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かげろーの短編集

⑨をねらえ!

掲載日:2024/02/22

※本作はひだまり童話館様の第33回企画「開館9周年記念祭」応募作です。

 お題は「びりびりな話」「ふにゃふにゃな話」「9の話」の三つすべてを使用させていただきました。

◇

 ⑨のボールを穴(あな)に落(お)っことせば勝(か)ち。

 それがビリヤードのルールのひとつ、ナインボール。


 そして長方形《ちょうほうけい》の台座《だいざ》に六《むっ》つの穴《あな》が開《あ》いたビリヤード台《だい》はとてもたいせつなもの。

 ぜったいに、ビリヤード台に人《ひと》が乗《の》ったりしてはいけないのだけれど。



挿絵(By みてみん)




 その悪党《あくとう》はどかっとお尻《しり》を落《お》として、ふんぞり返《かえ》ってこういうのです。


「ふにゃふにゃにゃ! おとなしくこのビリヤード場《じょう》を引《ひ》き渡《わた》してもらおうかにゃ」


 悪党《あくとう》の名《な》は、ビリヤニ。

 タバコのことをヤニと呼《よ》んで、ウィリアムの愛称《あいしょう》をビリーと呼《よ》びます。合わせてビリヤニです。

 ビリヤニは黒《くろ》いスーツを着《き》こなしたおっきなネコのケモノビトです。


 タバコの煙《けむり》を吹《ふ》かし、土地《とち》の権利書《けんりしょ》をひらひらさせながら台《だい》の上《うえ》でビリーは我《わ》が物顔《ものがお》でくつろぎます。

 タバコダメ! のポスターなんて知《し》らんぷりです。


 そのうしろで三匹《さんびき》のほっそりとした子分のネコたちもニヤニヤしちゃってやーなかんじ。


「このとーり、土地《とち》の権利書《けんりしょ》はオレサマのものだにゃー。この古《ふる》ぼけたビリヤード場《じょう》をぶっ壊《こわ》して、空《あ》き地《ち》にして売《う》りに出《だ》すんだにゃ。わかったらとっとと出《で》ていけにゃ」


 ふてぶてしいビリヤニ。ほーんとやなかんじ。


「う、うう……」


 一方《いっぽう》、ビリヤード場《じょう》の主《あるじ》のステファニーはトゲトゲしいご様子《ようす》。

 いえいえ正《ただ》しくは、怖《こわ》がるなあまり、ハリネズミの髪《かみ》の毛《け》をトゲトゲさせ、カラダをまるめてブルブルおびえていました。



挿絵(By みてみん)



「で、でも! うちには正当《せいとう》な借地権《しゃくちけん》があります! 土地《とち》の権利書《けんりしょ》があっても、土地《とち》の上《うえ》に建物《たてもの》を建《た》てる権利《けんり》はちゃーーーんと! うちにあるわけで……」


 ハリネズミのステファニーはトゲトゲまんまるのまま言《い》い返《かえ》します。


 それがまた痛《いた》いところを突《つ》かれたらしく、ビリヤニはバンと台《だい》を叩《たた》きます。


「いい度胸《どきょう》だにゃ……。ちょっと痛《いた》い目《め》みてもらうにゃよ、やれ! 子分ども!」


「ふにゃふにゃにゃーー!」


 子分《こぶん》のネコたちは待《ま》ってましたとばかりに飛《と》びだします。


「きゃーーーっ!!」


 あわや、乙女《おとめ》の大《だい》ピンチ。


 ――もう黙《だま》ってみている場合《ばあい》ではありません。


「そこまでだ! ゴロツキにゃんこども!」


「ぎゃああああーーーっ!」


 勇気《ゆうき》をだして、赤毛《あかげ》のキツネのローリーは彼女《かのじょ》を守《まも》ろうとしました。



挿絵(By みてみん)



 ――けど。

 ローリーが立《た》ち塞《ふさ》がるより早《はや》く、ゴロツキねこたちが悲鳴《ひめい》をあげます。

 まだローリーはなにもしていないのに、ふしぎです。


 それというのは三匹《さんびき》のわるものネコたち、すばしっこくてローリーがよし決《き》めた! とおもった時《とき》にはもう、ハリネズミのステファニーにねこっとび。


 でも、そこはそれ、かんがえてもみてください。

 ステファニーはハリネズミですからね、ゴロツキねこのネコパンチがとんでくるとシャキーンと髪《かみ》の毛《け》がトゲトゲにぷすっと刺《さ》さってアイタタタ! なのです。

 ハリネズミのトゲトゲのチクチクで逆《ぎゃく》に痛《いた》い目《め》をみちゃったわけです。


「トゲが! トゲがチクチクするにゃがー!」


「ビリヤニさま! バンソーコくださいにゃ!」


「ぐぬぬ、ほれ、救急箱《きゅうきゅうばこ》だにゃ。おみゃーらさがってろにゃ! ケガしたら消毒《しょうどく》ちゃんとしろにゃよ!」


「は、はいっ!」

 うしろにさがって消毒液《しょうどくえき》に「ぎゃー、しみるー><」とさわぐ子分《こぶん》たち。


 ふるふるとふるえてうずくまっていたステファニーがおそるおそる顔《かお》を上《あ》げると、そこにはあっけにとられて立《た》ち尽《つ》くす赤狐《あかぎつね》のローリーの勇姿《ゆうし》があったのです。


