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異界に落ちた力士(RIKISHI)  作者: taraba
少年時代偏
3/41

第1話 受注

1/25 見直したら粗が合ったので修正

3/30 指摘していただいた箇所を修正

 「ヒルド、起きな。」

 「んー、母さん、お早う。」


 時計を見れば朝の7時、普段起きるよりも少し遅い時間である。


 「はい、お早う。顔洗ってらっしゃい、今日も父さんの手伝いするの?」

 「んー?今日は薬草取りに西の森に行ってくるよ。」


 ベッドから抜け出しながら眠り眼をこする。


 「そう?あんまり奥まで行きすぎない様にね?」

 「うん、お昼におにぎり作ってくれる?」

 「いいよ、釜に入ってるお米使いきっちゃる。でもソノ前に早く朝ごはん食べちゃいな。」

 「はーい。」


 皆様お久しぶりです、日乃山関改め、ヒルドです。

 ここ異世界の『凱爛環』《がいらんかん》で、農家の次男坊として生を受けて早6年目、前世なら小学生ですがどうやらこの世界には学校等の教育機関は良いとこの子供しか通わないらしく今は3日に1~2度のペースで家業の手伝いをしながら過ごしています。


 「ごっそーさーん!」

 「相変わらず食べるの早いわねぇ。」


 呆れ気味にこちらを見ているのは今生の母『ピイナ』、この母今年で26歳になるらしいが未だに小皺やしみ、ソバカス、手のアカギレなど一切ない・・・本当に農家の主婦か?と疑いたくなるがこの世界は魔法が当たり前に存在する。

 この世界に落とされる前に凱爛環の7人の神々に色々教わってなけりゃ戸惑う事が多かったであろう。

 どうにもこの世界魔法がかなり発達しており、尚且つ医療技術は元の世界より突出している。

 なんせ魔法による肌や髪の手入れや、果ては便秘解消魔法に至るまで・・・ファンタジーの魔法イメージぶち壊しである。


 「ほら、もう直ぐおにぎり作り終えるからさっさと着替えな。

 どうせ『組合』《ギルド》に行くんだろ?」

 「うん、解熱薬は自分で使うけど薬草は今足りてるからギルドに渡して小遣いにするよ。」

 「本当、あんたは誰に似たんだかねぇ・・・何時の間に丸薬やらポーションの作り方覚えてくるし。」

 「出来ないより出来たほうがいいじゃん?」

 「そりゃあ、そうなんだけどねぇ。」


 ヒルドから言わせて見れば神の元修行した1000年の知識で簡単な薬を作っている程度だが、実際はこの世界で彼の作る品質で、かつ簡単な材料で作り上げる薬は判る者が見たら卒倒するレベルである。


 「服はこれでよしっと、後は採取用のポーチ、ポーチっと。」

 「あぁポーチなら玄関の方に置いといたよ。」

 「ありがと、母さん。」

 「はいはい、ゴブリンや一角いっかくには気をつけなよ。」

 「母さん・・・・俺のステータス知ってるでしょ?」

 「それでも心配すんのが親ってもんだよ、ほらおにぎり。」

 「へーい、それじゃいってきます。」

 「いってらっしゃい。」


 そう言って俺は採取道具の詰まったポーチを付けつつ家を出る。

 家を出て、路地をいくつか曲がりながら大通りにでる。大通りと言っても俺の家がある『ゴルバの町』は人口500程の町で商店街と言った方がしっくり来る規模だ。

 そんな通りの出店を冷やかしながら中程にあるギルドへと足を運ぶ。


 因みに『組合』とは一言で言ってしまえば「ハローワーク」である。定職を探すにもギルド、日雇いでもギルド、「兎に角金が欲しいとなればギルドに行け」と言われる位この世界ではギルドは人の生活に根付いてるおり、勿論『組合』は1つだけでは無く、それぞれ細分化され『商業組合』や『鍛冶組合』などある、尚、奥様方がよく足を運ぶのが『医療組合』。この中には美容専門の組合が組み込まれており医療の発達と供に成長している為、医療組合の稼ぎ頭だったりもする。


