第1話 ~念願の転生~
オレは河合 優希。15歳 年齢=彼女だけでなく、友達もいない歴の中学生だ。
……すごいだろ?(泣)
異世界転生って知ってるだろ? それはオレの夢なんだ。
イケメンになって、かわいい女の子達にちやほやされながら暮らしたり……
チート能力を使える体になって無双したり……
もしほんとにそうなったら、まじで最高じゃんか! な? わかるだろ!?
「はぁ… もう学校に行く時間か…」
なんで学校に行くのが嫌そうかって?
そりゃもちろん勉強が嫌だから… っていう訳ではない。
そう。オレは「友達」が、出来たことがないのだ。班やグループをつくる ときも、一人取り残されたりする。
めっちゃ恥ずかしいのだ。一人でいるのには慣れているが、皆にみられると辛い。
だから、いやなのだ。
まぁそれだけでは無いのだが、これ以上は言わないでおこう。
そんなことを一人で考えていたら、学校が休みになるかもしれない出来事が起こった。
「うわぁっ!」
「優希! 早く机のしたに隠れなさい!」
地震だ。
震度6弱はあるだろうか? こりゃまずいな...
ぼーっとしていたら、食器棚がオレに向かって倒れてきた。
「優希! 早く!!」
「え?」
オレはそのとき悟った。
あぁ。終わった…
でも、学校に行かなくて良くなる! やった! 死ぬならあんまり嬉しくないけど…
なんだ? スローモーションに見える!?
まぁ、自分の動きもスローだから意味ないけどね。
へぇ。こんな風に見えるのか…
最後に珍しいもの見れてよかったな…
あきらめかけていたそのとき、なぜか急に死にたくない。と、思いはじめた。
「嫌だ! やっぱりまだ…
「優希ーーっ!!」
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ここはどこだ? そういえばオレつぶされて… 死んだのか?
オレは状況を把握しようとあたりを見渡した。
すると気づいたことがあった。周りの建物がミニチュアのように小さいではないか!
あれ? おれ、デカくなってる?
どういうことだ!? もしかして…転生して巨人になったとか?
…無いか。
いや、もしそうだったらまぁまぁショックなんだけど!!
『あなたが転生者?』
「えっ?」
俺に聞かれても…まだ状況把握できてないんですけど。
「いや、転生したかはわかんねぇ。それと、誰だ? お前」
『私は ミリアよ』
『あなた…転生者だね。見た感じ。だから、座って。しないといけないことがある』
「はぁ?」
しないといけないことなんてあるのか? 漫画じゃそういうのはあまり見たこと無いけど?
『はぁ? じゃないわよ。必要なことなんだから』
オレは別に頼んでもないが、ミリアがなにかしてくれるらしい。
「いやだぁぁ!!」
ミリアが急に良くわから無いけどヤバそうなビームをあてようとしてくる。
殺す気か!? え? オレここで死ぬの!? 何でだよ! オレ転生したばっかりだぞ!
「ごめんって! 何か気に触っていたら悪かった!」
許してと訴えたが、ミリアは何も言わない。
『くらえ』
『【マイクロウブ!!】』
「うわぁぁぁぁぁっ!!」
ええええぇっ! オレまた死ぬのか!? いやだあああああぁぁ!!
そうだ! せめて顔! 顔だけでも見たかったーー!!