表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/54

第7話 ~聖女アリス②~

前回のまとめ


アリスは、ギフトがただの聖女だったせいで家族に罵倒され、見放され、追い出された。


そこで冒険者ギルドに来たらルナとハルトが居たので、話しかけた。


もう身寄りがないから、一緒に冒険がしたい、と

第7話



だから是非一緒に冒険させてください!


そう、言おうと思って口を開けたら


出てきたのは……嗚咽だった。


涙が止まらなかった。今まで誰にも言えなかった。


こんな、こんなギフト一つで捨てられてしまった、とは言えなかった。


「そうか。理由は分かった。君に「博学」を使わせてもらう。」


今にも泣き出しそうなルナさんとは正反対に、何も言わずじっと聞いてくれていた、ハルトさんが口を開いた。


はい、と言おうと思って口を開けたら言葉を発するより、口の中に涙が入る方が早かった。


仕方ないので、首を縦に振った。



「ありがとう。それじゃあ…《博学》」


数秒の沈黙がながれた。


ハルトさんは少し考え事をした後に、言った。


「あんた……これで家族に捨てられたなんて…嘘だろ?」


何故そんな事を言うのか、理解不能だ。


どうしたの、と聞こうとしたら、ハルトさんの言葉がそれを遮った。



「是非、俺達と一緒に冒険をして欲しい。あんたは俺達にとって必要かつ重要な人だ。是非一緒にぼ……」


「ほ、本当ですか…こちらこそっ…よ、宜しくお願いします……グスン…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………!!!」


ハルトさんの言葉を遮ったのは、自分の涙だった。


涙が溢れて止まらない、どうしようと考えていた時、ルナさんが洋服についている、ありとあらゆるポケットをあさりはじめた。


「「……??」」


「ど、どどどうししよう!!」


今度は慌てはじめた。


こんなに慌てるなんてきっとすごく大変なことが起きたんだろう、そう思ってハルトさんと目を合わせた。


すると、ハルトさんは、目があった瞬間フッ、と笑って…言った。


「ルナ、ハンカチなら、リュックのポーチじゃなかったか?」


「えっ……!?なんで分かったの!?」


なんてことだろう。ただのハンカチ探しだった。


そして、ハルトさんはエスパーなんだろうか。


「《博学》を使った」


「嘘ぉぉぉ!?人の心まで読み取れるの!?」


「あぁ、嘘だ」


「…ハルトのばかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「ぷっ…クスクス」


嗚咽しか漏れなかった自分の口から、笑い声が漏れた。


何故だろう。吹っ切れた気がする。


「ほら、アリスさんに笑われてる」


「あ、アリスちゃん!?!?」


「有難う御座います。御二人のお陰で吹っ切れたみたいです。」


「いえいえ、お役に立てたなら嬉しいです。良かったな!ルナ!!」


「う、嬉しくない………で、でも、どういたしまして!あ、あと、はい。」


そう言ったルナから渡されたのは、可愛いユニコーン柄のハンカチだった。


「?」


「アリスさん、多分、涙を拭いて欲しいんだと思います。」


「だからなんでわかるのぉぉぉぉぉ!?」


「ふふ、有難う御座います。ルナさん。」


「あれ、そういえば私達自己紹介したっけ?」


「いいえ、していませんよ。ただ、私が知っていたんです。」


「アリスさん、もうパーティメンバーなんですし、敬語辞めません?」


「うーん…私は敬語で育てられてきたので、難しいかもしれません……すみません。あ、御二人は普通に話してくださいますか?」


「「勿論!!」」


………ハズレギフト所持者な私だけど、この人達と一緒なら大丈夫かも。


なんて、ね。

いつもお読み頂き有難う御座います!
















評価、ブックマーク、是非宜しくお願い致します。
















そして、誤字があったら教えて頂けると幸いです!
















皆様の応援がとても励みになります!








次回は番外編の予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑↑↑を押して頂けると、とても励みになります!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