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Another World 【胎動編】 ~異世界転生をまじめに考えたらこうなった~  作者: KRN
第Ⅲ章「勉強・勉強・勉強そして勉強」
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2.勉強のお時間 その②【内功って? 外功って?】

 

 

 ちょっとの休憩が終わると、早速の授業再開です。ええ、当然魔法関連の続きとなりますよ。さてここまでで魔法と魔術の違いは、なんとなくわかった気がするね。まぁ魔法が既に絶えてるんだから、実態としては、両者の違いはわかって無くても、あんまり問題ないんだけどね。さて次は内功とか外功とかかな?


「次は魔力の発現たる“発功”の種類についての説明じゃ。“発功”の種類には内功と外功の2種類があるんじゃ。そこでまず内功じゃが、一言で言うならば、内功とは体内で発功する魔術の事じゃな。よいか、この内功術と云う術は元々は存在しておらなかった術なんじゃが、魔道によって魔力の理解が進んだことで工夫され、発明された術なんじゃ」

ほうほう、それはなかなか興味深いお話ですね。それに老師(イジュマー)さんが、かなり得意気な感じです。


「この内功術を説明する前に、まず魔力の説明をしようぞ。よいか、魔力とはテゥス・オマジク(ことわりの書)によると、“暗き物質へ自らの想念を影子によって伝える事で、なんらかの事象を発現する事”じゃ。


 これをもっと突き詰めるなら、“なんらかの事象を発現する事”が結果じゃな。“暗き物質へ自らの想念を影子によって伝える事”は手段じゃな。狭義に捉えるならば、この手段こそが魔力と云えるのじゃ。


 このより狭義に捉えた魔力について、さらに理解を進めた結果、魔力とはそもそも2つの力で出来ておる事が判っておるのじゃ。そのひとつが魔源力で、今ひとつが伝魔力じゃ。


 魔源力とは、脳の想念を示す波動じゃ。一方伝魔力とは、脳の想念を放つ力の律動じゃな。つまり魔源力こそが魔力の源泉、つまり“魔”じゃろう。してその“魔”を伝達する“力”が伝魔力となる訳じゃな。両者を備える事が、魔力を持つ条件じゃな」

う~ん、えっと、えっと、魔源力と伝魔力のどちらかが、欠けても魔力は成立しないって事ですよね。ふむふむ、それってのは足し算じゃなくて掛け算って事なのかな? つまり魔力=魔源力×伝魔力ってことかな……。


 ちょっと頭の中でいろいろとイメージを浮かべてみよう。う~ん、例えるなら魔源力が池の水でその水を汲み出すポンプが伝魔力って事でいいのかな? 自分が理解できてるどうか心配なのか、チラッチラっとこちらの様子を伺う、老師(イジュマー)さん。そこで一応2~3度頷いておいた。まぁ、あとでテゥス・オマジク(ことわりの書))を借りて復習すべきだな……。


「ふむ、よかろう、あとでテゥス・オマジク(ことわりの書)の3章をじっくり読んでおけ。では先に進むぞ。さて魔力の源泉たる魔源力じゃが、これは生まれつきの才じゃ。訓練によって多少の成長もあるようじゃが、基本的には生まれた時に既に決まっておるんじゃ。そして魔源力の有無は、どうも母方から子へ伝わる可能性が高いんじゃ、だから高名な魔術師の家系は、女系が多いんじゃよ。一方、伝魔力は身体の成長と共に備わる才じゃな。ただしどの様な事をすれば、伝魔力が備わるかは、詳しくまだわかっておらんのじゃ」

ほう~~。女系の遺伝ですか? じゃぁきっとミトコンドリア見たいな形での遺伝なのかな? あれって確か母親の情報を必ず受け継ぐんだよね? まぁそれは、今はどうでもいいか、老師(イジュマー)さんのお話の続きを聞きましょう。


「魔道によりこのふたつの力が解明されてから、様々な調査がされた結果、色々な事が判明したんじゃ。例えばヒト族の場合、100人に2人程が魔源力を持って生まれてくるんじゃが、伝魔力を身につける者は更に少なくての、普通の場合だと魔源力を持った者の100人に2人程度らしいんじゃ。ついでに云うとな、男女比でならば7:3で女が多いんじゃな」

