10.勉強のお時間 その⑧【セラワルド史の3 戦乱のセラワルドォォォ~】
午前中の授業が終わり、お昼の時間に成りました。またまた凄いタイミングで現れたカリ姐ぇさんが、手際よく長テーブル(勉強机から本来の役目に復帰しました)の上に、ササッと皿を並べていきます。台所からは何やら甘くて、焦げた様な香りが漂ってきます。その香りで、思わずお腹がキューってなりました。
「「「ガダスシアプ」」」
今日のお昼のメニューは、ジキンの卵に蜂蜜とカドゥのミルクを混ぜたものを、黒パンに浸して、それをバターでこんがり焼き上げたものでした。つまりフレンチトーストですっ。いぇぃっ! 古武士さんも老師さんも、そして自分もただ無言で、ちょっと焦げ目のついた黒パンのフレンチトーストにかぶりついている訳ですね~。本来固めの黒パンがしっとり柔らかくなって、ちょっとバターの焦げた香りに噛むとジュワワァ~~と口中に広がる甘いミルキーな味……。ああっ、お母様最高ですっ。そんな最高のお昼、いえランチを綺麗に片付けると、いよいよ歴史の授業が再開されました。戦乱、戦乱~。楽しみだな~。
「さぁ、フェルム戦乱時代についての説明を始めるぞ。先ほど説明したエスタ暦702年のフェバオロ氏族による、エクスムア大草原でのフェバオロ占地じゃが、確かにエクスムア大草原にはフェルム人の遊牧民がいたんじゃが、実際にはフェバオロ氏族はそれほど多くはなかったのじゃ。そこに族長国が、約100年かけて、セラワルド全土からフェバオロ氏族の生き残りを、エクスムア大草原に密かに移民させ続けていた訳じゃな。これについては族長国は今でも頑なに否定しておるが、まぁ間違いない事実じゃ」
100年っ! うわぁぁぁぁ、それはマジ恐ろしい計画だ……。族長国ハンパねぇ~。
「このフェバオロ氏族によるフェバオロ占地じゃが、フェルキア族長国により直ちに承認されるんじゃ。まっ、当然神聖ダイトニア皇国がこんな事に黙っているはずもなく、全ては族長国の差金だと糾弾したんじゃ。とは云っても確たる証拠がある訳でもないので、後は皇国と族長国の非難合戦と成るんじゃな。じゃが堪忍袋の尾が切れた皇国はついにエクスムア大草原に征伐の軍を派遣するんじゃな。
一方この征伐軍の派遣に対して族長国は“我々が今回の占地宣言に一切の係わりがない事は明白である。従って皇国のエクスムア征伐軍派遣と云う暴挙に対しても我々は一切の対抗措置を行わない。だが我が同胞たるフェバオロ氏族の命運を守るべく、個々のフェルム人が決起する事までを我々は阻止しない“と云う有名な”義勇の宣“を行ったのじゃ。そして大規模な”フェルム義勇軍団”が結成派遣されるんじゃな」
でたな~義勇軍、でも義勇軍って云ってもアレでしょう? スペイン内乱でのコンドル軍団みたいに、中身は実はナチスドイツ正規軍です~、みたいな名前だけの義勇軍なんでしょう? う~~ん、族長国ってなんか常に斜め上いってるよね……。
「さて神聖ダイトニア皇国によるエクスムア征伐じゃが、エクスムア大草原の位置を考えるなら前面にフェバオロ氏族、後背にフェルム義勇軍団と云う二正面作戦を強要されるのは明白じゃな。エクスムア征伐軍は、この点で行動が慎重にならざる得なくなったのじゃ。しかもフェバオロ氏族は徹底的に決戦を避けて、大草原をあちこちと逃げ回っていくんじゃ。元々遊牧民の集団じゃから、根拠地やら固定拠点やらが存在せんからのぉ。そしてフェルム義勇軍団も征伐軍に戦いを挑む事はなかったのじゃ」
うがっ。それじゃ自国から遠い、エクスムア征伐軍は補給が持たんじゃん……。
「そしてエクスムア征伐遠征が2年を超えた時に、皇国の皇帝は、ヴォツェック大公国、ナミアン公国、ガリオン士道国の神衛三国に対して、エクスムア征伐軍への補給を依頼するんじゃな。本来この神衛三国とは魔禍から、エスタリオン神国を守る事こそが国是であり、セラワルド域内での動乱には責任がないのじゃよ。じゃによって神衛三国は、この皇国からの依頼にはあまり好意的ではなかったのじゃな。事実皇国皇帝からの依頼に対して、のらりくらりと返事を延ばしていんくんじゃ」
それでいいのか神衛三国? 長い目でみると自分たちの危機じゃないのか? だれが味方でだれが敵か理解できてるのかな?
