表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

第二号 あいさつ

私の燃料補給の方法は、食べることと寝ること、そして遊ぶことです

履歴書


名前    中神 魔子 (なかがみ まこ)

性別    女

年齢    499歳7ヶ月

学歴    帝都立特殊教育学校 卒業

職歴    帝都軍偵察部隊「影」隊長補佐

      

資格    射撃検定一級


特技・趣味 読書(聖書) 暗殺

一言    なし



 何かの冗談だろうと思った。

「ハイ、これ明日から来ることになった魔子ちゃんね。キミが担当だからよろしく頼んだよ」

 店長から渡された新人アルバイトの履歴書。

 いろいろとおかしい…

 そう、おかしいのだ。年齢から学歴職歴に至るまで、中学生並の落書きかと思ってしまう。

 あの、と僕が声をあげる瞬間に店長は続けて言う。

「最近の子はさ、面白さというか変化がないでしょ。並列というか、ずば抜けてる感がないというか。だけどこの子は違う。面接をしてみて思ったことがあるけど、この子はなにか光るものを持っているよ、店長の俺が言うから間違いない。だから採用した。質問は受け付けない。以上」


「は、はぁ。頑張ります」

 店長の性格はここ三年間でだいたい把握してきた。自分で決めたことは曲げないし、たとえそれが間違っていたとしても彼の場合”答え”のほうをねじ曲げ自らを正解とする。

 そのような性格であるから、逆らわないほうが身のためなのである。

 ともかく自分にも部下というか下(後輩)ができるのは嬉しい。しかし半面、責任というか上司・先輩 としての威厳も問われてくる。

 せめて嫌われないようにしないとな、女の子だし気まずくなるのだけは避けよう

 聞きたいことは山ほどある。確かにこの履歴書を見ると彼女に興味が湧いてくる。






 よし、やっぱり最初が肝心だからな。気になったことを聞こう

「ちょっといくつか質問していいかな」

 僕は出来る限りの微笑みをうかべた。

「な、なんでもどうぞ」

 そういうと中神は僕の顔を見上げながらなぜか敬礼をした。

「どこに住んでるの?」

「え、えっと…」

 ………

 ……

 …

 し、しまった。いきなりなんて質問しているんだ僕は!?

 初対面の女の子にいきなり住所を聞くとは、どれだけハイスペック仕様なのだろうか。

 確かに中神は可愛いし、僕としてもテンションが上がったのは否めないが、しかしストレートだよ。直球だよ。ど真ん中150kmだよ。

「えっと、ここの交差点を右に曲がったとこにある公園です」

「公園? ホームレス?」

 いくらなんでもその返しはなかっただろ自分。

「はぃ…家はないです」



 それから僕たちは5分ほどお互いの顔を見つめ合った




上杉   男  自宅出勤

中神魔子 女  公園出勤

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