「まぁ! わたくしをたすけてくださったのですね! あなたさまはいったい……?」


「え、いや、まだなにも……。あ、はい、ローリーですけど」


「ローリーさま! ありがとうございます! あなたはいのちの恩人《おんじん》ですわ!」


「ええ……」


 どーしたことかと困《こま》ってしまう赤狐《あかぎつね》のローリー。


 しかしまぁ、かよわい乙女《おとめ》によってたかってわるものがおそいかかり、それをローリーがたすけようとしたのはウソじゃありません。

 幸運《こううん》にもステファニーはハリネズミだったから鉄壁《てっぺき》のニードルガードで返《かえ》り討《う》ちにしちゃっただけでしかありません。


「女狐《めぎつね》! ローリーつったにゃあ! オレサマにさからい、かわいい子分《こぶん》をトゲトゲのチクチクでメソメソにするとはいい度胸《どきょう》だにゃ! トゲトゲこわこわ病《びょう》になったらどうしてくれるんだにゃ!」


「ハリこわいハリこわいにゃ」


「ええ……」


「ネコこわいネコこわいですわー……!」


 こーゆーのを濡《ぬ》れ衣《ぎぬ》といいます。

 けれど、こわくておびえるステファニーの心細《こころぼそ》さがローリーにはわかります。

 いのちの恩人《おんじん》とやらにはこれからなればいいのです。


「……ビリヤニ! 私《わたし》と勝負《しょうぶ》しろ! 暴力《ぼうりょく》以外《いがい》でな!」


「ふにゃっはっはっ! さてはオレサマとケンカして勝《か》てる自信《じしん》がないにゃ?」


 ぎくりっ。

 ローリーは反論《はんろん》のかわりに、すっとハリネズミのステファニーを見《み》やって。


「え? もっとトゲトゲされたい?」


 とおどかします。


 するとビリヤニはさておき、子分《こぶん》のネコたちがうるうる涙目《なみだめ》で「ヤメテヤメテ」と訴《うった》えます。

 暴力《ぼうりょく》で勝《か》ってるのはなぜかこっちなのです。


「ぐぬぬ、しょーがにゃーなー。暴力《ぼうりょく》反対《はんたい》に賛成《さんせい》だにゃ。ここは平和的《へいわてき》な勝負《しょうぶ》に乗《の》ってやるにゃよ。でもなにするってんだにゃ?」


「雪原《せつげん》ネズミとり競争《きょうそう》とか?」


「ネズミがかわいそうだにゃ! っていうかクソ寒《さむ》い雪《ゆき》ン中《なか》にもぐるのイヤにゃ!」


「たのしいのにー。じゃあボーリング対決《たいけつ》でどう? 私《わたし》こないだ250点《てん》とったし」


「ダメだにゃ! オレサマはガーター連発《れんぱつ》で苦手《にがて》にゃ! オレサマの得意《とくい》なものでやらせろにゃ! 毛玉《けだま》吐《は》き競争《きょうそう》でどうにゃ!」


「んなもんポイポイ吐《は》けるかぁ!」


 どっちもお互《たが》いじぶんの得意《とくい》なことで勝負《しょうぶ》しようとゆずりません。

 これを平行線《へいこうせん》をたどる、といいます。

 やがてハリネズミのステファニーがひらめいたとばかりにハイと手をあげて一言《ひとこと》。


「ここはビリヤード場《じょう》! ビリヤードで勝負《しょうぶ》するべきですわ!」


 と提案《ていあん》しました。


 すると意外《いがい》なことにビリヤニは余裕《よゆー》ぶってタバコをスパスパしては「乗《の》ったにゃ」と返事《へんじ》したのです。まるで自信《じしん》があるかのように。


「な、毛玉《けだま》吐《は》き競争《きょうそう》じゃなくていいのか?」


「オレサマはビリヤードの賭《か》け勝負《しょうぶ》をむかーしここでよくやってたにゃよ。あの頃《ころ》はまだビリヤードが流行《はや》ってたからにゃあ、うまけりゃモテたんでがんばって練習《れんしゅう》したもんだにゃ。それが今《いま》じゃあ落《お》ち目《め》のオワコンだにゃ。さぞ経営《けいえい》がくるしいんじゃないかにゃ? もうビリヤードなんておしまいだにゃ。ふにゃっはっは! だからオレサマがこれっきりおしまいにしてやるにゃよ!」


