第38話 ~カンラガ山にて[3]~
第38話
(どうしてそうなった!?)
(えーと、何を言っているんだろう。
私を子供の主人にしたい??
…………つまり、レナみたいな存在ができるってこと??
いやでもレナは聖霊だし…………。
その子供に利益なくない?)
そう考えてフリーズしかけた私の目の前に、水色のティアラと白く輝くワンピースを来た、レナが現れた。
「レナ!?」
『お久し振りです、御主人様。説明致します。モンスターと人間の契約に、モンスターに利益は無いと思いがちですが、実はあるのです。』
「??」
『………モンスター側は、魔力がないと生きていくことができません。人間との契約で、魔力を失っても人間と魔力が混同しているため、死亡確率が減ります。』
「なるほど?」
『そして、魔力が多い人間と契約することで、モンスターは膨大な魔力を手に入れることができるので、魔力の多い御主人様との契約は、モンスター側が超と言っていいほど有利でなのです。』
「ふんふん。……人間の利益って、なに?」
『人間側の利益は、そのモンスターに守ってもらえることですね。モンスターが守らない場合は、人間側がその契約を破棄することができます。つまり、人間側が主導権を握っているため、モンスターは嫌でも動かなければなりません。』
「そうなの!?」
(初めて知った…………。レナって、博学だなぁ。)
『御主人様、つまり、強いモンスターとの契約は御主人様にとって有利になります。その子供の強さを見てから契約することをお勧め致します。』
「へぇー!!ありがとう、レナ!!」
『………いえ、当然のことをしたまでです。……では。』
顔をほんのり赤らめたレナは、そのまま消えてしまった。
(レナのお陰でわかったことだし…………よぉし!!)
「“すみません、そのお子さんと一度会ってみても良いでしょうか?”」
『“勿論。今から呼んでみよう。”』
そう言ってオレオさんは咆哮した。
その咆哮は、すごく美しい声で、聞き惚れてしまいそうだった。
そして、その数秒後に、綺麗な毛並みの、もふも…………じゃない、少し小さい白銀のフェンリルが現れた。
『“父さん、どうしたの?”』
『“あぁ、この人をお前の主人にしようと思ってな。”』
『“…………ふぅん?”』
その少し小さいフェンリルは、私のまわりを少し歩き回って、言った。
『“この人の魔力、すごく心地良いな。…………あなたの名前はなんて言うんですか?”』
「“私はルナ。あなたは?”」
『“僕には、ご主人様が居ないので名前はありません。ルナさん、僕のご主人様になってくれませんか?”』
(名前がないの??…………どういうこと?)
そう考えていると、頭にレナらしき声が響いてきた。
『……御主人様、モンスターとの契約は、《命名》という儀式で、主人の居ないモンスターには名前はありません。』
(ありがと。ところで、フェンリルって聖獣でしょ?契約ってできるの??)
『聖獣に好かれる人間がほぼ居ないだけで、契約は可能ですよ。』
レナにお礼を言うと、レナが一礼して、声が聞こえなくなった。
(そうだ、強さを知らないと!!)
「“その前に、貴方の強さを聞いてもいいかしら?”」
『“僕の強さは聖獣ランクSSS+です。どうですか?契約してくれますか?”』
(SSS+って、確か最上級じゃなかった!?え!?)
「“喜んで。じゃあ、契約してもいいかしら??”」
『“ええ。宜しくお願いします。”』
「“ええと、名前は………………レナっぽくていいかな?レオ、とか??いやでも…………。”」
『“ルナさんにお任せします。”』
「“…………そういえば、あなた、目がはちみつ色なんだね!!!…………琥珀……なんてどう?”」
『“わぁ!!嬉しいです!!それじゃあ、《貴方の名前は琥珀!!》と言ってもらってもいいですか?”』
「“貴方の名前は…………琥珀!!”」
そう言った瞬間、私達の体が輝き始めた。
その輝きが終わった瞬間、オレオさんが口を開いた。
『“ほう。この子の魔力に耐えるか。”』
「“え??”」
(どういうこと??)
『“この子は、強すぎて契約者の魔力が一定以上じゃないといけなかった。総合魔力値が800以上無いと、契約者が亡くなってしまうらしい。”』
「“私の魔力値って800越えてないと思うんだけど…………?”」
急いで自分に《鑑定》をかける。
『《ルナの魔力値》
攻撃 560
防御 780
魔力 890
魔法 A-
幸運 673』
……総合魔力値は、のっていなかった。
「《鑑定》スキル使用。『総合魔力値』」
『
《ルナの総合魔力値》
総合魔力値 880
』
(本当だ…………最初の私の総合魔力値って500もいってなかったのに…………やっぱり、魔力増量スキルのおかげかな??)
私は最近、新たなスキルを獲得…………いや、スキルを作成していた。
その名も、『魔力増量スキル』。
魔力枯渇状態になって、頭が割れるぐらい痛いのを、10回耐えたら作成できた。
痛かったし辛かったけど、みんなの顔を思い浮かべたら頑張れた。
(頑張って良かった)




