3.10歳に成りましたっ! 近況報告します③
さて、おもわずセシルの話しが長くなりましたね。では近況報告を続けますね。
キャスこと、キャスレット・ウォールドは、今年で16歳です。身長は軽く180センチを超えてほぼ親父殿と同じですね。う~ん年に10センチは身長伸びてる感じだな。凄いよね。しかも肩幅なんかは親父殿よりもあるんだよ。それに足がでかい! 27センチを軽く超えて、たぶん30センチ近くあるぞ。
「キャスは、まだまだでかくなるな。上も幅もな」
「うむ、戦士としては理想的な身体に向かっているである」
親父殿と古武士さんが、なんかマジ嬉しそうな表情で頷きあってる。親父殿が鞭みたいな身体なら古武士さんががっしりタイプ、そしてキャスは細マッチョって感じかな? 自分はチビ細かな……。うう、キャスが羨ましい。
そんな身体の成長が著しいキャスですが、この5年でついにレイジナ流カイト派の皆伝を賜授されました。最高位の師範ってのは年齢の問題も有りまだ無理らしいけど、実力的には最高位らしい。古武士さんは、キャスの実力についてこう語ってました。
「キャスの腕前は、ほぼそれがしに匹敵するである。それにまだ伸びる可能性大であるな」
ただしその後で、
「ただしまだまだ経験が不足なのである。実戦ならばそれがしが上であるよ」
と云ってましたけど……。
それにキャスは、老師さんによる自警団員への魔力判定の結果、キトアの自警団初の魔源力の所有者と認められました。ただし自分と同様に伝魔力が弱いので、外功術使にはなれないらしいね。でも内功術なら使えるので、キャスは憧れの魔剣士への道を、一心不乱に進んでいます。ちなみにキャスの筋力強化時の言霊は、やっぱり“闘力”ですね。まぁ、自分と同じく親父殿のアレをみちゃったからね。どうしてもイメージとして刷り込まれるよね。
それでね、なんでも16歳になるとキャスの憧れである王国の騎士団への入団試験が受けられるそうなんだ。でもね……。
「キャスは体力、剣術、内功術共に一級品だ。まず間違いなく騎士団の入団試験を突破できるな。しかし算学と読み書きがまだちょっとだな……」
「で、ある。兵士なら間違いなく合格である。しかし騎士となると……であるな」
「すいません。僕の指導不足ですね……」
と云う次第です。キャスの算学の先生たる自分としては、誠に申し訳ない気持ちで一杯ですね。なんでも騎士団での騎士と云うのは、単なる兵士じゃなくて指揮官としての立場も求められるので、ある程度の教養が必要になるみたいです。そんな訳でキャスの騎士団入団試験は、今年は見送りとなりました。ごめんよ、キャス。今年はビシバシいくぜぇ~。
さてそのキャスが目指す騎士団、つまり王国の軍隊なんですけど、こんな感じのようです。まず当然ですけど騎士団なんで、陸軍ですね。ってかどうもセラワルドの各国には魔道国を除いて海軍のイメージはほぼないみたいですね。そもそも海洋貿易とか発達してないからね。基本陸上戦力オンリーな感じですね。さてその騎士団=陸軍は、騎士と兵士から構成された集団と云う訳ですね。まぁ、騎士=士官と兵士=兵隊って事みたいな感じです。つまり騎士って云うのは、まぁ、実際も大抵は騎兵なんだだけど、それよりも身分を指す言葉と考えた方がいいね。
例えば、騎士として入団すると初めからアシチフになるみたいで。逆に兵士として入団するとサソルから始まって、どんなに偉くなってもテソチフまでみたいですね。兵士がそれ以上を目指すなら騎士へのジョブチェンが必要って事だね。
ちなみに騎士団での階級は、セトソチフから始まって、テキソチフ、アシテキソチフ、キソチフ、アシキソチフ、レハソチフ、ハソチフ、アシハソチフ、レテソチフ、テソチフ、アシテソチフ、アシチフ、レソチフ、ソチフ、アシソチフ、レソル、ソル、サソルの18階級となっているそうです。なんでもこれってのはリジェット魔道国とフェルキア族長国を除くと同じなんだって。
兵種としては騎兵、歩兵、弓兵、工兵の4種類がいて、その中でもやはり軍の主力は騎兵らしいです。えっと、騎兵ってのは、馬に騎乗する兵士の事ですね。それでその騎兵の使う馬がサラバムっていって、サラッドよりも二回りは大きくて、体高(肩までの高さ)は200~220cmほど、体重は750~850kg程、速さ耐久力共にサラッドを大きく上回る馬らしい。ええ、自分はまだ見たことないですね。そしてそんな巨大なサラバムに乗る騎兵は、完全重装備が可能なので騎兵ってのは、重装機動兵器って事なんだよ。まぁ、一種の戦車的扱いかな?