 ビリヤニの高笑《たかわら》いに、ステファニーは言《い》い返《かえ》すことができません。

 経営《けいえい》がくるしい、というのはホントのようです。


「……わかりましたわ。ビリヤード場《じょう》の運命《うんめい》がビリヤードによって決《き》まるのだったら、亡《な》くなったパパもきっと納得《なっとく》することでしょう。一週間《いっしゅうかん》の後《のち》、ここで観客《かんきゃく》を招《まね》いて、ビリヤードのナインボールで勝負《しょうぶ》しましょう。約束《やくそく》ですよ」


「ふにゃっはっは! いい覚悟《かくご》だにゃ! ……けーるぞ、おめーら」


「は、はいですにゃ!」


「きょうはこのへんにしといてやらぁ! おみゃーらおぼえてろよー!」


 子分《こぶん》ネコらが三下《さんした》の捨《す》て台詞《ぜりふ》を残《のこ》し、、そそくさ逃《に》げていきます。

 ビリヤニはのっそりとビリヤード台《だい》を下《お》りて、ローリーをちらっとにらみます。


「ステファニー、その“ド素人《しろーと》”をせーぜーきたえあげるこったにゃ」


「……え!?」


 のしのしとさっていくビリヤニ、おどろいて顔《かお》を見《み》つめてくるステファニー。

 赤狐《あかぎつね》のローリーは冷《ひ》や汗《あせ》をかいていました。


「……その、はじめてです、私《わたし》」


「ええええーーー!?」


 決戦《けっせん》は一週間後《いっしゅうかんご》――。

 それまでに赤狐《あかぎつね》のローリーはビリヤードをどこまで上手《うま》くなれるのでしょうか。













◇

 赤狐《あかぎつね》のローリーはなぜビリヤードが上手《じょうず》とステファニーにまちがわれたのでしょうか。


 それはコスチュームのせい。


 ビリヤード競技《きょうぎ》の大会《たいかい》では、衣装《いしょう》の決《き》まり事《ごと》、ドレスコードがあります。

 えりつき長袖《ながそで》の白《しろ》いカッターシャツに、黒《くろ》いスラックス、黒《くろ》いベストにネクタイ。こうしたビリヤードの正装《せいそう》があるのです。


 この白黒《しろくろ》なオシャレコスチュームを着《き》ている赤狐《あかぎつね》のローリーを見《み》れば、いかにもビリヤードの上手《じょうず》なひとだとまちがえるのもしかたありません。


 けれども、その真逆《まぎゃく》でした。

 ローリーはいわゆる“カタチから入《はい》るタイプ”の初心者《しょしんしゃ》でした。


「ごめんね、ステファニー。だますつもりはなかったんだけど、私《わたし》、なんでもまず格好《かっこう》つけたい主義《しゅぎ》で……。ビリヤードのコスチュームってカッコいいでしょ? ビリヤードの古《ふる》い映画《えいが》を見《み》たら素敵《すてき》だなっておもって、まずコスチュームを買《か》っちゃって、せっかくだから自撮《じど》りをSNSにアップするだけじゃなくてためしに遊《あそ》んでみようかな、って」


「どうかおきになさらず。そんなことより、まだ新《あたら》しいお客《きゃく》さんが遊《あそ》びに来《き》てくれることのほうがうれしいですわ。すっかりさびれて風前《ふうぜん》の灯火《ともしび》なのはホントですから……」


 ビリヤード場《じょう》は地上《じあ》げ屋《や》のビリヤニのいやがらせのせいで客足《きゃくあし》が遠《とお》のいているのです。


 ネットの口《くち》コミサイトに「古《ふる》くさい。ショボい。☆2」みたいな書き込みをしたりして。


 でもそれはホントのことだったりします。

 このビリヤード場《じょう》はもう何十年《なんじゅうねん》もまえに建《たて》られたので古臭《ふるくさ》いのはホントです。


 もちろんあたらしく建《た》て直《なお》すようなお金《かね》だってありません。

 それはさびれた店内《てんない》を見まわせばローリーにもすぐにわかることでした。


「……ローリーさま、いっそ勝負《しょうぶ》をとりやめにしましょう」


「ステファニー、それはできないよ」


 ローリーは襟《えり》を正《ただ》して、カッコつけていいます。


「しっぽを巻《ま》いて逃《に》げるだなんて、カッコわるい。私《わたし》の流儀《りゅうぎ》に反《はん》するのよ。それにせっかくのステキなビリヤードコスチュームをかなしませてしまうよ。ここは勝《か》って、あの土地《とち》の権利書《けんりしょ》をビリビリにやぶいてしまおうって方《ほう》がカッコいいでしょ?」


