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1.転校生との出会い
『蜜雨!蜜雨!先生っ蜜雨は大丈夫ですよね?助かりますよね?』
声が聴こえる。
お母さんの声がする。
『できるかぎり回復できるように処置はいたしましたが、後はお嬢さんの体力が回復すればきっと大丈夫かと思いますが⋯』
『先生?』
『ですが、もし体力が回復しなければ⋯⋯』
『そんなっ嘘ですよね!お願いします!蜜雨を助けてください』
これはいつの記憶だろう。
ああ、これはあの時の記憶だ。
私が死にかけた時の記憶だ。
『蜜雨⋯蜜雨っごめんね、ごめんね。神様お願いします、蜜雨を助けてください。この子は私にとってようやく産めたたった1人のあの人との大切な大切な娘なんです。これ以上私から大切な家族を奪わないでください。お願いします!』
お母さんの思いが心に染み渡る。
こんなにも私は大事にされているんだ。
だから今でもお母さんはーーーーー。
〈ピピピーーー〉
「