第34話 ~夜空剣~
本話は血の表現があります。
無理な方は回覧をお辞めください。
第34話
(おっ、これは…………ビリビリ草!!超激レアだ!!)
(お、カラシナだ!!激レアレベルだな。)
そんなことを考えながら、ヴォレスとアリスと一緒に山道を歩く。
今回の薬草採取依頼で頼まれているのは、この山特有のポピュター草だけだが、他の薬草も一応採取しておいている。
ちなみに、ヒーリング草は、俺達三人だけでもノルマは達成済みだ。
ルナ達の分も合わせるから、結構な量になるだろうな。
(………………にしても、飽きてくるな。)
そろそろ手作業だけに飽きてきてしまった。
(物騒だが…………弱めのモンスターでも出てきたらな………………。)
そう思ったとき。
なんと、数歩先の地にノールンザウルスがいた。
(ノールンザウルスはかなり弱めのモンスターだ。
……が、噛みつかれると恐竜に手を思い切り噛まれたぐらいまでに腫れて、五ヶ月は死ぬほど痛いんだよな。)
そんなことを頭の中で考えながら、鞘から出した銀に光る剣を取り出す。
そして、その剣をノールンザウルスの脳天目掛けて振り下ろす。
________スッ…………
剣が何かに当たった、という感じがしない。
(………………もしかして、空を切ってしまったのか?)
そんな考えが頭をよぎったすぐ後。
視点を落とすと、……地面は鮮血で染まっていた。
(俺は切ってない…………はず。だから…………ヴォレスか?)
「おいヴォレス、これお前がやったのか?」
「「……え?」」
アリスとヴォレスの見事なハモり。
「「いやいやいやいや!!!記憶喪失なの!?」」
ハモりに『おぉ~、すごいな。』と感心していると、見事なツッコミが入った。
「今のはどう見てもお前だろ!?」
「ハルトさん!!剣を見てください!!」
「間違えた、今のはどう見ても君だろ!?」
「ヴォレス。そのくだり別にいいから。」
「いや別に本性隠してるとかじゃないし?」
「クスクス」
「で、剣を見ろ、だったか?」
「はい。そうです。」
またもや視点を下ろすと、俺の愛剣はさっきのモンスターのものだろうと推測される鮮血が大量についていた。
「………………は?」
「いや俺が『は?』って言いてぇよ!!」
「ハルトさん貴方が倒したんですよ!?」
ヴォレス、口悪いな。
「とりあえずそろそろ帰ら……」
「グヴヴォォォォォォ!!!!」
「「「!?」」」
いきなり近くから咆哮が聞こえてきた。
「………………近いな。おい、ヴォレス、お前はそっちを見張れ!!」
「ちっ……わかってるよ!!アリスちゃん!!こっちに!!」
「は…………はいっ!!」
俺達は三人で三角形を作るように背中合わせになった。
ガサガサ、と茂みが揺れる。
「来るぞ!!!防御体制になれ!!!!」
「わかってるって!!アリスちゃん、俺の後ろに!!!」
「は…………はいっ!!」
ガサガサ、ガサガサ、と茂みが揺れること三十秒。
「グオオオオォォォォヴ!!!」
出てきたのは…………熊。確かアングリーベアだ。モンスターではないが、人間を襲う熊だな。
「ヴォレス、敵を引き付けてくれ!!」
「めんどくさいな…………でも…………やってやるよ!!!……アリスちゃんを頼んだ!!」
「任せておけ!!アリス、お前はここにいろ。何かあったらすぐ守る!」
「……わ、わかりましたっ!!」
「グヴヴヴヴヴォォォ!!!!」
「…………ゲイボルグ…………アロー!!!」
「グァァァァァァァァ!!」
ヴォレスが熊の気を引いている間に、俺は『あれ』を発動する。
「スキル《鑑定》発動。」
《鑑定》を発動すると、俺の前には青色のポップアップ画面が出た。
『《アングリーベア》
総合 700
体力 350
攻撃 250
防御 100
強さ C+』
(………………あれ?こいつ…………弱くね??)
この熊、強そうだが、この画面を見る限り、一撃で倒せてしまいそうだ。
「ハルト!!!そっちに行くぞ!!!」
どう倒そうか考えていたら、熊がこっちに走ってきていた。
「よし………………タイミングが良いな!!………………行くぞッッ!!!!」
俺は勢いよく剣を振り下ろした。
一撃。二撃。三擊。と剣を振る。
(力強く………………体重をのせて……………………っ!!!)
俺が必死になって剣を降っていると、手応えが無くなっていた。
慌てて視点を熊に戻すと、そこには倒せただろうと認識できる熊が地に転がっていた。
(あ、モンスターじゃないから消えないのか。)
そんなことを考えている俺の前に、ポップアップ画面が表れた。
(なんだこれ………………)
そう思ってポップアップ画面を見る。
『剣技《夜空剣》を取得しました。』
「…………は?」
そこにあるのは、驚きだった。
《博学》で夜空剣を調べてみる。
『《夜空剣》について
夜空剣は剣を対象に向けていろいろな所から力強く剣を振ることができる剣技である。
夜、夜空剣を見ると剣の光が反射し、光が四方八方にあり星のように見えるため、夜空剣と名付けられた。
対象に多大なダメージを与えることが可能。
取得条件
一定時間、いろいろな方向から力強く剣を降る。』
「……………………神かよ。」
俺から出てきたのは、そんな言葉だった。
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りんご餅