「しかしエスタリオン神国からの助言もあり、結局神衛三国連合でエクスムア大補給部隊が結成されんたんじゃな。このエクスムア大補給部隊は、アニイラのヴォツェック大公国から出発し、エスタ街道盾の道をウラへと進み、ナミアン公国そしてガリオン士道国に至り、その後エスタ街道森の道を通って、神国に到着するんじゃな。神国で教皇からの祝福を得た後、ようやっとエスタ街道神導の道を通りエクスムア大草原に向かったんじゃ。その時には補給部隊が大公国を発してから半年以上が経っておったんじゃ」
おいおい、それはあまりに遅いでしょう~? 神衛三国マジ非協力的だな。そんなんで大丈夫なんか?
「このエクスムア大補給部隊じゃが、護衛部隊はそれほど多くはなかったのじゃな。もし大規模な護衛を付けると、その糧食も必要になるからのぉ。しかし勿論襲撃される事は予想しておったんじゃ。そこでまずエクスムア征伐軍の一部を、エクスムア大草原のノラ方面へ派遣して、フェバオロ氏族による、大補給部隊襲撃を防いだのじゃ。さらには、最後の物資を消費して、エクスムア征伐軍はフェバオロ氏族とフェルム義勇軍団への攻勢を仕掛ける訳じゃな。これらにより敵に大補給部隊を襲撃する余裕を与えない作戦じゃたのじゃ」
「まぁ、この作戦は至極まっとうな作戦であったのである。これによりフェバオロ氏族とフェルム義勇軍団が、大補給部隊を襲う事は不可能となったである」
うんうん、ですよね。普通に当然な作戦だよね。補給がなければ征伐軍は立ち消えしちゃうからね。
「エクスムア征伐軍が最後の物資を消費しながら、大補給部隊の援護作戦を実施した結果、エクスムア大補給部隊は無事エクスムア大草原に入れたのじゃ。そしてエクスムア征伐軍と大補給部隊の互いの距離が、あと3日となった時に、大補給部隊は、オズグムルツから突如湧きでた諸族連合軍の襲撃に会うんじゃ。これも約100年掛けてフェルキア族長国が行った、オズグムルツに住まう諸族との地道な交渉が実った成果じゃな」
「フェルム人はセラワルドの元々の原住民であるから、オズグムルツに住む諸族との繋がりも我々よりも強かったのであるな。しかしこんな発想自体が、皇国や神衛三国側には、微塵もなかったである」
最悪です。それはもう詰みです……。
「エクスムア大補給部隊は、諸族連合軍の襲撃により僅か1日の戦いで、その物資のほとんどを失い敗退したのじゃよ。本来ならエクスムア征伐軍は、ここで撤退すべきじゃったな。だがこの大補給部隊の壊滅の報に狼狽したエクスムア征伐軍は、悲惨な状況、皇国の名誉、個人の面子などが凌ぎ合って、上層部がその作戦方針で紛糾してしまい、ほとんど有効な動きを取る事ができなかったのじゃ。そしてフェバオロ氏族は、その状況をただ黙って見ていたのじゃ……。
大補給部隊が敗退してから2ラウド後に、ついに軍馬をも食い尽くし、ほとんど飢餓状態に陥ったエクスムア征伐軍にフェバオロ氏族が満を持して決戦を仕掛けたんじゃ」
「第一次エクスムア決戦である」
あうあうあう。20日間も上は一体なにをしてたんだ~。もう言葉がありません。
「結果は火を見るより明らかじゃった。この第一次エクスムア決戦で、エクスムア征伐軍は、10ブ6の騎士・兵士を失い、神聖ダイトニア皇国に向って潰走を始めたんじゃな」
「第一次エクスムア決戦前には、既に征伐軍には戦意も体力も残ってなかったのである。この戦いで失わた騎士・兵士の大半は戦う前から、既に地に臥せって居たと伝わっているのである。しかもこの潰走する征伐軍にフェルム義勇軍団が追撃を行ったのである。ここに征伐軍はほぼ殲滅されたのである」
なんじゃそりゃ。“腹が減っては戦はできぬ”どころの話じゃないぞ……。そこまでやるのか……。
