学園祭
学園祭の廊下は、光と音楽、そして仮設の屋台で埋め尽くされます。春菜は積極的に参加し、友達とおしゃべりしながら、このお祭りが日常を大切な思い出へと変えていくのを感じます。
文化祭当日は、いつもと違う雰囲気でやって来た。早くから廊下は生徒たちが描いた紙のガーランドやポスターで飾られていた。スピーカーから流れる音楽に、食べ物の匂いが混ざり合っていた。
ハルナは、ソーダの瓶が詰まった箱を運んでいるレンの隣を歩いた。「落ちないの?」ぐらぐらする箱を見ながら、ハルナは尋ねた。「信じて」とレンは答えたが、テーブルの角につまずいてしまった。「それじゃ、自信が持てないわね」とハルナは笑いながら、彼が瓶を拾うのを手伝った。
クラスのブースでは、カラーホイールと簡単なクイズといった簡単なゲームが行われていた。涼は参加者のまとめ役を務めていたが、彼の真剣な口調は、祭りの雰囲気とは対照的だった。「一人ずつ、密集しないようにね」と彼は言い、他の生徒たちは敬意を込めて彼を見つめた。
新しい友達のあおいが、ボールを脇に抱えて現れた。
「祭りが終わったら、ゲームでもしようか?」彼女は熱心に尋ねた。「まずはお祭りを乗り切ろうね」とハルナは答え、テーブルに賞品を並べた。
グループはそれぞれの役割に分かれた。ハルナは来場者に挨拶し、賞品として小さなキャンディーを配った。レンは参加者を励ます担当で、一つ一つのプレーを大げさに表現した。「あのショットは伝説的!」と、たとえそれが的をかすめただけの輪投げであっても、彼女は叫んだ。
ハルナは皆と交流し、子供たちにルーレットのどの色が好きか尋ねたり、小さな子供たちが回すのを手伝ったり、お菓子が当たると微笑んだりした。「どうぞ」と小さな女の子にキャンディーを手渡した。「遊んでくれてありがとう」
一方、マヤとサヤカはそこにいなかったが、二人の思い出が空気中に漂っていた。ハルナは二人がお祭りをどれほど楽しんだだろうと想像し、思わず声に出した。「マヤは全部ハートで飾って、サヤカは細部までチェックしていたでしょうね」「ええ」とリョウは答え、整理を続けた。 「でも、今日は私たちだけなんだから、ちゃんとやらなきゃね。」
正午になると、春菜のお母さんが一同にお菓子の盛られたトレーを持ってやって来た。「忙しいのは分かるけど、食べるの忘れないでね」と笑顔で言った。「ありがとう、お母さん」と春菜は答え、一つ取ってあおいに差し出した。
祭りはステージでのパフォーマンスで続いた。レンは歌合戦に出場したいと言い張り、声はそれほど良くなかったものの、その熱意で拍手喝采を浴びた。「すごかったね!」あおいは笑いながら言った。「すごかったのは、僕の才能?それとも勇気?」とレンが尋ねると、「あなたの勇気よ」と春菜が答え、また笑いが起こった。
夕暮れが訪れると、提灯がきらめき始めた。柔らかな音楽と静かな会話が響き、雰囲気はより親密になった。春菜はあおいと涼の隣に座り、他の皆が楽しんでいる様子を見守っていた。
「面白いわ」と春菜は言った。 「いつもの学校の日課だけど、今日は何かが違う気がする」 「みんなで分かち合っているから」と葵は答えた。「それがすべてを変えるんだ」 涼は中庭に吊るされたイルミネーションを見つめながら、静かに頷いた。
一日の終わりに、グループは疲れながらも幸せそうに集まった。彼らは失敗談や笑い話、あっという間になくなってしまった賞品のことなどを話した。春奈はその時日記には書かず、直接話すことを選んだ。「今日は特別だった。試合や賞品のせいじゃなくて、みんなが一緒にいてくれたから」 蓮は葵のボールを拾い上げ、「明日は祭りの締めくくりに試合をするからね」と言った。「忘れられない思い出になるわ」と葵は微笑んで付け加えた。
夜が更け、祭りのイルミネーションは徐々に消えていった。グループは成功談よりも逸話を語り合いながら、歩いて帰った。春奈は祭りは単なる学校行事ではなく、分かち合えば日常も祝祭に変わるということを思い出させてくれるものだと思っていた。