「ローリーさま……!」


 ステファニーはトゲトゲをふるふるさせて感動《かんどう》しています。

 まぁ、これは赤狐《あかぎつね》のローリーお得意《とくい》の単《たん》なるカタチから入《はい》るかっこつけ、勝《か》てる理由《りゆう》はないのですが。


「なに、まだじかんはある。これから猛特訓《もうとっくん》だ」


「は、はい! がんばりましょう! ローリーさま!」


 ローリーはビリヤード台《だい》の縁《ふち》に構《かま》えて、白《しろ》い球《たま》を華麗《かれい》に突《つ》こうと目《め》を細《ほそ》めます。


「……で、ナインボールってどうやるの?」


「そこからですの!?」


 赤狐《あかぎつね》のローリーが競技用《きょうぎよう》の細長《ほそなが》い棒《ぼう》、キューをにぎるすがたはちゃんとしてみえます。

 ふしぎなことに、ステファニーの目《め》から見《み》てもその姿勢《しせい》は正《ただ》しいのです。

 しかしルールをちっとも知《し》らないとは。

「むしろふしぎですわ。どうしてフォームが正《ただ》しいのかしら」


「カタチから入《はい》る主義《しゅぎ》だからね。写真《しゃしん》映《うつ》りのために友達《ともだち》と練習《れんしゅう》したんだよ」


「まぁ、それで……」


「よっと」


 そしてローリーは真《ま》っ白《しろ》い無地《むじ》の手球《てだま》をコンと突《つ》いて、①②③④⑤⑥⑦⑧⑨とそれぞれ記《しる》されたビリヤード球《だま》のかたまりを弾《はじ》きます。

 白球《はくきゅう》が④のボールにぶつかり、その④がほかの⑥や②を弾《はじ》く。


 そうするとビリヤード台《だい》の縁《ふち》に弾《はじ》かれた球《たま》がぶつかり、また軌道《きどう》を変《か》える。そのうちのいくつかはころころころりところがって、台《だい》の四隅《よすみ》と両脇《りょうわき》にある六《む》つのポケットに落《お》ちることになります。


 こうして⑨のボールをポケットに落《お》とせば勝《か》ち、のはずだとローリーは思《おも》っていたわけですが。


「まぁ、力強《ちからづよ》いブレイクショットですわ。でも……」


「おや、なにかおかしかったかい?」


「ナインボールは必《かなら》ず白《しろ》い手球《てだま》を、はじめは①に当《あ》てないとダメですのよ。①がポケットに落《お》ちてようやく②、③、④と的球《まとだま》が変《か》わるのですわ。いきなり④に当《あ》てたら反則《はんそく》です」


「……そ、そうなんだ。ごめんね、ステファニー」


「いえ、初心者《しょしんしゃ》ですもの。どうぞお気になさらず。さぁ、たのしいレッスンのはじまりですわよ」


 こうして一週間《いっしゅうかん》、ステファニーの指導《しどう》の元《もと》、ローリーの特訓《とっくん》がはじまったのです。

 ローリーは見《み》た目《め》とフォームだけはバッチリなのですが、なにせルールをおぼえるところからはじめる始末《しまつ》です。


 はじめの三日間《みっかかん》、ローリーはおしごと帰《がえ》りにすぐビリヤード場《じょう》に立《た》ちよってはみっちりと練習《れんしゅう》してとがんばっていました。

 おうちに帰《かえ》ってもビリヤードの本《ほん》や解説《かいせつ》動画《どうが》でルールやコツもおぼえていきます。


 それでもまだまだ初心者《しょしんしゃ》ですからローリーもホントは不安《ふあん》でいっぱい。

 そんな時《とき》、ローリーのルームメイト、ウサギのアンゴラはふしぎそうにたずねます。


「ローリーったらバカね。その試合《しあい》に勝《か》っても負《ま》けても、どうせビリヤード場《じょう》はもうおしまいじゃないの。立《た》ち退《の》き料《りょう》はちゃんとくれるんでしょ? いいじゃんあきらめたら」



挿絵(By みてみん)



 アンゴラは携帯電話《スマートフォン》をいじってぶつくさいいます。

 はりきっているルームメイトのがんばりをバカにするのは、ローリーがうつらうつらと眠《ねむ》りこけながらルールブックを読《よ》んでいたからです。

 こっくりこっくりコックリさんです。


「ふにゃふにゃむにゃむにゃ」


「こら、あたしのはなしを聞きなさいよ。あんなボロいプールバー(※ビリヤード場《じょう》のこと)どうせつぶれるてってるのよ」


「むにゃ、え、あ、ん、そう……そうかもしれないね」


「なんだ、わかってんじゃん」


「けどさ、やってみるとこれがたのしいんだよ。コン! ってキューって細長《ほそなが》い棒《ぼう》でボールを叩《たた》くと、カンカン! ってボール同士《どうし》がぶつかって跳《は》ねてどう転《ころ》がるかを心待《こころま》ちにする瞬間《しゅんかん》がたまらなくわくわくするし、ハラハラと緊張《きんちょー》するんだよ。それにね」


「ふーん、それに?」


「ステファニーの教《おし》え方《かた》が上手《じょうず》なんだ。手取《てと》り足取《あしと》り親切丁寧《しんせつていねい》ってだけじゃない。あれができないこれができないと怒《おこ》ったりせず、こう、勝負《しょうぶ》に勝《か》ちたいって焦《あせ》りより、ビリヤードを好《す》きになってくれた新入《しんい》りの私《わたし》にあれこれ教《おし》えてあげるのが楽しいみたいでさ。トゲトゲがシャキンとしてるんだよね」


