黎明
「その時はまた付き合おうね」
それが最後の言葉だった。
この言葉にどんな想いが込められていたのか、僕にはわからない。
でもただ一つわかるのは「その時」はまだ来ていないし、これから一生来ないかもしれない。
中学から3年も付き合った彼女がいた。
その彼女に全ての初めてを捧げた、初めて手を繋いだのも、初めてキスしたのも彼女だった。
でも僕たちは喧嘩ばっかりだった。
6月の雨が降る梅雨の時期、僕たちは別れた。
原因は些細なことだった。
どうせすぐ復縁できる、そんなことを思っていたが考えはそんなに甘くはなかった。
「また一緒にいてほしい」
そんな一言も言えずに3ヶ月が経ったころ、彼女だった人に新しい彼氏ができた。
僕は泣いた、3年も付き合ったんだ、忘れられるわけがない。
だから僕は復縁を諦めていない。
だって彼女が別れ際に言った言葉を信じてるから
「新しい彼氏ができて、それでもあなたがよかったって思ったら、その時はまた付き合おうね」