でも戦車が高価でそんなに揃える事が出来ないように、サラッドを揃えるのも大変だから、一番多いのはやっぱ歩兵って事になるよね。その歩兵と云えば普通は槍とソードを備えた軽歩兵を云うらしい。自警団なんかもこれだね。しかし少数だけど完全に鎧に包まれた重装歩兵ってのも居る事はいるらしい。重装歩兵ってのは、ほら全身黒い鎧で身を包んでタワーシールド(全長は100cm前後、幅は60~80cmの横方向に緩く湾曲した長方形の盾)を構え横列してザッザッザッって前進するイメージの人達ね。そして不思議なのはこの重装歩兵には騎士の人も結構いるらしいよ。歩兵だけど騎士、つまりこうしてみると騎士ってのやっぱり完全な尊称って事だよね。
弓兵ってのは基本弓を持った兵士の事ですが、魔獣との闘いなどでは、大型の弩であるバリスタ(据え置き式の弩の一種)を使用する事もあるみたいです。あとスリングなんかも使うみたいだね。そんで工兵っての築城やら攻城やら色々と工夫する人達みたいですね。親父殿に聞いた所では、兵器としては刀、槍、弓、スリングが基本の様です。個人用の弩はまだ普及していない様ですね。火薬系の武器も一切ない様です。この他には、やはり攻城兵器は色々と存在するみたいです。きっと破城槌とかトレビュシェットやら、攻城塔とかありそうだな~。ちなみに魔道兵ってのはセキニア王国には居ません。そもそも外功術使の数が少ないからね。正式に魔道兵って兵種が存在するのはリジェット魔道国だけみたいですね。
さてそんな騎士団=陸軍ですが、セキニア王国には幾つかの騎士団があるんですね。その各騎士団のイメージについて親父殿の話をまとめてみました。まずは、親父殿もいた(いや、正式にはまだ所属してるみたいだけど)黒虎騎士団ですけど、主力は騎兵、それに適度に軽歩兵、弓兵を備えた軍団らしいです。重装歩兵と工兵もいる事はいるけどあまり多くはないらしい。これは黒虎騎士団の任地範囲が、セキニア王国全土なんで緊急即応部隊的な機能が必要となるので機動力重視ってことみたいですね。ええ、完全に黒虎騎士団=国軍ってイメージですね。そんな黒虎騎士団の騎士を含む団員の多くは、王国各地の産民、作民、商民、奉民、無縛人が入団試験を受けて入団した人達なんですね。おお、正に国民軍ですね。ちなみにセキニア王国の騎士団では女性団員は数こそ少ないですが、特に差別はなくて普通に居るみたいですね。
セキニア王国には黒虎騎士団以外に、あと聖王騎士団と白虎騎士団があるんです。聖王騎士団ってのは聞いてみると、実力部隊って云うよりは国家安全保障局みたいな感じかな? なんと云ってもこの聖王騎士団の騎士団長は、セキニア王だし、王府にも臣府にも含まれない王直属の騎士団なんだよね。若干の直轄戦闘部隊はいるみたいですが、実力戦闘集団じゃなくて戦略指導部みたい感じですね。ここに所属してる偉いさんが、実戦になると黒虎騎士団の司令官とかに成るらしい。後聖王騎士団の配下として王宮騎士隊ってのが在ります。これってのは王の親衛隊なんだってさ、王宮と王族の護衛を一切任されてるって訳だね。なお聖王騎士団の団員は基本推薦入団に限られるそうです。特に王族、貴氏やその親類、貴民の子弟に限られる訳じゃないけど、かなりの伝手がないと入団は困難みたいだね。
