んで
抱き締めて星や月や蝋燭の光に
己の役目を照らし出しているというのに
「さいごには君がいるから」
本来の使い方はついぞされずに
甘やかなくちづけは
流刑の果ての小島から
貴方を少しも奪いはしない
私の抱く毒は揺籃のまどろみを
貴方の夢に手渡すばかり
それでも貴方を殺す猛毒は
ゆっくりとした効き目を期待されていて
口付けられて胸深く握られて
共に眠って
明日を
明日へ遣って
さいごには明日から
貴方を完全に逃がしてあげるのです
私を握る手が力を失っていく
私に口付ける唇が
弱々しく震える
貴方の希望が私という猛毒の小瓶の中に
溜まっていく
募っていく
パンドラが箱を開けたときの底ように
奥深くに希望は沈んでいって
私の上面には貴方を侵す猛毒が満ちていく
遅効性ひどくおそく
私へ課せられた毒は
期待された効き目は
貴方を浸して
水音をたてる
私と 生きた
あなた
私はとびきりの毒を貴方に
与えられましたか
貴方の愛に相応しいぐらいの
深い深い
大切な
手放しきれない
感情に
さいごのさいごになれたのでしょうか
貴方の命を飲み干す前に
私という呪具は
涙をこぼしながら
毒の華を開かせるのです
とびきりの毒の小瓶が咲かせる花は
青く黒く命を否定して
この世の何処にも他に存在しない
貴方との生を象り散らす
割れる体からは花々が
咲いては散り散っては風とワルツを踊る
毒の小瓶のお役目は
望まれるだけ鮮烈となる
ひとを愛して壊れた毒瓶
愛と救いの滴りを
求められるなら
さいごの時に私は貴方の伴侶で終わろう
暴動で担ぎ出された王家傍流の青年と、密かに持ち込まれた彼の救いの為の毒瓶。
毒物を入れて使われ続けた美しい小瓶は呪物となったが、さいごに割れて大量の毒の花を咲かせた。




