第43話 ~ドリーム草を渡したら~
第43話
「「「「「金貨100枚!?!?」」」」」
私達五人と一匹は、冒険者ギルドのアイテム買い取りカウンターにいる。
そこで、昨日取ってきたドリーム草29袋分を渡したら、『数えたら金貨100枚分だったわー』と言われたところ。もっとも、こんな言い方をする人ではないけれど。
おじさんが険しい顔をして口を開く。
「あのなァ。ドリーム草っていうのは、Sランク冒険者パーティで10袋分取れるか取れないかなんだよ。」
「!?」
「てめェら、いいか?よく聞けよ。…………ドリーム草はな、魔力が多い人の近くに生えるんだ。」
「あっ、それは知ってますよ。」
「でなァ、魔力の多い人の近くに生えて、魔力の多い人が居なくなると別の魔力の多い人の元へ移動する。」
「そうなんですか?」
「あぁ。魔力の多い人を常に探してるんだ。」
「ふむふむ?」
「つまり、魔力が多い人じゃねェとこんなに取れねェ。だから、ドリーム草は価値が高い。このギルドで一番取れるのは、ギルマスで100袋分。まぁギルマスは人外だから………他のギルメンは多くて5袋分。つまり……。」
「?」
「てめェらが人外なんだよォ!!!!」
「「「「「!?」」」」」
「む?俺は聖獣の人化版だから人間ではないが………………。」
「てめぇら聖獣も連れてんのかよ!?」
「え?そうですけど。」
「あっけらかんと言うんじゃねェ!!」
怒られてしまった……………しゅん。
「とにかく!!金貨100枚だ!ここに置くから持ってきなァ!!あと、ギルマス呼んできてやっから待ってろやァ。」
「「「「「……………………。」」」」」
「……………金貨100枚って多いのか?」
「多すぎるよ!!金貨100枚あればなんでもできる!!」
「そうなのか…………。」
そんな話をしていると、おじさんが超絶美女を連れてきた。
綺麗な金髪は、腰ほどまで長く、パーマになっていて、光る赤い目をしている。
「貴方達が、《虹の努力家》ね。私はここのギルドマスター。……もう引退したけど冒険者ランクは“SSSS+”よ。」
その超絶美女は、美声で話し始めた。
「SSSS+って、まさか…………!?」
「あぁ、このギルマスは伝説の超絶美女だぜェ。」
「………………!!」
ギルドの伝説とは。
前に、伝説のドラゴンを瞬殺した、ランク“SSSS+”の金髪赤目超絶美女の冒険者がいた、という伝説があるのだ。
強すぎて、もう表せないから“+”を着けたらしく、強さは尋常じゃないとか。
「……………貴方達を見込んでの頼みがあるわ。」
「!?」
こんな強い人から頼まれるなんて、嬉しい。
「今、カリナルア山で、クェトロボアとアングリーベアとの間で争いが起きているのは知っているかしら。」
ギルマスは椅子に腰掛け、両肘をつきながら話す。
頷くと、ギルマスも肯定するように頷いてくれる。
「その争いを治めてくれないかしら。…………無理にとは言わないわ。」
「…………えっ!?」
クェトロボアとアングリーベアの多すぎるカリナルア山で争いを治める?
(冗談じゃない……………無理に決まってる。)
クェトロボアとアングリーベアは、高位モンスター。
そのモンスターの二つの群れの争いを治めるなんて、Sランク冒険者パーティでも無理な話だ。
「混乱するのはわかるわ。でも、もしやってくれると言うのなら、貴方達のランクをSにする。ほして、もし治めることができたなら、毎年ある大会に貴方達をギルドから推薦する。」
(………………!!!)
毎年ある大会とは、ギルド同士での争いの場だ。
(それは…………出たい。でも、みんなは……??)
そう思ってみんなの方を向くと、皆は肯定するようにゆっくりと首を縦に振って、口を開いた。
「私は、一度皆様と生きると決めました。皆様にお任せ致します。」
「……………俺は皆と一緒に死ぬ。」
「アタシ達は一心同体。皆も同じでしょ?選択は任せるわ。死ぬときは一緒。そうでしょ?」
「む?俺はヒマリと主人を守るからな!いざとなったら任せろよ!!」
(嬉しい………………!!やばい、泣きそうっ……!!)
こんなに嬉しいのは、
ツンデレなヴォレス君があっさりと命を任せてくれたからだろうか?
それとも、皆が肯定してくれたから?
(………………ううん。皆と一緒なら死ねるって、皆も思ってくれてたことが嬉しいんだ……!!)
「…………ハルト。」
「あぁ。行こう………………。生きて帰ってきて、ギルド同士の大会に勝とう。」
「…………やってくれる、ということでいいかしら?」
「「「「「「「はい!!」」」」」」」(うむ!)
「ありがとう。感謝するわ。それじゃあ、明後日にはカリナルア山に出発してもらう予定でいいかしら?」
「はい!!」
(大丈夫…………皆と一緒なら…………!!!)