 「こんにちはー。」

 「おー、ヒル坊。今日は小遣い稼ぎか?」

 「うん、欲しいモノあるからね。」


 軽い足取りでギルド入り口の衛兵さんと挨拶しつつ木で出来た観音開きの大きなドアを潜る。


 『うーん、何処の世界でも就職難かねぇ・・・・。』


 ギルド内の混雑振りを眺めながらそんな事を思いつつ、依頼板の方へ近寄る。

 今日受ける積もりの「薬草採取」は組合所属者で、「薬草取り扱い資格」さえ有していたら受けれる仕事で、常時受け付けている日雇いクエストだったりもする。

 因みにこの「薬草取り扱い資格」は、『医療組合』で2日程講習を受ければ貰える資格で費用は掛からない為、子供が小遣いを稼ぐ為に受けるのが殆どである。


 「あったあった。」


 薬草採取の受注書を一枚取って受付へ持っていくと、1人の男が知り合いの受付嬢と揉めているらしい。


 「だから早く試験開始しろって言ってるだろう!?」

 「だから今試験が出来る人がですねぇ・・・あ、ヒルド君ちょっと、丁度良いからこっち来てくれる?」

 「・・・・・はぁ、何?エル姉ちゃん。」


 因みにこの受付の女性、名前を『エルメラルダ』。兎人でランク下位の受付をやっている受付嬢である。

 長く白い兎耳が特徴で淡い茶髪の腰まで届くロングストレートに、白い肌に目鼻立ちが立っていて、山吹色の虹彩が綺麗な目をした女性である。


 「あ?何だこの子供?」

 「ねぇヒルド君、この人の試験やってくれない?」

 「えぇ?俺これから薬草取りに行きたいんですけど・・・。」

 「そこを何とか!!この通り!!」

 「おい、ちょっと待て。」


 男がしかめっ面をしてエルメランダを睨む。


 「まさかこのちんちくりんが試験するんじゃ無いだろうな?」

 「え?そうですけど?」

 「ふざけるなよ!何でこんなガキが試験官なんだよ!!」


 男の言い分も最もなので俺も腕を組みつつ、無言で何度も頷く。


 「えっと・・・ヒル君はこれでもEランクでして・・・。」

 「はぁ!?んな訳あるか!!!もっとマシな冗談言えや!!!」

 「え~、でも本当なんですよぅ・・・。」

 「ありえねーだろが!こんなジャリンコがEだぁ?!こんなガキがEなら俺はC位簡単になれらぁ!」

 「ねぇ、おじさん。」

 「あぁ!?」


 俺は男のズボンの裾を引っ張りつつ男を挑発する事にした。


 「おじさんって弱いんでしょ?ならG+でも仕方ないって、でも折角G-からここまで来たんだし試験受けてみる?」


 男は一瞬ポカンとしつつ直ぐに顔を真っ赤にしながら俺を殴ろうとする。


 「年上に対しての礼儀も知らねぇ様だな!このクソガキ!!!!!」


 男が腕を振り上げたのを確認し、俺は掴んでいたズボンの裾を思いっきり引いた。

 結果として男は背中から床に叩きつけられてしまう。


 「おじさん、少し挑発されただけで頭に血が上っちゃダメだよ?そんなんじゃ護衛の仕事請けても簡単に野党なんかにやられちゃうって。

 以上の点を踏まえておじさんはもう暫くはFでいいんじゃないかな?煽り耐性が付いてから又おいでよ。」


 子供にあっけなく転ばされたのが相当堪えたのか男は顔を真っ赤にしながら足早にギルドを出て行く。


 「ヒル坊、もう少し手加減してやれよ。」

 「そうそう、アイツ怒りで涙目だったぞ?」

 「えー?でも依頼で痛い目見るよりココで痛い目見た方が違約金払わずに済むじゃん。」

 「ま、そりゃそうか!」


 周りの組合員もウンウンと首を縦に振っている。日雇いはきちんとこなせば実入りは悪く無いが身の丈に合わない事をやれば当然しっぺ返しがある、違約金がちゃんと返せないと最悪身売りをする羽目になるのだ。


 「ヒルド君ありがとうね、助かったわ。」

 「エル姉ちゃんも大変だねぇ、まだ昼前なのに。」

 「それでも組合職員はお給料良いからね、亜人は大変なのよ~。」

 「だろうね、そだ、この依頼書受理してくれる?」

 「あら?又薬草採取なの?そろそろEランクの依頼受けてみたら?」

 「無理無理、母さんが許してくれないよ。それに幾らE+になっても12にならないとDランクの試験受けれないでしょ?」

 「はぁ、既にEランクの君が、未だ6歳ってのが私には驚きなんだけどね。」


 そう、この世界じゃランクD以上は12歳以上でないとなれないのである。ランクDになると魔物の討伐依頼が主になってくるので必然的に世間で成人として迎えられる12までは最高Eランクとなっている。


 「じゃ、『組合板』出して。」

 「はーい。」


 そう言いながら俺は首から下げている『組合板』《ギルドカード》を差し出す。

 直ぐ様エルメランダが専用の機械を通す。


 「はい、これで薬草採取の受注が出来たわよ、西の森に行くんでしょうけど気をつけてね?最近あの辺でゴブリン被害増えてるし。」

 「はーい、それじゃ行って来るねー。」


 そう言って俺は西の森へ向かうのだった。


最強モノを書くための前提条件・・・それは!

如何にどれだけ世界基準が書けるか!!

そのせいでなんか説明くさくなる一方・・・しかも又話が進まないし。orz

出来るだけ毎日更新を目指しますが、気力尽きる事も御座います。

処女作なので何かと矛盾もありますが毎日書いてればそのうち慣れてくるでしょう!

長い目で見て上げてください。

感想等ありましたら作者は小躍りし、やる気も沸くのでもしあればお聞かせ頂けたらと思います。

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