第6話 ~到着~
「うぅん...」
「あっ! 目が覚めましたか?」
誰だ? そこのかわいい子よ。
「ここは?」
「ここはコスタル・マニカの私の家よ」
コスタル・マニカ? あの目的地の... どうしてだ?
「あなた...スライムから逃げてたでしょ?」
「HP減ってたから回復もしてあげたよ!」
...見られてたぁっ!! 恥ずい!!!
「それで、倒れたのを見つけたから運んできたの! 意識が戻って良かったわ!」
不幸中の幸いとはこういうことか...
「でもあなた、Lv.1で装備もなしに魔物と戦って勝てる訳ないじゃない!」
「え? でもスライムだったし...」
「スライムも魔物なんですよ!」
いや、そういうことじゃないんですよ! それはわかってますよ!
「次から気をつけてくださいね!」
スライムはれっきとした中級魔物... 雑魚キャラなのはゲームだけらしい。(物にもよる)
「なぁ、どうやってここまでオレを運んだんだ?」
「?」
「 《魔法》 しかないでしょ? ...もしかして魔法がある事自体知らなかったの!?」
「あっ、いや、そういうわけではないんだけど...」
「オレは魔法が使えないって言われまして...」
「魔法が使えない人なんていたの!?」
え?使えるのか? ...ミリア、嘘ついたな!?
「どうやってやるんだ?」
「こう...気持ちをグッ! ってぶわぁぁぁってかんじだよ! 簡単だよ? やってみなよ!」
「え、こうやって...こうか?」
シーン
なにも起こらない。
「おかしいわね...」
「赤ちゃんでもできるのに...」
赤ちゃん...でも...できる...だと?
「ちょっとこっち向いて」
なにをするんだ?
「...まさか...そんな事があるの!?」
どうしたんだ? 何か珍しいことでもあるのか?
「あなた...魔力0じゃないの...」
「え?」
「それで魔法が使えないのよ」
「まさか魔力がない人がいたなんて...」
...使えないのってオレだけなのか。 何でだよ! おかしいだろ!
でも心で叫んでもなにも変わることはない。オレは夢を諦めた。
魔法が使えないのは悲しいが、かわいい子と知り合いになれてまぁよかったとしよう。」
「ありがとう! 助けてくれて本当にありがとう!」
「いえいえ。こらからは気をつけてくださいねー!」
「分かりました! では」
オレは家を出た。
...さぁここからどこに行った方がいいんだ?
所持金 0
Lv. 1
総魔力 0