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第一話 怪異は何処へ
俺は豊臣風鳴。
豊臣家の血を継ぐ、高校一年生。
受験という城を破り、乗り越えて約二か月。
俺は今、放課後の噂を聞きつけて、先生より、
許可をいただいたため、夜になるまで待っている。
そして、やってきた夜。
朧げな月が上がり、綺麗にあたりを照らしている。
「朝日の下、屋上にて輝く瞳を持つ少女現る」
これはパスだな。
「二階、女子トイレ三番個室にて、花子現る」
これも取り敢えずパス。
「目を閉じて、視覚よりも想像力を、そこへ闇そのもの現る」
なるほどね。
影狼か月詠だな。
月詠は「月光蝶を纏い、すべてを奪う少女現る」
今回は、ツクヨミとカゲロウだな。