クラブ大会
噂はあっという間に広まった。学校がクラブ対抗戦を企画しているのだ。毎年恒例のこの大会では、各グループがベストを尽くさなければならない。新設の「ハーモニークラブ」にとって、それは初めての大きな試練だった。
レンが真っ先に反応した。
完璧だ!俺たちが最強だって証明してやる!
現実的なカナは眉を上げた。
レン、俺たちはまだ数週間しかやってないんだぞ。
だから何だ! レンは拳を突き上げて言い返した…
情熱なら何でもできる!
ハルナが冷静に口を挟んだ。
重要なのは、自分たちが何者かを示すことであって、勝つことではない。
サヤカは緊張して呟いた。
でも…何を発表するの?
グループは話し合いを始めた。エミはマジックショー、ミユは美術展、サラは屋台、ナオは写真ギャラリーを主張した。マヤは音楽を、リョウはコントを提案した。相変わらず負けず嫌いのランは、プレゼンテーションにカードトーナメントを取り入れたいと考えた。
ライターのケンタはドラマ仕立てのストーリーを提案した。明るい一年生のユイは、振り付け付きのダンスを提案した。タクミはピアノを弾くと申し出、転校生のカガミは演劇的なモノローグを考えていた。
議論は混沌と化した。レンはコンサートにすべきだと叫び、エミはスモークと魔法の光を要求し、ランは全てのパフォーマンスに「チャンピオン」が必要だと主張した。
アケミの隣にひっそりと座っていたヒロシが、静かにこう言った。「全部を組み合わせたパフォーマンスをしたらどうだろう?才能のモザイクみたいな」
一同は静まり返った。ハルナは微笑んだ。「なるほどね」
こうして、クラブの多様性を披露するショーというアイデアが生まれた。
当日までの日々は、猛烈なリハーサルの日々だった。カナはユイと振り付けを組み立て、レンは歌の練習(音程を外しながら熱心に歌っていた)。サヤカは詩を準備し、ハルナはBGMを作り、マヤはギターのチューニングをしていた。エミはカードマジックのリハーサル、ミユはイラストの投影、サラはお菓子作り、ナオはフォトギャラリーの準備に追われていた。
ランはショーの途中でミニカードトーナメントをやると主張し、コミカルな議論が巻き起こった。「すごいことになりそう!」とランは言った。「大惨事になりそう!」とカナは答えた。
いよいよ大会当日。体育館は生徒と先生でいっぱいだった。各クラブがそれぞれの作品を発表した。科学部は実験を、演劇部は劇を、運動部はアクロバットを披露した。
ハーモニー部の番になると、会場は期待でいっぱいになった。
発表はハルナとマヤの演奏で始まり、カナとユイの振り付けが続いた。レンは音程を外しながらも情熱的に歌い、笑いと拍手を誘った。サヤカは震える声で、しかし心をこめて詩を朗読した。エミはマジックカードを、ミユはイラストを投影し、サラは観客にデザートを配った。
ナオはグループの写真を披露し、ルンはステージ上でリョウとミニカードデュエルを企画した。二人とも露骨なズルをし、笑いが起こった。カガミは芝居がかったモノローグで締めくくり、シリアスで深みのある演出を加えた。
観客は熱狂的な拍手喝采を送った。完璧ではなかったが、本物らしさはあった。
最終的に、審査員はハーモニー部が1位にはならず、「最もクリエイティブなプレゼンテーション」賞を獲得したと発表した。
レンは誇らしげにトロフィーを掲げた。
やっぱり! 俺たちは伝説だ!
グループは笑いに包まれて勝利を祝った。このコンテストは単なる挑戦ではなく、ハーモニー部が独自のアイデンティティを持っていることを証明するものだった。




