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そこには体育館があった。


いや、実際には体育館ではなく体育館のような大きさの部屋だが。


その部屋の真ん中にはポツンと一台パソコンが置いてあった。

どこにでもあるようなノートパソコンだ。


陸はそれに恐る恐る近づく。

パソコンまで中々距離があるので凄くドキドキしながら近づくと....


いきなりパソコンが起動し、画面には<ようこそ、ダンジョンクラフター>と映し出された。


(ダンジョンクラフターって俺の買ったゲームじゃないか。)


寝落ちするまでやっていたゲームなので覚えている。

陸はゲームをするためにマウスを持ち、<スタート>をクリックした。


すると見覚えのある設定画面が表れた。


(おいおい、あんなに進めたのにまた初めからかよ。)


少しやる気を落とすが、また進めればいいと思いもう一度画面に向かう。


(まずは難易度だったか。)


難易度は、優しい、ふつう、難しいの三種類あり、それぞれの違いはダンジョンを創るとき使うツルハシの性能。


それ以外は何も変わらないので、陸は迷わず易しいを選んだ。


次は魔王の種族。


このゲームはダンジョンを創り、自分(魔王)の命を勇者から守るという物だ。


しかしダンジョンが攻略され勇者が魔王の所まで来たときに一度だけ使える技が種族によって変わる。


種類は吸血鬼と魔神、そして人間の三種類。


吸血鬼と魔神の技は知らないが、人間の技は火を吹くドラゴンを一体呼び出すという技で、正直弱かった。


なので今回は魔神にする。


さて次は魔王のサポートキャラだ。


これはダンジョンを創るとき、ダンジョン自体が持つ特殊能力を決めれるという難易度易しいのみの項目で、種類は2つ。


サキュバスとダークエルフの二種類。


サキュバスはダンジョンに男勇者が入ってきたときに魔物の出現率があがるというもの。

初めにプレイしたとき、この能力は非常に有用だと感じた。

なぜならダンジョンにやってくる勇者がほとんど男だから。

女の勇者なんて一回か二回しか来なかった。


しかし女勇者が来たときのダンジョンの魔物の出現率の悪さがは酷いもので。

男の時に余りにも魔物が沸くのでふつうの出現率なのに何故か弱く感じるというデメリットがあるのだ。


サキュバスがこの能力なのでダークエルフはどんな能力なのだろうと気になる。

陸は好奇心でダークエルフを選択してみた。


(悪くても何かでカバーすればいいよな。)


そう思いながら何を用いてカバーしようか悩む陸。


その時目に留まったのは魔物の種類だった。


魔物は一番弱い、弱い、普通、強い、一番強いというランク分けがあり、一つのランクごとに二種類選べるというシステムになっている。

さらに出現率にも差があり一番弱いランクの魔物が一番出現しやすく、一番強い魔物は出現しにくいのだ。


それぞれのランクに十種類いて、二種類ずつ選ぶので合計十種類選べる。




陸は考えながら選んでいき.....