「は? トゲトゲ?」


「ハリネズミなの、彼女《かのじょ》」


「あー、そーゆー」


「……時間《じかん》が足《た》りないからさ、明日《あした》から有給休暇《ゆうきゅうきゅうか》をつかってお仕事《しごと》おやすみするよ」


「なにそれ、バカじゃん」


「ステファニーはさびしがってるんだ。私《わたし》にはわかるよ。私《わたし》とアンゴラが同《おな》じ趣味《しゅみ》でつながって、さびしくなくなった時《とき》のうれしさを、キミはわかってくれるだろう?」


「……それくらいは、まぁ」


「もしかして、ちょっと妬《や》いてる?」


 ローリーは本《ほん》を脇《わき》において、アンゴラのことをぎゅっと抱《だ》きしめます。

 ごきげんななめだったアンゴラはすこしいやがります。

 でもローリーにせなかをポンポンとされると、そのうちにすなおになりました。


「いまはふたりのじかんなんだから、もうちょっと、あたしもさびしくさせないでよ」


「はいはい、こまったお姫《ひめ》さまだね」


 ローリーのなんとも甘《あま》い言葉《ことば》とお顔《かお》に間近《まじか》でふれると、アンゴラの白《しろ》いもふもふのみみはシャンとしてたのがふにゃふにゃになってしまいます。

 そりゃあだって、ちっとも好《す》きでもないひととはいっしょに暮《く》らしませんものね。


「ローリー、もう寝《ね》たら? このままいっしょに寝《ね》てくれるならゆるしてあげる」


「ん、そうするよ。ルールブックによだれたらしちゃこまるしね」


「あたしだってこまるけど!? ふにゃふにゃのふやふやになるから寝《ね》てるあいだにおみみはぐはぐするのもなしね!」


「あはは、それじゃおやすみ……」


 そのうちに寝《ね》こけて、ローリーのとっくん三日目《みっかめ》が終《お》わりました。









◇

 四日目《よっかめ》、なぜかビリヤード場《じょう》にはウサギのアンゴラがやってきました。


 もこもこふわふわなウサギのアンゴラは携帯電話《スマートフォン》で練習《れんしゅう》を撮影《さつえい》してくれています。

 トゲトゲチクチクのハリネズミのステファニーとは見比《みくら》べてみるとなかなかおもしろです。


 ちなみに、アンゴラのみみはふにゃふにゃのふやふやで歯型《はがた》もうっすらのこってるのですが、むしろ気分《きぶん》は上々《じょうじょう》ごきげんよしではりきっています。


「あの、アンゴラさまはなにを……?」


「練習《れんしゅう》風景《ふうけい》を撮影《さつえい》して配信《はいしん》するんだって」


「配信《はいしん》……?」


「バカね。勝負《しょうぶ》に勝《か》つだけじゃダメなのよ。盛《も》り上《あ》がりそうなイベントはチャンスよ。プールバーをつづけたきゃお客《きゃく》さんを待《ま》ってるだけじゃダメ! 自分《じぶん》から呼《よ》び集《あつ》めないと!」


「は、はぁ」


「お店《みせ》の存亡《そんぼう》を賭《か》けた世紀《せいき》の大勝負《おおしょうぶ》でしょ! 観客《かんきゃく》をまねくんでしょ! ビリヤードが楽《たの》しいんだってとこをせいぜいアピールすることね、あたしの相棒《あいぼう》を貸《か》してあげるんだから」


「あの、おふたりはどういうご関係《かんけい》で?」


「あっちが動画《どうが》つくるひと、私《わたし》は動画《どうが》うつるひと、かな」


 ローリーは華麗《かれい》にブレイクショットを決《き》めます。


 あいかわらずフォームだけは綺麗《きれい》ですが、①はポケットは落《お》ちず失敗《しっぱい》、ミスショットになります。


「ううん、全然《ぜんぜん》よくならないなぁ」


「でも、①のボールをちゃんとポケットのそばに転《ころ》がせてます。もうすこしですわ」


 ステファニーとローリーの特訓《とっくん》は試合《しあい》前日《ぜんじつ》までつづきます。


 コンディションをととのえるため、ローリーは早《はや》いうちにぐっすりと寝《ね》ます。


 その夜《よる》、アンゴラはステファニーに電話《でんわ》します。


「ねえ、ステファニー。ひとつ聞《き》いておきたいんだけど、なんであんたが試合《しあい》に出《で》ないの? ローリーに聞《き》きそびれちゃって」


「それは……」


 アンゴラはローリーのすやすやとした寝顔をながめながらはなします。


「ホント、見《み》てて飽《あ》きない顔《かお》よね」


 とアンゴラは向こう側に聴こえないようぽそっとつぶやき、ほんのりわらって。


「ローリーはおひとよしなのよ。明日《あした》の勝負《しょうぶ》、勝《か》てる見込《みこ》みはぶっちゃけ薄《うす》い。それでもあんたが試合《しあい》せずにローリーにやらせる理由《りゆう》はなに? ……あたしにも教《おし》えなさいよ」


