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たるんでいた鎖が真っ直ぐになった。ただそれだけだった。


――……。


鎖を見つめていると、後ろでガチャと音がした。


そこには鉄製のドアがあり、それが開いて宇崎が姿を現したのだ。


「お目覚めのようだな」


宇崎は右手に木刀の小刀。


左手にはトレーを持っていた。


トレーの上には一杯のご飯、料理された野菜と魚、ペットボトルのお茶があった。


「宇崎っ、きさま!」


「人間にはここをこんなふうに打撃を加えると、気絶するというところがあってね。僕が君を木刀で叩いたところがそうなんだけど。でも理屈ではわかっていたんだけど、実際にやったことがなくてね。まあ、うまくいってよかった。強く叩きすぎたり叩く箇所がずれたりすれば、下手をすれば死んでしまうってことも有り得るからね。でも君が気がついてくれてその心配もなくなった。まだ完璧とは言えないが。でももうコツは掴んだから、次にやるときはもっとうまくやるよ」


宇崎とは半年以上の付き合いがあるが、やつがこんなにも長いセリフをしゃべるところは、初めて見た。


宇崎が誰かの言葉に反応してする返事の大半が「うん」とか「ああ」とかなのだから。


宇崎は小刀を俺にむけて構えて言った。


「下がれ。線の内側まで」


言われて足元に白い線が描かれていることに気がついた。


円形の線が、壁に打ち込まれた鎖の根元を中心にして。

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