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「おい、聞いてんのか!」
宇崎は木刀を構えた。
「うるさいなあ。ちゃんと聞いてるよ。それ以上騒ぐと、こいつが黙ってないぞ」
「……」
「僕はこう見えても優しい男なんだ。君に時間を上げよう。今日一日と言う、考える時間をね」
宇崎はそう言うと、また何かを思いめぐらせている様子だったが、やがて出て行った。
俺は考えた。
相当のリスクや覚悟って、どういう意味だ。
いったいなんだと言うんだ。
しかし窓もなにもない灰色の空間に、何日も閉じ込められている。
もう今日が何日目であるのかが、よくわからないほどの期間を。
それもこんな鎖につながれたままで。
大好きでずっと食してきた肉を一切口にすることなく。
――そうとうのリスクや覚悟だと? そんなもの知るか。俺は肉が食いたいんだ。今すぐにでも食いたいんだ。
そのまま寝た。
寝る前に自分でも意外なことだったが、岬愛の笑顔が脳裏に浮かんできた。
次の日、やって来た宇崎に言った。
「肉を食わせろ!」
「一日考えた結果がこれか。しなくてもいい忠告までしたというのに」
「いいから肉を食わせろ。極上の肉を!」




