2.10歳に成りましたっ! 近況報告します②
さて、自分の近況報告はざっとこんな感じですね。それでは自分以外のみんなの近況についても報告しますね。
親父殿、ナイアス・ヴェルウントは、今年で32歳、まさに男盛って感じですね。でもね、なんか、と~っても最近は忙しいみたいで、少し……、いやかなりお疲れな様子です。ほんとお仕事ご苦労さまです。間違っても過労死とかしないでくださいね……。
さてどうして、親父殿がそんなに忙しいかと云うと、ここ2~3年でこの地区に起こった変化が原因の様です。それって云うのは、なんでも乳幼児と子供の死亡率が低いって云う噂や、農産物の生産性がとても高いって云う噂が州都やあちこちで流れてるらしくて、この噂が新規入植者を呼び込んでいるみたいなんです。ふむふむ、どうやら数年掛けて実施してきた色々な改革が着実に効果を見せ出してるって事ですね。サラキトア集落で行った改革は、親父殿の指導でサラキトア集落を中心としたキトア郡キグトア地区に広まっているんですよ。その結果キトア郡キグトア地区全体でも乳幼児の死亡率は2割弱程度まで改善しています。たぶんこのまま行けば10人中7~8人が10歳を向かえる事ができるんじゃないかな? これはかなり劇的な改善だよね。ただし残念ながら出産時の死亡率はなかなか改善できてませんけどね。
でもやっぱり子供の死亡率が低いってのは凄い魅力なんだと思うよ。サラキトア集落では新規入植者は、もう取ってないですけど、親父殿担当のキトア郡キグトア地区の他の集落ではまだまだ新規入植者を受け入れているんだ。だから子供の死亡率低下と新規入植者の増加でどんどん、どんどん人口が増加しているみたいなんだよね。でも人口が増えるとやはり揉め事とかもあるし、自然と親父殿の仕事が増加する訳ですよ。
その上親父殿は、新規入植希望者の全員と面接をしているみたいなんだ。ガディミリタってのは元々忙しいんだ。その上での新規入植希望者との面接だからね。そりゃぁ、もうめちゃめちゃ忙しくなる訳だよ。うむ、実は親父殿って、見かけによらずちょ~真面目なんだな。そういう訳で親父殿は日々仕事に追われる毎日を驀進中です。
お母様、リリュシカ・ヴェルウントは、今年で29歳です。まぁ、年齢の話は禁句ですけどね。でもほんとにますます綺麗さに磨きがかかって来てます。正にシットリとした大人の女性って感じですよ。そんなお母様は普段はヴェルウント家の主婦で自分の母親です。でもその上で公童塾の講師や公童子塾の給食係の主任も熟し、キトア名物料理の研究も続けたりしてます。それにガディミリタの妻なんで、サラキトア集落の“かかさま会”の会長でもあります。普通“かかさま会”の会長は、首長の奥さんなんだけど、そこはやっぱり集落のファーストレデイは間違いなくお母様だからね。さてその“かかさま会”なんだけど、実生活における相互互助会みたいなもんで、どこかの家がなにかで困ってるから助けてあげようとか、これが余ってるから誰かいらんかとか、そして一番の重要な仕事がどこの家の長男には誰を嫁にするかって話しみたいです。なんだ、遣り手ババァの集まりかっ! そんな“かかさま会”の集まりの前後にはお母様の溜息が増えるのがとても心配です。
そうそう公童塾で教えていた刺繍の方ですが、なんとアレが終に事業化に結びついたんです。お母様は裁縫ギルドに業主登録を行なって刺繍工房の業主認可を貰ったらしいです。業主は当然、お母様です。普通女性が業主ってのは珍しいみたいなんですけど、裁縫ギルドだと仕事柄か女性業主も結構いるみたいですね。でもねサラキトア集落の様な農村で業主登録が認可される事は相当珍しいそうですよ。
今サラキトア刺繍工房には8人も専従雇者がいるんです。ええ、当然みんな公童塾出身者ですよ。ええ、ちゃぁんと利益が出てて奉給も払ってるし、奉納も収めているそうです。こんな地方農村で農産ギルド以外の産業が興るってのはかなり画期的な事なんですよ。この刺繍はサラキトア刺繍として、上質な品質の割に低価格って事で行商人さんからとても評判が良い様です。それってのは養蚕→製糸→製布→刺繍の完全現地一貫生産だから、中間マージンが無いし、輸送費とかも要らないし、特に工房の地代が無料なのが大きいよね。だって工房の現場は各家にある作業場だからね。都市にある刺繍工房とかに比べると凄く価格競争力的には優位だよね。
その上お母様はここから更に一歩進んで自主販売までを構想している様なんだ。どうやら王都か州都にお店を出す計画を練っているみたいだね。2~3度、そのお話を伺った所、そのお店は食堂+刺繍の店みたいな形式を考えている様です。サラキトア集落の農産物で作ったキトア料理中心の食堂と刺繍を売る店を一緒に並列させる感じ、つまりサラキトア集落のアンテナショップみたいなイメージですね。うおっ、お母様の発想力はマジ凄いです。そういう訳でお母様は、若手女性実業家としての道を驀進中です。