うぉ~~、結構きちんと調査・分析してるねぇ。ええと、それってつまり0.04%って事ですよね。つまり10,000人に4人って事ですか……。むむむ、少ないって云えば少ないし、結構いるって云えばいるな……。えっと、日本人1億人として4万人かな? う~ん、……やっぱ少ないなっ。そんで2.8万人が女子で、1.2万人が男子って事かぁ~~? こりゃ本格的に狭き門だな……。


「つまり結果として伝魔力はないが、魔源力を持っている者が非常に多い事が判った訳じゃな。そこでこの魔源力を持ってはいるが、伝魔力を持っていない者についての研究が始まった訳じゃ。まぁ魔力を発功できる者は、なかなかに貴重な存在じゃからな、ひとりでも多くの魔術師が求められたんじゃよ。さてこの研究の発想はこうじゃ。つまり暗き物質と影子はどこにでもあるなら、伝える力は僅かであっても、魔源力さえあれば、魔力の発功の可能性があるのではないかと云うことじゃな。正に魔道的発想じゃよ」

ほうほう、なるほど必要は発明の母って事ですね。


「その後のいろいろな研究・実験から、僅かであるが伝魔力は、訓練で身につけられる事が出来ると判明したんじゃ。しかし一旦成長した者が、訓練で身につける事が出来る力は本当に僅かな力で、通常の成長過程で獲得できる力とは比べ物にならん程小さいものなんじゃ。じゃがの0ではない、じゃによって魔力を発功できる条件は整った訳じゃな」

実験か……、一体どんな実験したんだろう……。むむむ、ちょっと怖いね。質問はしないでおこう。


「しかしじゃ、訓練で得る事が出来る伝魔力は極端に弱いのじゃ、つまり魔源力を伝えられる範囲が、親和性の高い己の体内に限られるんじゃな。そうじゃ、体内でしか発功できんと云う事じゃよ。従って使える術系は操系、癒系のみに限られた訳じゃな。体内で火系術や風系術を使っても詮なき事じゃし、大抵は悲惨な事となるだけじゃからな」

なるほど、そうですよね。でもそこまで判るにはきっと随分、悲惨な経験があっての事なんだろうな……。


「つまり体内で発功する系術、これが内功術じゃよ。元々伝魔力を持たない者が、相当の修練を行って、伝魔力を習得し、魔術の制御を会得するんじゃな。その会得できる内功術、主に操系の術によって自らの身体を操作する事で、身体能力を急激に上げる事が可能なんじゃ。力を強くする、俊敏性を高める、五感を研ぎ澄ます等じゃな。じゃによってこれを会得するほぼ全員が、戦士・剣士・闘士・騎士・武士の類なんじゃよ。まぁ本来は内功術を使える者、つまり内功術使なんじゃが、どうも一般には魔戦士とか魔剣士とか呼ばれる事がほとんどの様じゃな。ああ、それにコレク(忍・スパイ)アシン(暗殺者)の類にも内功術使は多いようじゃぞ。あと僅かではあるが、癒系の術で体力の回復、傷の回復を成す者もおるようじゃ」

へぇ~、結構マジにきちんとしてるんだね。さすが魔道って云うだけの事はありますね。


「これが内功じゃ。さて内功に対するのが、外功じゃが。これは一言で云えば体外で魔力を発功する事じゃな。恵まれた魔源力と、よく発達した伝魔力を持った僅かな者だけが、外功術使として外功術を発功できるんじゃ。そして発功できる系術数によって、単術使、2術使、3術使、4術使……となる訳じゃな。ああ、わしは光、火、風、冷、動、癒、操の7術使じゃよ、ほっほっほ」

それは前に聞きましたよ老師(イジュマー)さん。その笑い顔、もしかしてご自慢ですか?


「まぁ、ちょっと実演じゃ、見ておれよ坊主……。ボソたるヒグ素子よ。その相転移にて対象性を破りスラカ場に現れ居出て、(W)ホゾと(Z)ホゾの動きを支配し、重みを与えん」

うわぁぁぁぁ、それってあれじゃん! 老師(イジュマー)さんが、突然その呪文(?)を唱え、指先を長テーブル上に置いてあった木製の浅皿に向ける。するとその浅皿が僅かにスッと浮き上がると30cm程、こっちの方に移動して来たんだ。出た! 浮いた! 手品なら磁石かなんかを疑うけど、んな訳ないよね。マジ重力制御すっか? すっげぇ~。


「動系術は、発功の範囲と方向の調整がほんに難しいのう。それにほとんど使えん術なのに魔力の消費が半端ないのう~」

そういながら、老師(イジュマー)さんは、腰の巾着袋からなにか黒茶色の丸い小粒のものを取り出して口の中に放り込むと、コロコロと舐めてます。なんだ? 飴ちゃんかな?


