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夕暮れの草原

放課後、春菜は草原に足を止める。

軽やかな会話と静かな沈黙の間に、

彼女は夕暮れが秘める特別な穏やかさを見つけていく。

授業が終わり生徒たちは校舎を出ていく。春菜は学校の裏に広がる草原へと歩いていった。空は橙色に染まり風は新しい草の匂いを運んでくる。

さやかが駆け寄ってきた。「毎日ここに来てるの?」「いつもじゃないけど夕日が沈むときが好きなの」「私は街の方がいいな。にぎやかだから」

春菜は答えずに微笑み草の上に腰を下ろした。やがて両手をポケットに入れた涼が現れる。「何してるんだ」「別に…ただ夕暮れを見たかっただけ」「退屈じゃない?」「ううん、毎日違うから」

涼は立ったまま空を見上げさやかは不思議そうに彼を見つめる。「君もよく来るの?」「いや、でも春菜がいつも変なこと言うから確かめたくて」

春菜は小さく笑った。風が髪を揺らし影が長く伸びていく。「見て。太陽が山の向こうに隠れていくみたい」「毎日そうだろ」「でも今日は特別に感じるの」

さやかはため息をついた。「そんな単純なことでよく感動できるね」「単純だからこそ一番変わるんだと思う」

沈黙が三人を包む。虫の声と風の音だけが響いていた。涼はついに春菜の隣に腰を下ろす。「まあ…そんなに退屈でもないな」「でしょ」春菜は微笑んだ。

やがて太陽は沈み草原は薄暗くなる。三人は立ち上がり帰路についた。春菜はもう一度空を見上げる。夕暮れは毎日違う秘密を抱えていて誰かと分かち合うことでさらに大切になるのだと感じていた。


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