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第50話 〜『彼ら』〜

第50話 〜「彼ら」〜 sideなし




異様な光景が広がっていた。


Bランクの冒険者は腰を抜かし、Aランクの冒険者ですら怪我をしている。

Cランク以下の冒険者は、近付くことも許されない……筈だった。


そう、「彼ら」を除いては。


何故、使用が難しいとされる『浮遊』を使っている人がここまで多いのか。

何故、それが幼い少年少女で。

何故、「C」と書かれたものを見に付けている子供たちなのか。


手の甲に「A」と浮き出ている男が、

あの少年少女に助けられているのは何故だ?


怪我が見当たらないのは、体力の消耗が見られないのは何故だ?



答えは一つだった。




その場の者すべてが。

―――彼らが今まで積み重ねてきたものに、圧倒されていた。



まず金髪の少女は、少年に抱えられながら頬を染めるあの少女は。


ずっとずっと、「聖なる力が足りないから」と虐げられてきたのではなかったか?

泣くことすら許されず、ひとり孤独に聖書を抱えていたのではなかったか?

今こうして少年少女が戦えているのは、間違いなくあの力あってこそだろう。

怪我をした瞬間に治っていて、痛みすら感じないようになっているのは、あの少女の力なのだ。



その少女を抱える少年は。

ずっと蔑まれ、なんとか槍の力を磨いて孤児院から抜け出してきた筈だ。

「哀れね」と同情され、時に笑われ、人を信じられなくなった筈だ。

何故その少年の眼差しが、慈しむようなものになっている?

人への優しさに、慈愛に溢れたような目になっている?

そして魔物にすら最後には微笑むのは、何故なのか。


その横で弓を持ち、活発に飛び回る少女は。

多くの魔物が一斉に素早く動くというのに、矢の一本すら外していない。

弓のセットを素早く終わらせ、素早く打って。

体力的にも厳しいはずなのに、尚笑顔を絶やさず、魔物を翻弄するかのように動き回っている。

本来弓は遠いところから撃つものなのに、近距離で不利なはずなのに。


それを守るかのように動いているのは、琥珀色の目の少年。

完璧な人化をしているが、明らかに人間の動ける速度ではない。

目の色から察するに、かなりの高位モンスターだろう。

そんな高位モンスターが、何故幼い子供たちと共に戦っているのか。


そして、細く見える腕に剣を構える少年。

一見筋肉がなさそうに見えるが、剣を持つ手は一切の震えを見せない。

むしろ軽々と持ち上げ、次々と魔物に致命傷を与えていく。

ただ闇雲に振り回しているのではない。

魔物の俊敏な動きを捉え、さらに致命傷になる部位を判断してから剣を振っているのだ。

魔物の速さについていき、かつ確実に傷を与えている。

そして怪我は、もちろん見当たらなかった。


その少年少女の中心には、魔法陣を創っている少女がいた。

その魔法陣は、味方の攻撃力を強くするものだったり、敵を弱体化させるものだったりと様々で。

詠唱が終わったら、すぐに別の詠唱を始めていた。

ときには無詠唱で魔法陣を完成させていた。

そして今創っているのは、間違いなく。

頭領のアングリーベアを一撃で息絶えさせるようなもの。


そんなものを少しの時間で創ってしまうことは本当に可能なのかと。

目の前の光景を疑ってしまうほどに、異様な光景が広がっていた。

お読み頂きありがとうございます。

そろそろ終幕へと持っていこうと思っております。

皆様に『面白い!』と思っていただけるよう頑張ります!

評価などぜひお願いします〜


ブクマなどで更新頻度上がります、多分((

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