「魔力を使う、つまり魔源力と伝魔力を使うと云う事は、脳の力を急激に使う事じゃな。つまり魔力を使うと脳が疲労する事になるんじゃ。そして魔力を使い過ぎると不安感、寒気・頭痛、痺れ、目眩、吐き気、昏倒と云う症状が現れおる。よいか酷い場合には死に至るんじゃぞ。そしてその回復には、これが一番なんじゃ。ほれ舐めてみぃ」

そう云いながら、老師(イジュマー)さんが、その黒茶の粒を自分の口に入れる。うwっw、甘っ! その黒っぽい色からは想像できない位の激甘です。砂糖を舐めてるなんてもんじゃないぞ! なんだこれは……。


「ホッホッホ、黒砂糖の液をそれこそ何度も何度も、煮詰めて作ったエルテ(濃糖粒)じゃよ」

思わず顔を顰めた自分を楽し気な表情で眺める老師(イジュマー)さん。なにしてくれるんですか、マジに……。




「坊主、これで内功、外功、内功術使、外功術使については、理解できたな?」

はい、分かりました。それにエルテ(濃糖粒)の味も覚えました……。そこでうんうんと、老師(イジュマー)さんに向かって無言で頷く。


「それでは、最後に魔法師、魔術師と魔導師について説明しようぞ」

その老師(イジュマー)さんの言葉に、教えて、教えてと思わずコクコクと頷きました。ええ、そこが判れば魔法関係での大方の疑問は解消されるね。まぁあとはテゥス・オマジク(ことわりの書)をゆっくりと読むさ。


「まず魔法師だが、そのまんま魔法を使える者と云う意味じゃな。まぁ実際魔法師と認定されるには、様々な手続きが必要なんじゃが、魔法師は現在存在しておらんからそこら辺の説明はなしじゃ。まっ、簡単に云うと魔法師とは魔術師1000人分位の力があると思えば間違っておらんな」

1000人ですか……。そりゃまた凄い。それってもうレジェンド(伝説)の類ですか? でも確かに存在してないなら、なんとでも言えるよね。


「次は、魔術師だな。よいか内功術使、外功術使はなんらの認定は必要ないが、魔術師となると話は違ってくるんじゃ。まず魔術師とは、当然外功術使である事が条件じゃが、魔術師は最低でも3術使であることが条件と成るんじゃ。


 その上で魔道と正道についての知識を得て、更に全世界の8大魔道学校による師位の認定・授与が必要となりよる。そうじゃの魔術師の師位を授かるのには最低でも4年間の修道が必要じゃな、まぁわしは3年で授かったがの。ああ、8大魔道学校については、地学の時にでも説明することとしようぞ」

おおお、キタァ~、魔法学校ですか~~。えっと、えっと○グワーツ魔法魔術学校とかありますか? それに最後に然りげ無くですけど、なんかご自慢が……。


「ちなみに、わしは魔道の総本山たる、リジェット魔道国の王立魔道院より魔術師の師位を授与されておるぞ」

ポンポンと黒皮のテゥス・オマジク(ことわりの書)を自慢気に叩く老師(イジュマー)さん。なに、それもご自慢ですか?


「そしてこのテゥス・オマジク(ことわりの書)を編纂完成させたのも、当然我がリジェット王立魔道院じゃぞ」

まぁそりゃそーなんだろうね。リジェット魔道国って、どう考えても魔道の始祖だっけ? リジェット・エレリーパティックさんが興した国なんでしょう? ああ、老師(イジュマー)さん、なんかちょっと言い切った感で口を閉じていますね。


 暫しの間が空いた。すると……。


「なんでも普通覚える事が出来る術系は、光系と火系らしいのである。それ以外の術系は魔道学校で修道しないと会得できないそうである。だからほとんどの外功術使は、単術使、2術使、なのであるよ。従って正規の魔術師たる者は、ほんとうに僅かなのである。


