図書館での出会い
春菜は午後を図書館で過ごす。
冗談や軽い議論や偶然の中で、
本にも分かち合える時間が隠されていると気づく。
図書館は静かでページをめくる音だけが響いていた。春菜は詩集を探していた時後ろから声がした。
またここにと亮がノートを抱えて立っていた。
うんこの場所が好きと春菜。
俺はカイリに数学を頼まれただけだと亮。
カイリが本の山を抱えて現れた。
大げさだよ少し復習したかっただけとカイリ。
少しねと亮はため息をついた。
春菜は笑って近づいた。
何を勉強してるのと尋ねる。
三角関数だとカイリ。
難しそうと春菜。
その時レンがイヤホンを首にかけて入ってきた。
難しくないただ退屈なだけ音楽の方がいいとレン。
じゃあ詩に変えればいいと春菜は手にした本を掲げた。
詩かそれは変わってるなとレン。
春菜は本を開き小さな声で読んだ。
雨は降り続くでも一滴ごとに秘密を抱えている。
それじゃ三角関数の役に立たないと亮が冗談を言う。
でも生きる助けにはなると春菜は微笑んだ。
傘を閉じたままのマヤが現れた。
ここで何してるのと声をかける。
勉強だよでも春菜は朗読会にしたいみたいとさやかが入ってきた。
みんな笑った。春菜は立ち上がり窓へ歩いた。外では雨が静かにガラスを叩いていた。
見て街も勉強してるみたいと春菜。
どういう意味だとレン。
一滴一滴が言葉みたい繰り返して理解するまで降り続けると春菜。
数秒の沈黙の後亮はノートを閉じた。
よし今日は三角関数はやめようと亮。
ほらねと春菜は楽しそうに言った雨の勝ちだ。
みんなで図書館を出て一つの傘の下で笑い合った。春菜は本もまた奇跡を分かち合う舞台になると思った。




