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丁頭部よりも少し左のあたりに、鈍い痛みを感じた。
触ると思っていた以上に痛い。
どうやらここを、なにかで殴られたようだ。
――いったい、誰が?
いろいろ考えていた俺だが、ぼうとした意識が完全に戻りきる前に、気付いた。
首になにかある。
鉄製の輪。
首輪だ。
そしてその首輪には大きく頑丈な鎖が取り付けられ、その鎖はそのまま壁に埋め込まれていた。
――なんなんだ、これは?
思わず首輪を外そうとした。
が、すぐに気が付いた。
これほどまでに太い鉄の輪。
人間の力なんかでどうにか出来るものではない。
次に鎖を見た。
これまた見たことがないような鎖だった。
輪の一つ一つが大きく、おまけに太い。
象でもつなぎとめられそうな代物だ。
俺は鎖が埋め込まれている壁を見ながら、鎖を全体重を乗せて力の限りに引っ張ってみた。
しかし微動だにしなかった。