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子狐幻想譚  作者: 蒼井奏太
2/5

第一幕~始まりの場所~

「あれ?俺、どうしたんだっけ?」

「確か…神社の階段を登ってたはずだったはずだけど…」

 困惑している彼は徐々気持ちと共に視界も落ち着いてきて辺りを見渡せるようになってきた。


「ここは…どこだ…?」

 そう、辺りには何もない草原だった。

 そよ風が鼻をくすぐり、緑の香りが辺りを包んでいた。


 空には無数の満天の星空で星々が輝き煌めいていた。

 しばらく惚けていると後ろから声がかけられた。

「ねぇ、僕の呼びかけにこたえて、ここまで来てくれてありがとう」

 驚いて後ろを見ると誰もいない…

「こっちだよ、こっち、下だよ」

 落ち着いた様子で声の主は言った。


 奏太はゆっくり下を向き直した。

「やぁ、僕の名前はコンって言うんだ。」とコンは言った。

奏太は小さい獣を見て驚きながら後ずさりながら驚きの声を発した。

「うわぁ!キツネがしゃべった!?」


 コンはため息交じりにこう言った。

「やっぱりみんな同じ反応だよね…」

 つづけてこうも言った

「君には怪異と戦える素質があるんだ」

「だからボクを助けてはくれないかい?」


 奏太も落ち着いてきて話を聞けるようになったところで返事をした。

「俺に素質?どんなものなんだい?」

 コンは答えた。

「うーん、火の力が相性良さそうだね」

「僕の狐火の力を渡した方が良さそう」

 するとコンは火の玉状になり奏太に近づいてきた。

 奏太はたまらず




「ちょっ、ちょっと待って!?どうしたらいいの!?」

 すると火の玉から声が聞こえて

「大人しくしててね。すぐ済むから」

 そしてどんどん近づいてくるからたまらず奏太は目を瞑った。


 すると体が暖かくなった。

 ゆっくり目を開けると体が蒼い炎に包まれていた。

「わぁ…なんだこれ…」

 驚きながらどこか嬉しそうに奏太が言った。

「これはね、狐火って言うんだ」

「僕の力のひとつさ」

 コンの声が頭の中に響いてきた。

「え?コン?どこにいるの?」

 困惑しながら奏太は聞いた。

「今は力の受け渡し中で君の体の中にいるんだよ」

「もう少し経って力が安定したら出るから安心してね」

 落ち着きながら答えるコン。

「わかったよ」

 落ち着きつつ答える奏太。

「そういえば助けを求めてたけど」

「どんなことをすればいいんだ?」

奏太は落ち着きながら言った

「今はね、僕のご主人様がおかしくなってしまってね。何処かに行ってしまったんだ…。だからこの地の封印と安全を守って欲しいんだ」

コンは困りながら返答する。

「そうなのか、コンも大変なんだな、俺で出来るなら協力したいな」

奏太は努めてめて冷静に答えた。

「ありがとう」

コンは感謝の意を示した。


ーー数分後ーー


 何もしないで立っているのも疲れるので座って待っていると徐々に炎が体の中に収まっていく様子が見えてきた。

するとコンが

「もうそろそろ、大丈夫そうだね」

「お邪魔しました。」

そう言ってポンって音が出るみたいに飛び出してきた。

「あとは自分で制御できるように練習しよう!」

 元気よくコンが言った。

「今は力が漏れている状態でこのままだと命に係わるから炎が見えなくなるまで体の中心に集めるのを意識してね」

「そうじゃないと力の使い過ぎで死んじゃうから気を付けてね」

 コンはさりげなく怖いことを言った。


「素質はあるから後は慣れるだけだよ!頑張って!」

 コンはさらに続けて告げた。

 奏太は意識をして体の中心に炎を収めた。

「ふぅー、どう?収まってる?」

奏太はコンに聞いた。

「いいね!大丈夫そうだよ」

コンは言った

「なんか不安だなぁ…」

奏太は不安げに聞いた。

「後はコントロールと依り代渡すね」

コンは告げた。

「コントロールは分かるけど依り代って何?」

奏太は訝しげに聞いた。

「簡単に言うと力を使うための武器さ」

「その武器で怪異と戦ってほしいんだ」

コンは落ち着きながら答えた。

「あぁ…怪異と戦うって言ってたしな」

奏太は思い出しながら言った。

「ちゃんと聞いていてくれてて嬉しいよ」

コンは嬉しそうに答えた。

「それじゃ、元の世界に戻ろうか」

コンは簡単に言った瞬間…


ーー神社ーー


「あれ?神社だ…」

奏太は言った。

「今までの場所はボクが作った神域って場所なんだ。簡単にいうと結界みたいなものさ」

簡単にコンが言う。


「結界?どんな効果あるんだ?」

奏太が訝しげに聞いた。


「結界わからないか…具体的に言うとこの世界とは別の世界を作って外界と遮断して外界に影響が出ないようにするための空間なのさ、これで分かるかい?」

コンが丁寧に答えた。


「分かったよ、ありがとう」

奏太は礼を言った。


すると突然、正面の草むらからイタチがでてきた。

「ん?イタチか?めずらしいなぁ」

と近づきつつ奏太は言った。


「あぶない!そいつは怪異だ!」

コンは叫びながら奏太に言った。


「なんだって?イタチが怪異?」

 動きを止めながら答える奏太。


 奏太に向かって猛スピードで獲物に飛び掛かろうとするかの如く進むイタチ。

 そして、奏太まで1メートル程まで近づいたイタチは体を回転させ空気の刃を放った。

「うわ!、あぶな!!」

ギリギリで躱す奏太であったが

「きゅーーー」

イタチが鳴きながらさらにもう一撃を繰り出してきた。

「くっ!!」

流石に避けきれずに左肩に被弾した奏太

だったが傷跡から炎が漏れ出し瞬く間に塞がってしまった…。


「奏太!!」

背後より罵声のごとく響いた声に振り返るとそこには…



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