「一方この大敗戦の報を受けた神聖ダイトニア皇国は、この訃報にショックは受けたが屈する処か、直ちに征伐軍に参加しなかった残存の皇国竜騎士団を中心に、第二次エクスムア征伐軍を編成するんじゃ。じゃがやはり補給線維持の目処がたたんのじゃな。その為に実際の遠征には二の足を踏んでおったんじゃ。それに兵力不足の皇国としては、ヴォツェック大公国、ナミアン公国、ガリオン士道国を巻き込んだ、4国連合軍を結成したかったのじゃが、それが中々に上手く進まなかったんじゃな」
皇国諦め悪いな~。それに皇国って意外に権力ないんだな……。
「まぁ、ヴォツェック大公国、ナミアン公国、ガリオン士道国は、神聖ダイトニア皇国の臣下でもなんでもないからのぉ。あくまで借地料を払ってる間借り人みたいなもんじゃ。間借り人から云わせれば、大家の喧嘩に付き合う義理はないのじゃ」
まぁ、そりゃそうだけど、フェルム人って共通の敵じゃないのかな?
「特にフェバオロ氏族側、つまりフェルキア族長国側に付いた、オズグムルツに住まう諸族の動きは無視できんかったんじゃ。各国には少なくない数の諸族が居住しておったからの。それに「神衛三国」は、オズグムルツに隣接しておるからのぉ。「神衛三国」側に言わせると、“セラワルド原住の諸族への政策に失敗したお前が悪い”って事じゃな」
ってか、謀略策謀じゃ族長国には、全然敵わないって事だよね。やっぱ周りが全て敵になると、そーいう悪知恵が発達するもんなのかな? どっかの北○鮮みたいな感じかな?
「しかしエスタ暦708年に、試練の森のサラのセラムア平原で、フェルム失われし5氏族のひとつであるチェバオロ氏族が、チェバオロ占地を宣言するんじゃな。さすがにこれには、エスタリオン神国も黙っておれんでな、ついに史上初の“守神戦”の神宣が下るんじゃ。本来この“守神戦”とは、次の魔禍に備えて考えられたものじゃったが、なんと初の“守神戦”の神宣は、同じヒト族に向かって宣じられた訳じゃな。まぁ一番恐るべき敵は、同じヒトって事じゃな」
はいはい。それはどこの世界でも、おんなじですね。恐るべしは人間だよね。
「“守神戦”の神宣によって、直ちに神聖ダイトニア皇国を主軍として、「神衛三国」のヴォツェック大公国、ナミアン公国、ガリオン士道国が従う4国連合軍が結成されたんじゃ。その4国連合軍、20万人の大軍団が、神都ロキアを進発したのが、エスタ暦709年のエスタンじゃな。この大軍団は、神都ロキアから試練の森に沿ってサラ下し、ノボフォとセラフォの分岐付近で、チェバオロ族と会敵したんじゃ」
「所謂、“第一次ノボフォ決戦”である」
古武士さんの一言。ノボフォってなんか決戦場になりやすいな~。もしかして川中島のセラワルド版ですか? しかも第一次ってことは第二次があるんですね。ここで老師さんが、古武士さんへなにか目配せをする。
「うむ、ここからはそれがしが説明するである。さて第一次ノボフォ決戦であるが、会敵後の最初の一撃でチェバオロ氏族はあっさりと四散し、4国連合軍の勝利となったのである。そして4国連合軍はその勢いのまま、エクスムア大草原へと進んでいったのであるよ。皇国にしてみれば、20万人の大軍団でもって、先年の仇を取るつもりだったのであるな。エクスムア大草原に侵入した4国連合軍は、フェバオロ氏族とそれに合流していたフェルム義勇軍団の合同軍との第二次エクスムア決戦に臨んだのである。そしてこの戦いもまた、4国連合軍の大勝利で終わったのである。フェバオロ・義勇軍合同軍もたった1日の戦いで敗退し草原に四散したのであるよ。この戦いの後4国連合軍が、四散したフェバオロ・義勇軍合同軍への掃討戦を始めた時に、不意打ちとも云える様な驚愕の報告が届くのである」
どうやら説明者の交代ですね。まぁ老師ひとりでは、ちょっと長いかったからな……。でも第一次ノボフォ決戦にしろ、第二次エクスムア決戦にしろ、随分あっさりだな。う~ん、20万人の大軍団ハンパないって事かな?
