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異世界戦機  作者: 虎徹
第一章
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騒動

「・・・てめぇ、死んだぞ!」


そう言いながら男は哲哉に向かって右拳を全力で振るう。


――パシッ!


その振るわれた拳を哲哉は余裕を持って左掌の中に収める。


「糞が! 離せ!! 離っぎぁあああああああああ!」


男は絶叫を上げ、拳はメキメキッと音を立て握り潰されていく。


「それで? 喧嘩を売ってきたって事は殺られる覚悟もあるって事だよな? なぁ先輩(・・)


全く表情を変えず、哲哉は男に問い詰める。

だが、男は哲哉の質問を聞こえてはいない。


寧ろ激痛により、男は口から泡を吹きながら、眼は白目を剥き出し、痙攣を起こし始めていた。


「・・・俺はな、テメェみたいな調子に乗った上から目線の男が昔から大嫌いなんだよ!?」


そう愚痴を零す哲哉を尻目に、背後から別の拳が飛んでくる。


「テツヤ様!」


フィンが慌てた様子で声を掛けるが、哲哉は冷静だった。


「大丈夫、気づいてる」


哲哉は振り向きもせず、右手首のスナップのみで背後から襲う男の顔面を捉えた。


「――がはっ!」


殴られた男は三メートル吹き飛び、木の壁に一旦突き刺さる。

自重で支えきれずメキメキと木の割れる音と共に壁から崩れ落ちた男の顔面は陥没しており、折れた鼻から血を滴り流していた。


「ひっひぃ!!」


男達は三人組だったのか最後の一人は、あっという間にやられた二人を見て尻餅を付く。


「それで? 聞くが、誰が死ぬんだ?」


ドスの聞いた哲哉の声を聞いて尻餅を付いた男はガタガタと震えていた。


「答えられないなら、寝てろ」


そう言って座り込んでいる男の顔面を軽く蹴り飛ばし、ニメートル程吹き飛んだ後、男は仰向けに倒れた。


先程まで隣人の声が聞こえ辛い程の喧噪が嘘の様に周りは静まり返っていた。


「・・・す、すげー」


「あの、新人潰しのドルファー三兄弟が一瞬かよ!」


「あいつらって確か、Cランク相当じゃなかったか?」


「あぁ、素行が悪くてDランクだが、実際の実力はCランクって話だ」


「それを一瞬って・・マジかよ! あいつ何者(ナニモン)だ?」


一人の野次馬の言動が発端となり、酒場は騒々しさを取り戻す。

されど喧嘩など日常茶飯事なのか、再び笑い声まで聞こえる様になるまで然程時間はかからなかった。


「・・・フィン、大丈夫だったか?」


「はい、有難うございます。」


フィンはペコリと礼儀正しいお辞儀をした後、笑顔で哲哉へ礼を言った。

あまり気にした様子も無い事からこう言う面倒事(トラブル)に慣れているのだろう。


「そうか、それは何より。それで、話は変わるが、さっきからぼーっとしてる、そこの受付の人。その壁の修理費用はそいつらから請求してくれ」


哲哉は先程の戦闘(じゃれあい)時から嘘と呟いて、驚愕に眼を見開いていた受付嬢に話を振った。


「えっ! は、はい!! な、何でしょうか?」


「だから、壁の修理代はそいつらから請求してくれな?」


「は、はい!! かしこまりました!」


元気良く即答してくれる兎獣人の受付嬢。


ちゃんと話を聞いてくれてるか哲哉は疑問に思っていたが、指摘しても仕方ないと気を取り直して、受付嬢に冒険者をやっていく上での規約(ルール)や注意事項を再度質問した。


ここ冒険ギルドではランクがGランクからSランクまで有り、ランクアップしていくにつれ、ギルドカードの色も灰、青、緑、橙、赤、銀、金、黒と変化する。


Cランク以上の冒険者からはギルド内に貼られているクエスト以外からも特別クエストの受注が可能となり、更にBランク以上になると国から直接依頼を受ける事もある。


それで最高ランクであるSランクは過去の歴史上、たった二人しか居らず、今は誰も該当する人間は居ない。

ちなみにその栄誉あるランクの二人はというと勇者と竜殺(ドラゴンスレイヤー)しの異名を持つ両二名である。


かなり古い文献に載っている程度で殆ど神話扱いの様だ。


現在、生きた伝説と呼ばれている魔導師バーバラという女性が唯一Aランクの冒険者らしいのだが、誰もその姿を見た事が無いと言う。


何とも不思議な話だ。


クエストについてだが、大まかに採取、狩猟、討伐の三種類が存在し、採取は森林や山岳地帯、草原などに群生する植物の採取、伐採などが主となる。


狩猟は常時掲載され、害獣魔物と称される。ほぼ何処にでも生息する魔物の狩猟を主にしており、例えば、哲哉が戦った小鬼(ゴブリン)(ワーグ)などもこれに該当するが、冒険者登録をしていないとクエスト完了とはならず、クエスト完了の料金は受領できない。


また、討伐に関してだが、これは災害級の魔物や魔物の大量発生、盗賊など、賞金首として個体もしくは群体登録をされている物が該当し、事前にクエスト受注しなければ、無事に完遂したとしても料金は支払われない。ただし緊急性の高い障害が発生した際は、ギルドマスターの際限において報酬が支払われる仕組みとなっている様だ。


なお、狩猟、討伐の証拠は各魔物の特定部位を冒険ギルドが定めており、それらを持ち帰る事によって証拠となる。


一通りの話を聞き終えると受付嬢は最後に、今後はクエストを受注する際は掲示板の羊皮紙を外して受付に持ってくる様にお願いしますと話し、冒険者の規約(ルール)についての説明は終わりを告げた。

いつも応援有難うございます。

面白いと思っていただければ画面下部の評価をして頂けると凄く嬉しいです。

宜しくお願い致します!


――――――――――――

テツヤ=コタニ 27歳 男

職業:冒険者

階級︰G

適正:銃剣術

技能:演算処理

称号:黒鎧の騎士

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