輪廻
わたしは弱者だと知っている
わたしは泣いたことがない
泣きたいと
いつも思うのに
わたしは我慢する
僕は強者だと知っている
泣き虫だ
我慢なんてせずに感情の全てを吐き出す
わたしは人のために生きたい
多くの人の役に立ちたいし
多くの笑顔に触れたい
それがわたしの幸せだと
わたしは知っている
僕は自分の幸せをきちんと考えている
できるだけ自分のために時間を使って
沢山の時間を笑顔で過ごしたい
それが僕の幸せだと
僕は知っている
ある日、僕は街で人のために生きる女性を見た
心奪われた瞬間だった
当然僕は彼女にアプローチした
結果は散々だった
しかし僕は家に着くまでの道中
どうしたら振り向いてもらえるのかと考えていた
ある日、私は街で男性に声をかけられた
ボランティア活動の最中だったのにも関わらず
しつこく声をかけてくるので
怖くなり逃げてしまった
彼を傷つけてしまったかも知れないと
そう思いながらも場をわきまえてほしいと
少し憤怒していた
あれからしばらくして僕は
彼女と仲良く食事にいく関係にまで進展していた
彼女と話せば話すほど、彼女を好きになった
価値観のまるで違う彼女に惹かれていった
彼女のために生きたいと思った
これは初めての感情だ
今日の食事でお付き合いの告白をしようと思っている
あれからしばらくしてわたしは
彼と何度か食事を重ねていた
わたしは彼の自信に満ち溢れた笑顔に
ひどく落胆していた
彼は自身を強者だと思っていることが
伝わっていた
わたしは自身を弱者だと理解しているが
彼ほどではないなと思った
可哀そうな人。放っておけなくなった
あれから月日が流れ僕は
彼女との日々を幸せに感じていた
しかし彼女の時折見せる
僕を蔑むような眼に気づいていた
これじゃダメなのかと悩みながら
彼女の1番を目指して
沢山背伸びをしたし沢山愛を贈った
今日プロポーズしようと決めている
あれから月日は流れわたしは
彼との日々に疑問を感じていた
彼の背伸びにも嫉妬にも気づいていたし
わたしは彼が好きなのかだろうか?
放っておけなかった気持ちのまま一緒にいる
でもこのままではいられない
今日別れ話をしようと決めている
僕は何をしていたのだろう
彼女との時間の中で
自分の満足ばかりを追いかけて
大好きな彼女の笑顔を見ることも
自分の為だった
彼女は自分を弱い人だと言うが
そんなことはなかった
自分を強者だと勘違いしている自分など
強弱の土俵にも立てていなかった
彼女と別れ辛い日々のなか
涙をしまって
前を向いて生きることにした
わたしは何をしていたのだろう
彼との日々の中で
彼の為になることばかり考え
自分がそばに居ることさえも
彼の為だった
彼は別れ際に涙を流し
わたしを強い人だといったけれど
そんなことはないと知っている
だってわたしはまた自分で始めて
また自分で彼のために生きることをやめてしまった
わたしは過去を振り返り
何がいけなかったのか考えることにした
僕は弱者だと知っている
僕は泣いたことがない
泣きたいと
いつも思うのに
僕は我慢する
私は強者だと知っている
泣き虫だ
我慢なんてせずに感情の全てを吐き出す