「その4国連合軍に届いた驚愕の報告とは、イラ方のダトムア大草原でフェルム失われし5氏族のひとつであるロガーハ氏族が、ロガーハ占地を宣言した事であるよ。4国のほとんどの兵力が、エクスムア大草原にある以上、エスタリオン神国や自分達の国の守りはガラ空きである。当然フェバオロ・義勇軍合同軍への掃討戦は中止され、直ちに4国連合軍は神都ロキアへの帰途を決定したのである。だがこれこそが、フェルキア族長国の大戦略であったのである」
確かにタイミングからして、偶然にしては美味すぎるよね。誰でも何かあると思うだろうね~。
「当然4国連合軍内でも、この戦況を訝る意見は多かったが、神都ロキアへ戻る決定に反対はできなかったのである。なんと云っても守るべきは、エスタリオン神国であり、神都ロキアであるからである。更には4国連合軍の軍勢の数は、圧倒的であり。フェルム何するものぞ、と云う意見が大勢を占めたのであるな。
しかしこの4国連合軍の神都ロキアへの帰路は厳しいものになったのであるよ。4国連合軍がエクスムア大草原を抜け、ノボフォとセラフォの分岐付近にまで戻った時、そこには第一次ノボフォ決戦で四散したはずの、チェバオロ氏族にダトムア大草原から馳せ参じたロガーハ氏族が合流した、チェバオロ・ロガーハ同盟軍が待ち受けていたのであるな。ここに“第二次ノボフォ決戦”の幕が切って落とされたのである。
そして4国連合軍とチェバオロ・ロガーハ同盟軍が戦いを開始して間もなむ、4国連合軍の後背、つまりエクスムア大草原方面から、四散したはずのフェバオロ・義勇軍合同軍が襲いかかって来たのである。更にほぼ同時に、4国連合軍の横腹を、フェルキア族長国で新たに編成されていた第二次フェルム義勇軍団が突いたのである」
うおぉぉぉぉ、それって完全な包囲殲滅戦じゃね? かなりやばいよねぇ。
「前面は、チェバオロ・ロガーハ同盟軍、後背はフェバオロ・義勇軍合同軍、サラ側面を第二次フェルム義勇軍団に囲まれ、更にノラ側面は試練の森で、また周辺にはノボフォの支流などもあり、4国連合軍は自慢の20万の大軍を機動的に運用できず、各部隊の連携もできないまま、次々に各所で各個撃破されて行くのである。4国連合軍は数では圧倒的に優位であったが、脆くも一気に崩れ去ったのである。
まさに地の利、心の利、時の利を活かした見事な戦略である。しかも唯一敵が居ないノラ側面にある試練の森の奥には、フェルキア族長国が配置した諸族軍が隠れており、森へ逃げこんだ4国連合軍の兵士達は、そこで死の試練を受けたのであるな」
やっぱり包囲されると弱いよね。戦場が限定さて大軍は逆にウドの大木と化したか……。そして逃げ道を開ける事も包囲戦での常套手段だね。で、逃げ道に伏兵ってのも、見え見えの作戦なんだけど……。でもそれでも、これは酷い状況だ。
「この第二次ノボフォ決戦以降じゃな、彼の森に“試練の森”と云う名前が付けられたのは……」
はい、老師さん、試練の森ですね。それって納得です……。
「さて第二次ノボフォ決戦で、4国連合軍はほぼ壊滅したのである。そしてこの決戦の帰趨が決定した直後に、勝ち戦の戦場でフェバオロ氏族、チェバオロ氏族、ロガーハ氏族によりトテム合同軍の結成の宣告がされである。更にフェルキア族長国のフェルム義勇軍団も、トテム合同軍への参加を表明したのであるな」
はぁ完全な後付の発表ですね。もう全部既に決まっていた事を大勢が決した後で公式に表明したんですね……。それでも族長国は、あくまで義勇軍参加なんだ。つまり公式には停戦状態はそのままって訳か……。
「この後トテム合同軍は、ほとんど兵力が残っていない神聖ダイトニア皇国への進撃を開始するのである。皇国に残存していた騎士団は奮戦するであるが、ついにエスタ暦720年、皇都ダイトが陥落するであるな」
なにっ? 皇都陥落するんかっ! 逆転の一手はないんか!