 ステファニーはしばらくだまってしまいます。

 けれどそのうち、話《はな》してくれました。


「……それは、ローリーさまがみずから勝負《しょうぶ》すると仰《おっしゃ》ってくれたからです」


「どゆこと?」


「対戦《たいせん》相手《あいて》のビリヤニという男《おとこ》が勝負《しょうぶ》に乗《の》ったのはローリーさまが初心者《しょしんしゃ》だと見抜《みぬ》いたからです。もし愛好家《あいこうか》のわたしがお相手《あいて》すると言《い》ったら、きっと約束《やくそく》がちがうととりやめにしてしまいます。勝《か》てそうな勝負《しょうぶ》しかしない男《おとこ》なんです、ビリヤニは。それに……」


「それに?」


「ローリーさまをみてたら、本当《ほんとう》に勝《か》ってくれるんじゃないかって気がして」


「そう、バカげてるわね。奇跡《きせき》でも起《お》きなきゃムリじゃん、そんなの」


 すぅすぅと寝息《ねいき》を立《た》てるローリー。

 きっと夢《ゆめ》の中《なか》でも練習《れんしゅう》してるのだろうなとアンゴラは苦笑《にがわら》いします。


「ま、奇跡《きせき》に期待《きたい》したっていっか。負《ま》けても困《こま》るのあんたとこのバカだけだし」


「……ですね!」


 電話《でんわ》を終《お》えると、アンゴラはパソコンに向《む》かいます。

 明日《あした》のために彼女《かのじょ》にもやるべきことがあるからです。
















◇

 そして試合《しあい》当日《とうじつ》。


 ビリヤード場《じょう》にはたくさんの観客《かんきゃく》が集《あつ》まっていました。

 これには対戦《たいせん》相手《あいて》のビリヤニと子分《こぶん》のネコらもおどろきでした。


「どーなってやがるにゃ! こんなさびれたとこにこんなに……」


「うう、こう見物人《けんぶつにん》がいちゃやりづらいっす」


 観客《かんきゃく》はすべて常連客《じょうれんきゃく》というわけではありません。

 ここに集《あつ》まったのはアンゴラの作《つく》った動画《どうが》の呼《よ》びかけに応《おう》じてくれたひとたちです。


「念願《ねんがん》の生《なま》ローリーよ! ああ、お美《うつ》くしい!」


「キャー! ローリー! こっち向《む》いてー!」


「立《た》ち退《の》きを賭《か》けた世紀《せいき》の大勝負《おおしょうぶ》といわれちゃ見《み》に来《き》ちまうよなぁー、そりゃあ」


 観客《かんきゃく》のおかげか、場《ば》の雰囲気《ふんいき》はローリーに味方《みかた》してくれています。

 凛々《りり》しく白《しろ》と黒《くろ》のハスラースーツを着《き》こなしたローリーはまるで一流《いちりゅう》のプロみたいな風格《ふうかく》で試合《しあい》に望《のぞ》みます。


 一方、ビリヤニも同じく白と黒の正装《せいそう》で試合《しあい》に望《のぞ》むのでした。


「ルールはナインボールの5ゲーム先取《せんしゅ》、そして勝敗《しょうはい》が店《みせ》の今後《こんご》を決《き》める。いいね?」


「ああ、もちろんだにゃ」


 ステファニーとアンゴラ、子分のネコらが見守《みまも》る中《なか》、コイントスで先攻《せんこう》を決《き》めます。


「……私《わたし》からだ。行《い》くぞ、ビリヤニ」


「やってみろ、ド素人《しろうと》」


 ローリーは綺麗《きれい》な姿勢《しせい》で、さいしょのブレイクショットを行いました。


 ちゃんと自分《じぶん》の白い球《たま》が、的球《まとだま》の①に当《あ》たり、②③④⑤⑥⑦⑧⑨とそれぞれの球《たま》がビリヤード台《だい》の上《うえ》を四方八方《しほうはっぽう》に弾《はじ》かれてコロコロと転《ころ》がっていきます。


 ナインボールは⑨をポケットに落とせば勝利《しょうり》、1ゲームを得《え》ることができます。

 ローリーのブレイクショットはこのまま①をポケットに落とせば、次《つぎ》は②を的球《まとだま》にしてつづけて打《う》つことができます。


 理想的《りそうてき》に打《う》ちつづければ、ずっと相手に打たせずに⑨をポケットに落とすことさえできますし、うまくやれば途中《とちゅう》で的球《まとだま》をうまくぶつけて⑨をポケットに落とすこともできます。


