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「攻撃開始!」


 俺が突撃、その後ろから二人が射撃。二人が外した敵を蹴り倒す。


「誤射しないでくださいよ!」


 敵の間をすり抜けていくように不規則なステップを踏み、近くに敵に蹴りを入れる。


「意外と難しいな……」


 おんぶしながらの戦闘って思ったよりもキツイな。蹴りを出した時に白雊の重さでバランスが崩れそうになる。


「キョウちゃん、あとは僕らに任しといて」


 晃嘉と川神さんが武器を入れ替えた。川神さんに至っては、デザートイーグルで二丁拳銃やってるし、普通だったら腕抜けてるだろ。


 武器を変えてからというもの順調に敵を倒し前に進むことが出来た。


 お前ら絶対に武器の選択ミスっただろ。まぁ、それでも強い事には変わりないが。


「キョウ、下ろして」


「ん?もう大丈夫なのか?」


「キョウの背中に乗ってたら、酔った」


 俺ってそんな変な動きしてるのか……。


 白雊を背中から下ろす。白雊の方も状態が落ち着いてきているようで、普通に立てるようだ。


 前線も近くなったようなので足に森の中を走っていると、聞きなれた声が聞こえてきた。


「ちょっと浅倉君!?あなたなにをやってるんですか?」


「委員長ちゃん、匠君はいっつもあんな感じだから大丈夫」


「何やってんだよ、他はどこ行った?」


「それなら、少し先に進んだよ?」


「なんでだよ?」


「いや、敵も少なくなったしあとは先輩方にお任せしますだって」


「最後まで仕事しろよ……」


 確かにこのメンバーだけども十分強いかもしれないけどな。


「黒木君、武田君……彼のことあのままでいいんですか?」


 目の前では匠が片っ端から殴る、蹴るで不良の喧嘩と言ってもいいようなバトルを繰り広げていた。


「あぁ、アイツはあれでいいんだよ」


「そうやね、たっくんはあんな感じだね」


「そうなんですか?……」


 匠は銃を使うより、拳を使った体術を使った方が圧倒的に強いからな。


「姫条、武器を使うのだけが戦学じゃないからな?」


 匠みたいに拳オンリーのやつは案外多かったりする。自分の体ほど使いやすいものは無いからな。


 ただ、相手に鉄板みたいな固い装備で来られると分が悪いんだよな、痛いし。


「白野、敵戦力はどの程度削った?」


「そうですね、ほとんどは削れたと思うんですど……」


「そうか、それなら大将を叩きに行くか?」


「そうですね、明日も早いんでそろそろ行きましょう」


「キョウちゃんはが大事なのはそこなんやね」


「当たり前だろ?でも大将の居場所なんてわかるんですか?」


 川神さんはため息を付くと、匠が倒している敵の一人を捕まえてこちらへ戻ってきた。


 あの無双の中に割って入って、涼しい顔で敵を捕まえてくる川神さんはとても頼もしく見えた。


「さてと、お前大将の場所を吐いてもらおうか?」


「そんなのいうハズないだろ!」


「まぁ、そうなりますよね……」


 姫条、お前は分かってない、これから恐ろしい処刑ショーが始まるのに。


「そうか、そうか、矯平、濃塩酸と濃硫酸持ってないか?」


「持ってないですよ、そんな危険物」


「持ってるよ」


 晃嘉があのバックから、濃塩酸、濃硫酸と書かれた入れ物を取り出す。


 お前のバックはどこぞの四次元バックだよ。


 凶器しか出ないそのバックはきっと子供たちに悪夢をお届けするだろう。


「いったいこれをどうするんです?」


「あぁ、三対一」


「え……まさか王水?」


「キョウ、おおすいってなに?」


「確か、金属をほとんど溶かす液体だった気がするな……」


 すると川神さんが晃嘉から入れ物を受け取り、そこで何やら調合を始めた。


「おい、貴様ら!それをどうするつもりだ!」


「流すんじゃね?――」


「流すと思うよ――」


「川神サンなら流すわ――」


「「「口に」」」


 川神さんには拷問の際に劇物を流し込もうとする、結果的に一度も流したことはないが、大抵の敵はこれでビビるな、うん。


「フウカはやっぱり怖い」


「あなた達それ本当にやるんですか?」


 白雊も姫条もかなりビビっていた。戦に犠牲は必要なんだ、二人とも。


「死なないんだから大丈夫だろ?」


「それはそうですけど……」


 川神さんはできた王水を遠慮なく


「分かった、やめろ、話すからやめてくれ!」


「「「チッ」」」


 おい、舌打ち二つ多かったぞ?


「それで、どこにいるんだクソガキ」


 しかもあかるさまに態度悪くなってるよ……どんだけ流し込んでみたいんだよアンタ。


「ここから北西だよ」


「誰か方位磁石を持っていないか?」


 晃嘉が四次元バックから方位磁石を取り出すと携帯の地図と並べる。


「このまま進めば行けそうですね」


 進路は俺らが進んでいる方向と合っていた、まぁこっちから殆どの敵が来てるんだ、こっちにいるのは当たり前だと思うんだけどな。


 そういえば、後ろから来てたりしないよな?……心配になり廃墟で見張りをしているティトに通信をしてみる。


「ティト、そっちはどうだ?」


『うーん、まったく敵が来ないんだけど……』


「そうか」


 敵はバカなのか?それか川神さんがスリングショットでヘリ落としたからビビってるのか?


『おかげで姉さんが怒って大変だよ』


「ポッキーでも餌付けして大人しくさせとけ」


『うん、でもこっちにみんな戻って来たみたいなんだけど大丈夫なの?』


「大丈夫じゃないのか?」


『とにかく前線は頼んだよ』


「あぁ、わかった」


 川神さんにこのことを伝えると全軍をぶつけて終わらせるというもっともな結論に行き着いたので、前方に進んだという部隊を追いかけることにした。ティトとティアには裏を取られると厄介なので、廃墟に残っている味方の兵と見張りをしてもらうことにする。


「さっさと追いかけましょう」


 部隊を追いかけていると、開けた場所が現れそこで激しい戦闘が繰り広げられていた。


「うおぉ、なってカオスな……」


「せやね、これは酷いね……流れ弾食らいそう」


 銃と近距離武器が混戦しているせいで軽い地獄絵図みたいになってる。


「ここを突破するのには時間がかかりそうだぞ?」


「そうやね……キョウちゃん僕ら道を開くから先行っててくれへん?」


「なんで俺なんだよ?」


 ゆっくりと地獄絵図と化している戦場に近づいてゆく。


「この中で一番強いのキョウちゃんやん」


「川神さんの方が――」


「応用力の方はお前の方が高いだろ?行って来い」


 川神さんは強めに俺の肩をたたく。


「わかりました――」


「行くぞ!」


「「旋風波!」」


 俺が大群に突っ込んでいくと晃嘉と川神さんが術を唱える。すると俺の体を包むように突風が巻き起こり、無差別に人間を巻き込みながら勢いを劣らせるとなく進む。


 この集団の中をこう簡単に進んでくなんて……アイツらの魔術の強さを思い知らされるな。


 そして無事、群衆を突っ切ることが出来た俺は足早にさらに前へと進む。


(まさかだとは思うけど、第三陣があるなんてないよな……)


 しかし、俺の思いとは裏腹に先ほどの人数ではないにしろ、百人近い人数で構成された隊と出くわす。


 森が開けているところで出くわすなんてツイてない……。


 俺は足を止めて敵の第三陣と真っ向から対面する。


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