一番弱い ブラックスライム 誘惑ゴースト

弱い スケルトン リザードマン

普通 召喚ゴースト アルビノリザードマン

強い ネクロマンサー 悪魔

一番強い グリフォン 巨大アルビノスネーク


この十種類にした。


一つずつ説明しよう。


まず一番弱いランクのブラックスライムは勇者に短い間、状態異常<失明>を与えることができる魔物。

序盤では非常に役に立つが中盤からは耐性がある勇者も出てくるので早めに進化させるつもりだ。


進化について説明しよう。

進化とは魔物が同じランクのままで能力が高くなる事を言う。

例としてブラックスライムを使うと、ブラックスライムを進化させるとダークスライムというの魔物になる。

さらにそれを進化させると、シャドウスライムという弱いランクに属する魔物になる。

しかし進化させて入手したシャドウスライムは弱いランクの魔物とは違う出現率で、一番弱いランクと同じ出現率なのだ。

強い魔物がランクの低い魔物と同じ出現率で出せると言うのが進化の良いところだ。

しかし進化させるには条件があり、特定の職業の勇者五体を魔物に喰わせるというものだ。

簡単に聞こえるが、強い魔物にするためにはレアな職業の勇者が必要で時間がかかるものだ。

これが進化の悪いところだ。


だから進化させるタイミングや魔物を前もって決めておくことをお勧めする。


じゃあ次の魔物の説明に移ろう。


誘惑ゴーストと言うのは進化に使うための勇者を惑わして仲間にするための魔物で、ほぼ攻撃力はない。

しかし、一回攻撃が当たればほとんどの仲間になるので他の魔物と組み合わせて使うと有用だ。


勇者をゲットするためには2つの方法があり、一つは瀕死の状態で捕まえる方法。

もう一つは誘惑ゴーストの力などを使って誘惑して仲間にする方法。

瀕死の状態で捕まえるのは意外と簡単だが、これで捕まえた勇者は進化にしか使えない。

一方、誘惑して仲間にした勇者は魔物として転生させてダンジョンに設置させることができる。

何の魔物に転生するかは運だが、強い魔物になると非常に役に立つ。

なので基本は誘惑で捕まえる。陸の場合だが。


次は弱いランクの魔物の説明をしよう。


スケルトンは防御力が低い代わりに弱いランクの魔物では最高の攻撃力を持っている。

なので中盤の後半までは進化させなくとも使えるだろう。


リザードマンは見た目蜥蜴の戦士で、木の盾と銅の剣を持っているので攻撃も防御も中々の魔物。

しかし移動速度が遅く、職業が盗賊などの勇者だと何も出来ずにやられてしまう。

こいつも早い内に進化させたほうがいだろう。


次は普通ランク。


召喚ゴーストというのは誘惑ゴースト、魔力吸収ゴーストの二種類を召喚しながらダンジョンを動き回るゴーストで、こいつ自体には攻撃力はない。

魔力吸収ゴーストというのは、魔法使いの勇者などを無力化するためのゴーストで名前の通り魔力を吸収してくれる。


一方、アルビノリザードマンはリザードマンの変種で、白色だ。

鉄の盾と鉄の剣を持っていて、こちらも攻守のバランスがいい。

ちなみにリザードマンの進化後だ。


強いランクの魔物は扱いやすい奴を選んだ。


ネクロマンサーは召喚ゴーストと同じように召喚しながら動きまわる。

ゴーストと違うのは召喚する魔物の種類数。

ネクロマンサーはスケルトン、ゾンビ、誘惑ゴースト、魔力吸収ゴーストの四種類を召喚する。

ゾンビとは、死体を元にして作る魔物で、ネクロマンサーが勇者の死体を見つけるとゾンビにしてくれる。

勇者から作ったゾンビは少しだけ生きていた頃の能力を使うことができて、時には一番強いランクと同じくらいの強さのゾンビになることもある。


悪魔は全魔物の中で一番ランダムステータスの差が大きい。

同じ種族の個体でも能力の差が僅かにある事がある。

これをランダムステータスの差という。


悪魔にもいろいろ種族があってデーモンや堕天使などがある。

それらがランダムで出現するのでランダムステータスの差が大きいのだ。


弱い悪魔と強い悪魔が出現する可能性はどちらも同じなので、強い悪魔が出るように祈ろう。


最後は一番強いランクの魔物だ。


グリフォンはするどい爪を持っていて、ダンジョン内を自由に動き回れる羽も生えている最強の魔物だ。

爪や毒でコーティングされていて、少しでも当たれば状態異常<毒>になる。

毒は歩くたびに体力が一定量削られていくという状態異常で、耐性を持つ勇者もいるがそんな勇者はごくわずかだ。


このグリフォンが出たらまず死ぬことは無い。

しかし出現率がかなり低いのでこれに頼ることは出来ない。

一番強いランクの魔物は出たらいいなくらいの物として考えればよいだろう。


巨大アルビノスネークは特に能力はないが、初期の魔物では一番強いので選んだ。


これで全ての魔物の説明が終わった。

陸の魔物の選び方は特別珍しいものではないが、一応性格が出ているだろう。


これでほとんどの設定が終わった。


残す設定はサポートキャラの容姿だ。


陸はこの設定を手早く終わらせた。

どんな容姿にしたかというと...


美人でメガネで黒髪ロングのお姉さんだ。

完全に陸の好みで選んだようだ。



これで全ての設定が終わった。


(やっと本編が始まる。)


陸はそう思い設定完了ボタンを押した。







その瞬間陸の頭に角が生え、背中には翼が生えた。

そして手には見覚えのあるツルハシを持っていた。



陸は魔神になったようだ。







次から本編

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