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席に座るとティトはすでにカルボナーラを食べ始めていたようだったので、
「いただきます」
俺も食べ始める。
「話は変わるけど、矯平たちさ、クランはどうするの?」
なぜか申し訳なさそうに話し出すティト。一体どうしたんだ……
クランとは学校行事以外での大会へ出場するときのチームのことだ。クランメンバーは四十人未満と決められていて、それさえ守ればクラン成立となる。
「特に入るところは決まってない」
ややこしいことに、高校生になるとクランへの入隊が義務づけられており、既定の期間中に入隊しないと武装した先生との楽しい楽しい二者面談になる。
特に入るところはないと言って瞬間に、ティトの表情が曇った表情から、笑顔に変わった。
「それだったら、川神さん、ボクと姉さんで新しいクランを作ろうと思ってるから、ボクたちのところにおいでよ」
「それはいいけど、今何人集まってるんだ?」
「ボクらと矯平だけ……」
そんなんでよく勧誘なんてできたものだ。クランは三十人以上は欲しいだろ、普通。俺は深くため息をつく。
「とりあえず、クランメンバーにもなってくれるやつを探すしかないだろ」
クランメンバーに関しては、俺が入るって言えばおまけで諒子、晃嘉、匠が付いてくるだろうけど。
「でもなんでいきなりそんなこと?」
俺はオムライスを口へ運ぶ。卵がフワフワしていてるし、デミグラソースの味がぢっかりしていてとても美味しい。
「なんか、『自分でクラン作った方が楽しそうだ』って川神さんが言いだしてね」
さすが川神さんと言った所だろうか……あの人は興味が湧けば何でもやろうとするからな。
「まぁ、いいんじゃないか?面白そうだしな」
団体戦部門で優勝できるメンツが集まりそうだな。その様子を見て、ティトが笑みをこぼす。
「なんだよ」
「なんだか、矯平と川神さんってどこか似てるよね」
「戦闘のスタイルとかそういうのが似てるってことか?」
戦闘に関しては川神さんに鍛えてもらったフシがあるので、少し似てるかもしれない。
「スタイルとかじゃなくて、何か根本的な部分が似てるんだよ」
「根本的な部分ね……」
俺は根本的な部分にしても共通するところなんて、一つもない気がする。
「それはそれとして……今何時だ?」
ケータイを開くと18:27という文字が飛び込んできた。
「急がないとヤバいぞ!六時半だ!」
早急に食事を済ませ、事務所へ戻る。
事務所に戻るとAR‐50を背負ったティアが待ち構えていた。AR‐50はアーマライト社の対物狙撃銃で反動は小さいかわり銃の重量が十六キロ近くある。本来はティアが使えるような武器ではないはずなのだが、本人は難なく使いこなしている。
「ターゲットが人なのに、なんでお前は対物狙撃銃を持ち出すんだよ?」
「一番使い慣れてるのがこれなのよ!」
本当にティアの華奢な体つきに対物狙撃銃であるAR‐50という組み合わせはかなりシュールである。
「でも、よくそんなの背負えるな……」
俺は右肩にかかった刀袋を見て、これがAR‐50だったらと考えるだけで肩が重くなる。
「慣れよ、慣れ」
「姉さん、矯平もう出発するって」
そこに散弾銃のベネリ、M4――別名M1014を背負ったティトが登場。
「ティト、持ってくのはM1014だけか?」
「P90も持っていこうかと思っている」
M1014はベネリ社の動作が安定しているショットガン、P90はベルギーで作られた個人防衛火器であり、防衛にはもってこいの使い勝手のいい銃だ。
「そうか、それじゃ行くとしますか」
俺らは川神さんの愛車であるハマーH3に乗り込み、目的地である第六学区に向かった