第一号 初出勤
前書きなんて律儀に読む人がいるとは思わないですけど頑張って続けます! 消えないように消えないように、たまに燃料補充しながらね
例えばここに聖書に十字架を持った悪魔の女の子がいるとしよう。
例えばここに牛丼を片手に草食主義を主張する女の子がいるとしよう。
例えばここに才色兼備の引きこもりニートな女の子がいるとしよう。
そして提言しよう。
これらの例えは、例えではないと。
月が空から姿を消すと同時にそいつはやってきた。
「おはようございます、よろしくお願いします」
マウスピースを口に咥え、落ち着いた声の彼女は少し大きい服を着て隣に寄ってくる。
レジで作業をしていた手を止め彼女のほうを見る
身長は女の子としても少し小さめで、髪の毛は白い銀色
「えっと中神さんだね、僕は上杉よろしく」
「よ、よろしくお願いします」
差し伸べた手に彼女は少し驚きながらも、握り返してくる。
ネイルのようなもので黒く薄くコーティングされた爪、折り目のついていない折り紙のような手のひら、爪の色とは相反するように白く陶器のような綺麗な腕。
要するに可愛いのだ。
人は綺麗なものを見ると、脳が若干視覚に影響を及ぼし更に美化してしまう。絶景などを生で見た後写 真を撮り、その写真を見てもそのときの感動は生まれないのはそのせいだ。しかしそれは景色の話であり対人にも効果があるとは思わなかった。
「とりあえず…バイトとかしたことは…?」
「えっと、特にない………です」
手元にある履歴書やもろもろの資料と彼女を交互に見比べながら、いろいろと質問をしていくことにした。




