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第一話 勇者は最後の旅に出る

本日から投稿を開始します。明日からは毎日7時に投稿予定です

 その男は異世界からの召喚者で、勇者の一人だった。

日本と呼ばれる国のごく平凡な家庭で産まれ、十五年余りを過ごした時、異世界にクラスごと召喚された。


「勇者様方、世界を救うために魔王を討伐して欲しい……」


 王の願いに対してこう答えた。


「元の世界に帰られるのなら……」と。


 一年余りの時は掛かったものの、武芸と魔術の基礎的な戦い方を学び終えた彼らは、流石は勇者呼ばれるに相応しい実力を示す。 

 犠牲者を出しつつも魔王軍の幹部を打ち破り、遂に魔王すら討取ることに成功した。


 

……しかし戦いは終わらなかった。




 魔王と言う共通の敵に対して準備された武力やその利権が急に失われたことにより、愚かにも人類は同士で戦争を始めることとなる。

 最大の武力たる勇者たちは魔族に向けていたその刃を今度は人に向けるようになった。

 信条や利権、恋愛事情により勇者達はある意味この世界に正しく取り込まれていく。

勇者達の多くは所帯を持ち、実績やその知識・技術により地位を得て、……そして元の世界に帰る事を諦めた。




 しかし俺を含めたごく一部は違った。

旅立つ前、俺は同郷の友人の家に立ち寄っっていた。


「佐藤、お前本当に行くのか?」


彼の腕の中には、彼によく似たふくふくとした赤子が気持ちよさそうに微睡んでいた。


「ああ……お前も両親にその子を見せたいだろ?」


「それはそうだけど、俺はもう諦めたんだ……」


「俺はお前と違って妻も子も居ないからな。

 ……初志貫徹ってやつだ。俺くらいは足掻いてもいいだろ?」


「……」


「……これで最後にはするつもりだ。

戻らなかったら死んだものと思ってくれ」


「……判った。そん時はお前の墓、立ててやるよ。『世界を救いし愚か者佐藤一郎(サトウイチロー)ここに眠る』ってな。」


「なら、戻ってこないといけないようだな……」


 こうして夜通し騒いだ後、俺は遺跡への旅に出発した。



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