「続いてエスタ暦735年、ヴォツェック大公国の公都ヴォチェ陥落、続いて788年には、ナミアン公国の公都ナミアも陥落するである」
おいおい、それじゃもうフェルキアによるセラワルド統一じゃん? えっ? どうなっちゃうの?
「ナミアン公国の公都ナミアが陥落した翌年、ついにエスタリオン神国の教皇によって、セラワルド全土への“命献”の神宣が下るのである。命を献、つまりは死戦命令であるな。この“命献”の神宣が下ったのは、エスタ3000年の歴史でも、この時唯一回であるよ」
あ~~~死戦命令ってなんだよ……。まさか特攻ですか?
「この“命献”によって、神都ロキアへ亡命していた神聖ダイトニア皇国皇帝は、エスタ護神騎士団を中心にして、ガリオン士道国のガリオン騎士団とサノア騎士団、それに神都ロキアへ敗走して来た各国の敗残兵を再編成して、“聖帝軍”を結成するのである。そしてこの聖帝軍の軍師に任命された、その人こそが、軍神ヴォルグ・アルブレリトである」
聖帝軍? なんですかそれは? 聖帝サ○ザーですか? それにヴォルグさんですよね、知ってますよ~。きっと軍略のヴォルグ派の創始者なんでしょう? なんでも軍略派って云えば、ヴォルグ派が最大で、セキニア王国ではセキニア派が有名って事ですよね? そして我がヴェルウント家は、マイナーなソンジ派支持だって事だよね。
「この聖帝軍の結成と、ヴォルグ・アルブレリトの登場が、トテム合同軍への歯止めとなったのである。“命献”を受けもう後のない聖帝軍の戦意と軍神ヴォルグの知略によって、徐々に戦況は変化して行ったのである。幾千と云う戦いの結果、聖帝軍結成の20年後、聖帝軍はついにナミアン公国の公都ナミアを奪還するのであるな」
おおおおお、なんとなんと、帝○の逆襲ですかぁ~。
「そしてエスタ暦845年には、ヴォツェック大公国の公都ヴォチェを奪還するのであるが、この年46年の間聖帝軍を率いた軍神ヴォルグ・アルブレリトが没するのである。この軍神ヴォルグの死には、当然ながら暗殺の噂が絶えないのであるよ。まぁ、なんにせよこの軍神ヴォルグの死により、聖帝軍の快進撃はここで終わるである。これ以降、リジェット・エレリープティクが登場する1100年代まで聖帝軍とトテム合同軍の乱戦が続いていくのである」
気がつくと居間は、薄闇に包まれていました。スっとカリ姐ぇさんが三叉の燭台を持って台所から現れた。その燭台の先のラストンの柔らかい灯りが周りを照らし出している。
「サロン殿、今日はここまでで良いじゃろう」
「で、あるな」
「お疲れ様です! ありがとうございました」
「「「ガダスシアプ」」」
はいっ、今日はここまでですねぇ。ほんとお疲れさまです。でもでも凄いなぁ~。正に戦乱のセラワルドですね。きっと吟遊詩人の謡とかもいっぱいありそうだな。これを題材に映画とか作ったら売れるんだろうな。あの年表に続く説明文には、きっともっと色々なお話が書いてあるんだろうな。あとで老師さんから、あの年表……正説セラワルド年史だっけ? を借りよっと!
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