カリ姐ぇさんは、今40歳のはずです……。まぁ、カリ姐ぇさんの前でも年齢の話は絶対禁止だ。でもでも全く外見には変化がありません。ええ、全くですよ。肌なんかツヤツヤだし、どこから見ても20代のチャキチャキ娘な感じですよ。お母様が時々羨望の眼差しを向けてます……。ええ、そんなカリ姐ぇさんは相変わらず、我がヴェルウント家の、メイド長兼、執事兼、警備主任を遣ってます。自分に取ってはほんとに頼れる姐ぇさんだし、親父殿やお母様にとってもほんとの仲間、親友、そして頼れる先輩みたいですね。ええ、この点には一切の揺らぎなしですよ。なんと云ってもヴェルウント家の最年長者だからね。ただしこの最後の一句も絶対の禁句だけどね。
ただどうもカリ姐ぇさんは、サラキトア集落の影のフィクサー(黒幕)としても君臨しているみたいなんです。カリ姐ぇさんは当たり前に男子からの人気高いんですけど、なぜか女子受けもするんだよね。そして秘技猫かぶりで年長者からの支持も高いと云うオールマイナーな存在なんだよね。その人望(猫望?)を駆使して張り巡らせた情報網から、集落での揉め事をいち早く察知して、あっと云う間にその原因を解決(叩き潰す)しているみたいなんです。それにどうやら“かかさま会”とも交流があるらしく、無理筋の結婚話しを幾つか上手く解決(懐柔?)してるみたい。これでますますカリ姐ぇさんの人望(猫望?)が高まっているみたいなんだ。我が家の馬小屋は、結構な広さがあるんだけど、そこがどうやら“カリファ会(?)”の秘密アジトになってるらしく、毎夜毎夜カリ姐ぇさんのファン? 配下? 信者? が集まってなにやら集会? 儀式? 魔宴? を行っているみたいです。カリ姐ぇさん、あたなは一体どこに向かっているんですか……。 そういう訳でカリ姐ぇさんは、絶賛Going my way驀進中です。
ただそんなカリ姐ぇさんですが、なんか良くセシルと秘密に会ってるみたいなんですよ。なんだろう? なんか、すっげぇ気になるぞ?
そのセシル、セシルナ・アバルマも今年で12歳に成りました。セシルにはまだ年齢の話しは禁句じゃないです。でもこれっていつから禁句になるのかな? セシルの身長は140センチ位で、体重は当然教えてくれませんけど、多分自分とそんなに変わらい位なんだろうな……。体重と身長を測る行商人さんが集落にたまにやってくると、集落の女子は徒党を組んで測定に臨むんですね。女子で出来た女人壁の中で、秘密の儀式=体重測定が行われるんだ。その女人壁の中からは、歓声・嬌声・悲鳴・溜息が聞こえて来る訳ですよ。まぁ、外見的には相変わらず小柄で華奢な感じなセシルです。自分より背は高いけどね……。まぁ、セシルはいつもローブ姿なんで身体的な変化はあんまり良く判らないんだけど……、カリ姐ぇさん曰く“セシルも案外女の子っぽい身体になってきたねぇ”だそうですっ! マ、マジっすかぁ~~。
そんなセシルですけど、さっきも云ったけど何故かカリ姐ぇさんと凄く仲良くなっていて、ラウドのうち半分くらいは、カリ姐ぇさんと何か秘密に会ってるんだよね。う~ん女子同士で秘密の活動かぁ、興味あるなぁ~。2~3度(実際は数10回)こっそり覗きにいったんだけど、その度にカリ姐ぇさんに発見されてしまいました。むむむむ~、さすが我が家の警備主任だ。
「ギル様、覗きはいかんよ」
「ギル様……」
セシルのジト目もなかなか可愛いとか思ってニヤニヤしてたら、“そういうのは大嫌いです”とか云われて大ショックを受けました。ごめんなさい。もうしません……。
あと最近ですけどセシルの雪肌症が改善されたらしくて、結構セシルを外で見る事が増えました。まぁ、基本白のローブ姿は変わらないんですけど、顔を覆うマスクを外してる事が多いんですよ。これはとっても嬉しいですね。このマスクを外す件については自分も一役買っているんです。ええ、実はセシルの為にUV効果の高い酸化亜鉛を作ってみたんだよね。
前世の記憶を辿ってですね、黄銅つまり真鍮ですね。こいつに含まれてる金属亜鉛を、お母様の火系術で気化させて、酸化亜鉛をGETしたんだよね。この酸化亜鉛の白い粉を肌に付けることで、絶大なUV効果を発揮するんですよ。そして実際効果は抜群みたいですよ。いやぁ~、よかったよかった。ただし真鍮は結構お高いので、自分の奉給のほとんどが消えて行きます。でもこれでセシルの可愛い顔を見ることが出来るんだから良しとしよう。
そしてなんとなんとセシルに仕事ができました。その仕事と云うのは、老師さんのお手伝いなんです。実は老師さん、数十年振りに行われたテゥス・オマジクの改訂を受けて、テゥス・オマジク
まず老師
老師
でもね老師
セシルの奉給がいくらかは知らないけど、老師
実は最近知った事だけどセシルの言葉使いが、集落でも珍しく鈍っていないのは、子供の頃から厳しく“おおかかさん”から躾られたからなんだってさ。アバルマ家の“おおかかさん”は若い時に首都セキトに出稼ぎに行ってたらしいから、セキト言葉=標準語が出来るって事なんだ。でもなんで標準語を躾? 疑問に思ってちょっとカリ姐ぇさんに聞いて見た処……。
「ああ、そりゃ売る時にそっちのが高く売れるんだよ」
「カリファっ! ギルそうじゃなくてね。そっちの方が奉公先を探す時に有利になるからなのよ」
お母様が慌ててカリ姐ぇさんとは違う見解を示してくれましたけど、どっちが真実なのかは……。だいたい想像つきました。まぁ。そういう訳でセシルは明るい未来に向かって驀進中……、のハズです。うん、大丈夫だと思う。
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