 多分魔術師とは外功術使全体の10ブ1(1/10)も居ないのであるな。つまり魔術師が僅かしかいないから、実は“魔術師”と云う呼び名は、実際にはほとんど使われないのである。我らから見ると全てが外功術使なのである。だからふつうは男外功術使は“魔法使い”、女外功術使を“魔女”、と呼ぶのであるよ」

それまでずっと黙って話を聞いていた古武士(アドバン)さんが、そんな補足をしてくれました。なる~魔法使いに魔女ね・・・、うんうん、やっぱ一般にはそんな風に呼ばれてそうですよね。まぁ魔術師よっか、やっぱ魔法使いが言い易いよね。


「そんなものは、あくまで俗称じゃっ!」

老師(イジュマー)さんが、憎々しげに呟きました。ありゃ~、かなりショックなご様子ですよ~。ですよね、せっかく体系づけて格好よく整理したのに、結局魔女に、魔法使いじゃねぇ~~。ガッカリですよね。うん、判ります、判ります……。あっ、古武士(アドバン)さんも今気がついのか、マズって顔してる。ちょと遅いし……。


 おお、なんか気まずい空気だ。うwww完全な沈黙に包まれたよ~。どうしよう、どうしよう。なんか話題、話題……・・・。


「え~、え、えっとぉぉ、……そ、それじゃお母様が4術使なのは、珍しい事なんですか?」

「おっ、そ、そうであるな。奥方様が、魔術師(・・・)でないのに4術使であるのは、正に驚きである。そうであろう? イジュマー老?」

「……、う、うむ。自力のみでの4術会得とはかなり奇跡的じゃの。魔道学校に行ってないにしても、最低でも魔導師からの教えがないと無理なもんなんじゃが」

なんとかこの雑談で沈黙の呪縛から逃れました。古武士(アドバン)さんも、魔術師(・・・)を強調したしね。これでなんとか老師(イジュマー)さんが、少し機嫌を取り戻し授業を再開できました。よかったよ~。つまり、魔法使いや魔女って単語は地雷なんだな。メモメモと……。


「それでは最後に、魔導師じゃな。これは魔道を指導できる者と云う意味じゃな。これは魔術師と違い、魔道の始祖リジェット・エレリーパティック自らが指導した4つの魔道学校のみが師位を授与できる称号じゃな。この魔導師に成るには、魔道の仕組み、歴史、正道に秀でる事と、魔力判定ができる事が条件なんじゃな。魔導師は、必ずしも外功術使、内功術使である必要はないんじゃが、魔導師の多くが魔術師であるのも事実じゃな。


 まぁどちらにせよ魔導師への道は狭く厳しいものじゃ、例えばリジェット王立魔道院で魔導師を目指す場合なら、ひとつは魔術師の師位を授与された後、更に3年間の修道を行った後に最後の試練を突破するか、10年間の専門修道を受けた後に最後の試練を突破した者のみが、魔導師の師位を授かるのじゃよ」

おお、最短でも7年(魔術師4年+3年)ですね。それは医学部よか長いな。つまりそれは、魔導師ってちょ~エリートって事ですか? 思わず老師(イジュマー)さんの顔を見直してしまう。こ、これがちょ~エリート?


「もう数十年も前の、古代の話じゃな。じゃが楽しい思い出じゃ」

ふ~っと、どこか遠い目をする老師(イジュマー)さん。古武士(アドバン)さんも、なんかじっと老師(イジュマー)さんの顔を見つめてるな。


「む、お主らなんじゃ? わしの顔になんぞついておるか?」

遠い目をしていた老師(イジュマー)さんが、じっと見詰めるふたりの視線に気がついて、こっちの世界に戻って来ました。


「あの、今イジュマー先生が云った、魔力判定ってのはなんですか?」

「おうっ、そうじゃの、魔力判定とはのぅ、魔源力の有無とその量、伝魔力の有無とその力を測る事じゃよ」

「それって本当にできるんですか?」

おお、思わずつっこみを入れてしまった。


「勿論じゃ、魔力判定もできなくてなんの魔導師か」

そういいながら俺よりも背の低い老師(イジュマー)さんが、いそいそと自分の隣の木の椅子の上に登ると、その可愛い両手を自分の側頭部に当て、ゆっくりとその大きな丸い目を瞑りました。するとその小さな手からなにか暖かいものが、頭の中に浸透して来るみたいな感じが……。うwwwww、どうなの、どうなの、自分の魔力? やっぱここは一発チート能力の発覚って奴をお願いしますね。




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