 そしてローリーのブレイクショットは……うまく①をポケットに落として成功《せいこう》です。


「よし!!」


「ほーう、にゃかにゃか練習《れんしゅう》してきたようだにゃあ」


「当たり前だ! この調子《ちょーし》で……あっ」


 早速《さっそく》のミスショットです。

 手番《てばん》はビリヤニに交代《こうたい》、そして彼《かれ》はものの見事《みごと》に②をポケットへ落とします。


「上手い……!」


「ふにゃふにゃふにゃ! オレサマも練習してきたんだにゃ~。経験《けいけん》も実力《じつりょく》もオレサマが上にゃ」


「おまえ……じつはビリヤード好《す》きなんじゃないか!」


「“好きだった”が正《ただ》しいがにゃ」


 ビリヤニは⑤と⑥をポケットに落とし、さらに⑨まで落として1ゲームを制《せい》します。


 でかいみかけに似合《にあ》わぬ繊細《せんさい》なコントロールにはおどろきです。


 観客《かんきゃく》もおもわず「おい、あいつすごくねーか?」「ああ、ただのゴロツキじゃなかったのか」と見事《みごと》なプレイにナイスショットにパチパチと拍手《はくしゅ》をおくります。


 つづく2ゲーム目、ビリヤニは①②③④⑤⑥とそのまま1ゲームさらに得《え》るのではと見事につづけるのですが、⑦を落としそこねて交代《こうたい》になります。


「ちっ、ほら、おみゃーの番《ばん》だにゃ。ふにゃははは! ……はずすにゃよ?」


「わ、わかっている……!」


 ローリーには連続《れんぞく》失点《しってん》を許《ゆる》せるような余裕《よゆう》はありません。


 このワンショットをミスしてはいけない。


 そういう重《おも》たさが、ローリーの指先《ゆびさき》に余計《よけい》な力《ちから》を与《あた》えてしまうのです。


 そこでアンゴラは、ステファニーになにかこしょこしょ耳打《みみう》ちして。


 ステファニーは力いっぱいにさけびます。


「ローリーさま! カッコ悪《わる》いですよ!!」


「……は?」


「ダサいです! カッチンコッチンに緊張《きんちょう》しきっててちっともカッコよくないですわ!」


「んな、だ、だれのためにこんなことしてるとおもって……!」


 ローリーはキューの棒先《ぼうさき》をステファニーに向けて抗議《こうぎ》します。


「じゃあどうしたらいいんだよ! 私は!」


 その問《と》いかけに、ステファニーは全力《ぜんりょく》でこう返事《へんじ》します。


「もっと理想《りそう》のカッコいい自分《じぶん》になりきるんですわ! こんなボロい店《みせ》のことなんて気《き》にせず! ローリーさまがなりたい最高《さいこう》に、ビリビリとしびれるくらいカッコいいハスラーになりきるんですわぁぁーーーっ!!」


「最高の……」


 ローリーは思い出しました。


 このハスラースーツに袖通《そでとお》したのも、つい助《たす》け船《ぶね》を出《だ》してしまったのも、一週間ずっとがんばってきたのも、すべてはステファニーとお店《みせ》を助《たす》けたいため“だけ”じゃない。

 そういう“守《まも》るべきもの”のためだけに戦《たたか》うのは自分らしくないと気づいたのです。


「……そう、そうだね」


 ローリーが今《いま》、ここで戦《たたか》うのは――。


 最高《さいこう》にカッコいいショットを決めて、輝《かがや》くためだと。


 最高の一打《いちだ》。

 それは稲妻《いなずま》のように目の冴《さ》える会心《かいしん》のショット。


 ⑦の的球《まとだま》が⑧を弾き、そのどちらもがポケットへ吸《す》い込まれていきました。


 つづけざまに白球《はっきゅう》が⑨を弾き、ポケットインしてゲームを勝ち取ります。


「クォォォォーーン! どうだ、見たかいステファニー!」


「おぎょうぎが悪いですわローリーさま! でも……かっこよかったですわよ」


 そこから試合《しあい》は白熱《はくねつ》の大接戦《だいせっせん》でした。

 ビリヤニとローリーはどちらも譲《ゆず》らず、一進一退《いっしんいったい》、勝負は4-4のラストゲームへ。


「ぐにゃー! 初心者《しょしんしゃ》がこのままビギナーズラックで勝てると思うにゃよ!」


「その初心者が見事に勝ったら最高にカッコいいだろ? だから私が勝つのさ」


「ええい、この一打で決めてやるにゃあ!!」


 ビリヤニは勝負を決めにいきます。


 むずかしいけれど、決まれば⑨を落とせるというテクニカルなショットを狙いました。


 しかしそれは空振《からぶ》りに終わり、こんどはローリーにチャンスがやってきます。


 会場《かいじょう》は熱気《ねっき》につつまれ、アンゴラの実況《じっきょう》配信《はいしん》も大盛り上がりでした。


「すぅー……はぁー……」


 ローリーは深呼吸《しんこきゅう》をひとつ。

 そしてこう宣言します。


「ステファニー、もしこのワンショットで勝利できたら――」


「で、できたら」


 キューを構《かま》えて、ローリーは美《うつく》しく静《しず》かに狙《ねら》い澄《す》まします。


「この古《ふる》くてダサい店、リフォームしようよ。いっしょに」


 ステファニーはびっくりな言葉《ことば》にすこしおどろきますが、すぐに「勝てたら、ですわよ」とくすりと笑ってかえします。

 ローリーは「勝つさ」とつぶやいて、白球《はっきゅう》をキュースティックで弾きます。


 それは渾身《こんしん》の一打《いちだ》でした。


 ⑤の的球《まとだま》に当てられた⑦が弾かれて縁《ふち》に跳《は》ね返《かえ》り、きっちり⑤はポケットへ。そして⑦がいきおいよくぶつかるのは⑧、その⑧がぶつかったのは⑨でした。


