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三題噺もどき3

黒猫

作者: 狐彪

三題噺もどき―ごひゃくにじゅうなな。

 


 部屋の扉を閉め、リビングへと向かう。


 今日は朝から、不思議と気分がよく、体調も割とよかった。

 何かいいことでもあったのかという感じだが、別段そういうわけでもなく。

 ただなんとなく、今日は調子が良いなぁと言う程度のモノではあるが。

「……」

 その調子で、気分がのったので、部屋の掃除をしていたのだが。

 その際に、いろんなグッズ類が出てきたもので。

 まぁ、キーホルダーとか缶バッチとかちょっとした人形辺りは、飾ったりしていたからそのあたりを綺麗に整理して終わったんだけど。

「……」

 棚の中に挟んでいたファイル類が想像以上に多くて、どうしたものかと頭を抱えてしまったのだ。こういう時、今の時代、他の人たちの収納なんかを見られるからありがたい。

 色々調べてみたが、ファイリングして収納しているのをよく見たので、それが一番よさそうだと言う結論に至ったのだ。

「……」

 それでまぁ、百円ショップに専用のものがあるらしいので、見に行くついでに他に仕えそうな収納があれば買おうかなと思い立ち。

 そうと決まれば、さっさと買い物に出てしまおうと決めて、リビングへと降りてきたのだ。

 着替えなんかはもう、ハンガーにかかったままのがあるはずだからそれでいいか。いちいち服装を考えるのがホントにめんどくさい。世の女性は、どうしてあんなにレパートリーがあるんだろうな。

「……」

 階段を下りきり、リビングにたどり着く。

 机の上には、なぜか食べかけのポップコーンが置かれていた。ポテチとかと同じ感じの大袋に入っているやつだ。

 大方昨夜の食後にでも食べたんだろう。最近、夜は結構早いうちに自室に戻ってしまうから、食後のおやつというものを食べなくなった。太りそうだと言うのもあるんだけど。

「……」

 多少の空腹を満たすには丁度いいかと思い、摘まもうかとおもったが、キャラメル味じゃなかったのでやめた。シンプルな塩味というのもいいんだけど、キャラメルの方が好きだ。外で食べるときに、べったりとキャラメルがついてるのとか真っ先に食べてしまう。甘じょっぱくて美味しい。

「……」

 小腹を満たすのを諦め、脱衣所に向かう。

 そこにかけられている自分の服を適当にとり、着替えていく。

 あとは、靴下とマスクを適当にとり、リビングに戻る。

 そのあたりに置いたままになっていた鞄を引っ張って、中に財布が入っていることを確認する。百円ショップに行くだけだから、財布と携帯とエコバックだけで良いだろう。

「……」

 斜め掛けの鞄を肩にかけ、玄関へと向かう。

 靴下を履き、靴を適当に選ぶ。……選ぶも何も、普段用の靴は一足しかないんだけど。もう一足は仕事用に買ったものだ。履かなくなって何か月たったかな。

「……」

 靴棚の上に置いてある、自分の車の鍵を手に取り、玄関を出る。

 ドアを外へと押し開き、入り込んできた空気に思わず顔をしかめる。

 昨日はあんなに寒かったのに、この暑さは何だ……いい加減にしてくれ。

「……」

 忘れ物がないことを頭の中で確認しながら、玄関の鍵を閉める。

 鍵を開けようと、目の前にある車に視線をよこしたところで。

「……?」

 何かが、車の下で動いたような気がした。

 その瞬間に、狭い隙間から、ぬるりと黒猫が出てきた。昼寝でもしていたのか、睡眠の邪魔をされたみたいな不機嫌そうな顔をしている。

 数秒目が合った後、スタスタとどこかに行ってしまった。

「……」

 彼か彼女かは知らないが、あの子はよくこの辺で見かけていた黒猫だろう。この周辺には野良猫が数匹いるのだが、そういえば最近は見なかった。どうやら、元気にやっているようで何よりだ。

 黒猫の他にも何匹がいたはずだけど、彼らは見ないなぁ。

「……」

 しかし、やはり、猫を見るとなんとなく気分が上がるのは私だけだろうか。

 犬派か猫派かで言うと、断然猫派なのだけど。その上、黒猫というものが上位に入るレベルで好きなもので……。一時は飼いたいと思っていたこともあった。

 もちろん、三毛や白やシャムとかロシアンとか可愛いのは沢山いるんだけど、その中でも飼うなら黒猫がいいよなぁなんて、今でも思ってはいる。

 残念ながら、いろいろと余裕がなかったり、母が大反対していたりもあって、飼うことは叶わないんだけど。いっそ1人暮らしとかしてればなんて思わなくもないが、それはそれで猫がかわいそうだから無理な気がする。

「……」

 あまりの暑さに少々気が滅入っていたが、黒猫のおかげで気分が上がった。

 さっさと買い物を済ませて、部屋の掃除を再開するとしよう。









 お題:色・黒猫・ポップコーン

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