残った白虎騎士団ですが、この騎士団は王都セキトとセキア州の防衛を担っているらしいです。しかし親父殿に云わせると、ほぼ首都防衛隊的色あいが濃いみたいで、重装歩兵、工兵を多く備えているって事です。まぁ、勿論主力は騎兵ですけどね。白虎騎士団は、黒虎騎士団が国民軍とするなら、あくまでも王国軍的な感じがあるらしい。守るべきは、セキア州であり、王都セキトであり、王家なんだね。そんな訳なのか、騎士団のステータスとしても黒虎騎士団よりも上らしい。当然任地もセキア州なので団員の騎士の多くは、王族、貴氏やその親類、そして貴民の子弟らしいです。兵士もなんか都会出身者が多いらしいですね。ふむつまりエリート軍って事なのかな? 団員は一応入団試験で決まるんだけど、入団試験には推薦状が必要でかつその推薦人の影響力が結果を大きく左右するらしい。こう考えるとキャスが狙うべきは間違いなく黒虎騎士団って事になりますね。そういう訳でキャスは受験生としての厳しい道を驀進中です。
オバル兄弟のジャ○アン1号、もとい歯欠けのオバル事、ヴァリビル・オバルと、ジャ○アン2号のゼェタビル・オバルは、今年で13歳です。さすが双子だけあってまったく同じ様な成長を遂げています。身長は175センチで体重が85キロだそうです。ただし太ってる感はやっぱりありません。そりゃ農業もしてるし修行もしてるんだからね。もう全身筋肉の鎧的な感じですよ……。こいつらこれからが本格的な成長期だよね、一体この先どんな化け物になるんだ?
そしてこのオバル兄弟も、この4年間の修行の結果ついにレイジナ流カイト派の教技(皆伝のひとつ前の位階)を賜授されました。最近の自分の剣術の師匠は、なんとこのオバル兄弟が多いんです。なんたる格差……。そんなオバル兄弟はふたりとも公童塾を卒業後はサラキトア自警団に入団しています。それで驚いたのはオバル兄弟にも、老師さんの魔力判定の結果、キャスに続く魔源力の所有者と認められた事です。でも予想通り伝魔力は弱いので、内功術しかできないそうです。ちなみにヴァリの筋力強化時の言霊は“爆力”で、ゼェタは“神力”だそうです。なんでもキャスと同じのは嫌なんだってさ。
「うぉ~~。これでおらっちも魔剣士になれるだぁ~」
「んだんだ。ヴァっちやったべ」
「ゼェっちぃ~」
老師さんから魔力判定の結果を聞いたら、なんと涙を流しながら抱き合って喜んでいたね~。まぁ、そりゃそうかもだよね。なんと云っても魔源力の遺伝率は2%で、男女比3:7だから実際男子的には0.6%だからね。こりゃ嬉しいよね。ってか普通こう云う田舎ではそもそも魔力判定を受けられないからね。そして例え素質があっても訓練なしじゃ身に付かないしね。人材発掘って意味から見ても公童塾は大正解だよね。
「300人程のサラキトアで、魔源力を有する者が10人もいるとは、驚きじゃな」
このオバル兄弟の魔力判定の時に、老師さんが、呟いているのが聞こえました。ん? あれ10人? 親父殿、お母様、老師さん、古武士さん、自分、キャス、オバル兄弟で8人ですが? まぁ、8人にしても魔源力の遺伝率2%だから、サラキトアの人口が320人くらいなんで、その2%と云えば6.4人か、確かに8人は多いか。でもでも10人ってのは なんだ? また新しく魔力判定で自警団から誰か見つかったのかな?
さてそんなオバル兄弟ですが、まだ13歳なんだけど、なんとサラキトア自警団の副団長になっています。これはやっぱり剣術の腕と魔源力持ちってのが物を云ってる様ですね。自分の教育的指導やキャスによる暴力的指導、古武士さんからの地獄の修行的指導、老師さんからのトラウマレベルの精神的指導なんかで、一時期の暴君的ガキ大将な感じは薄れています。まぁ、自分と一緒になって色々な改革も手伝ってくれたしね。ええ、ホント助かりましたよ。そういう訳で今ではサラキトア青年世代での改革派Newリーダ的な存在へと驀進中です。
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