 ⑨はいきおいが弱《よわ》いながらに少しずつ、じわり、じわりと四隅《よすみ》のポケットへ――。


 ころころころり、ころりんこ。


 みんな、⑨の行方《ゆくえ》を手《て》に汗《あせ》握《にぎ》って見守《みまも》りました。


 ころころ――、コトンッ。


 ――⑨のボールはものの見事に、ポケットに落ちました。


 ローリーが勝利《しょうり》したのです。


 わぁわぁと歓声《かんせい》が上がって、会場は熱狂《ねっきょう》の渦《うず》につつまれます。


「ローリーに惜《お》しみない拍手《はくしゅ》を!」


「お見事! 最高にカッコいいぜ! ローリー!」


「ビリヤードってはじめてちゃんと見たけどこんなに面白《おもしろ》いものなんだね!」


 負《ま》けてしまったゴロツキネコどもは残念無念《ざんねんむねん》。


「そ、そんにゃ~……」


 ぐったりと脱力《だつりょく》しきってふにゃふにゃです。

 がっくりと膝《ひざ》を落とし、ビリヤニはいやそうに土地《とち》の権利書《けんりしょ》をローリーに差《さ》し出《だ》します。


「……約束だ、受け取れにゃ」


「潔《いさぎよ》いじゃないか、お前もなかなかカッコよかったよ、ビリヤニ」


 ローリーはカッコよく、土地の権利書をびりびりと破り捨ててしまいます。

 そしてキメ顔でキラキラした謎の光(なんのひかり?!)をまといながらステファニーへアピールします。


「どうだい? ビリビリとシビれるくらい最高にカッコよかっただろ?」


「ええ、とっても……」


 うっとりとした熱《あつ》いまなざしで祝福《しゅくふく》するステファニー。


 ステファニーはうれしすぎて、ぎゅっとローリーにぽろぽろ涙《なみだ》しながら抱《だ》きつきます。


「ふたりでステキなリフォームをしましょうね、ローリーさま!」


「いた、あ、痛《いた》いっ! く、ない、痛《いた》くないもん……っ!」


 ステファニーのトゲトゲチクチクに耐《た》えながらローリーは最後《さいご》までカッコつけます。


 その足元《あしもと》では、ふわふわもこもこのアンゴラが必死《ひっし》に紙切《かみき》れを拾《ひろ》い集《あつ》めてます。


「おいバカ!! だいじなだいじな土地《とち》の権利書《けんりしょ》をビリビリに破《やぶ》いてどーすんだ拾《ひろ》い集《あつ》めろバカギツネ!!」


「……え?」


「カッコつけすぎだバーカ!!」


 後日《ごじつ》、このうっかり土地の権利書をびりびりに破《やぶ》いちゃったワンシーンは、見事に⑨を落として勝利《しょうり》したシーンより有名《ゆうめい》になってしまったとか――。


 リフォームされてオシャレになったステファニーのビリヤード場はそのおかげか話題《わだい》です。

 そこでは毎夜《まいよ》、なかよくビリヤードをたのしむふたりのすがたがあったとか。

 そうそう、ときどき、もう一羽《いちわ》もいっしょだったりするそうですよ。

 めでたし、めでたし。




お読みいただきありがとうございます。

お楽しみいただけましたら、感想、評価、いいね、ブックマーク等格別のお引き立てをお願い申し上げます。


素敵なイベントに参加させていただき、作品を書く良い機会に巡り合わせていただきました。

イベントの関係各位にもこの場を借りて、お礼申し上げます。

読者様におかれましても、この機会に他の方々の素敵な童話にも触れる機会になれば幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 拝読しました。 なんともかわいい戦いのお話でしたね。 擬人化イラストも、かわいくて。すごい! リフォームされたお店が、これから繁盛することを祈っております。 それにしてもビリヤニさん、…
[良い点] 素人から利用的なハスラーになったローリーさんがかっこいいです。 ⑨の字が本当にビリヤードの玉に見えますね。 昔、少年マガジンの『ブレイクショット』というビリヤード漫画を読んでいました。
[良い点] 9の話を考えようとして、まず浮かんだのがナインボールでしたが、真っ先にボツにしました。童話にするには難しいと感じたからです。それをわかりやすく、なおかつ楽しく書かれたこのお話を読んで、つく…
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