表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/16

12

宇崎がやって来た。


そして俺を見て「おやっ」という顔をした。


いつもは「下がれ」と言うまで嫌がらせのように線のすぐ傍に立っている俺が、内側にいてしかも胡坐をかいて座っているからだ。


「なにを考えてるんだか」


宇崎はかがみこんで床にある下着などを拾おうとした。


――今だ!


俺は宇崎の顔をめがけて、背中に隠していた野菜の煮つけが入っていたプラスチックの容器を投げつけた。


中には俺が昨日丸一日かけて鎖の角で壁を削り取ったコンクリートの粉が入っている。


目潰しだ。


視界を奪えば、あとは流れでなんとかなると思ったのだ。


ところが宇崎は、プラスチックの容器が俺の手を離れるよりも前に、手にしていた俺の上着を顔の前に突き出した。


容器は上着に当って下に落ち、コンクリートの粉も大半は上着に付着しただけだった。


宇崎は上着を投げ捨てて言った。


「ほんと、学習しないなあ、君は。僕は小学校に上がる前から、厳しい剣の修行を続けてきたんだよ。毎日一日も欠かさずにね。それに比べて君は、格闘技どころかなんのスポーツの経験もない。そんな君が不意をつこうとしても、僕にはその前にわかってしまうんだよ。雰囲気や細かい動き、その他あれやこれやでね。嘘だと思うのなら、試してみればいいよ。何百回何千回と試みたところで、君に僕の不意なんか、つけないね」


宇崎が近づいて来た。


前に受けた木刀での連続攻撃。


前の痛みがまだ残っているというのに。



次の日やって来た宇崎が言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