99~面倒なことは人任せです~
いつもお読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、仕事しません。人任せですね。
寝て起きたら魔法剣のための宝玉ができている。
透明なような濁っているような・・・色はない。
ダイヤモンドが何かの土台につけられた時の鈍い輝きみたいなもの?
とりあえず完成だ。
一つの大きさは、赤ちゃんのこぶし大くらい。
それくらいないと、魔法の浸透率?通過率?その辺分からないけど、よくないんだって。
ちなみに剣とかに使う場合ね。
武器によって使える魔法玉の大きさは違うのだけど、鍛冶スキルは確かに一番上だけど、ただやっているだけだったから、詳しくわからないんだよね。
もちろん私の使っている武器も、魔法玉はめてあるけど、自作だったり、ほかのプレイヤーから買ったりのものだから、これだっていえるものではないんだ。
今回は、二人のために作るから、自作しますけどね。
集落にも鍛冶屋さんができるようになるといいな。
確かに技術はあるおじいちゃんいるけど、そこまでの体力がないって言われちゃったし。
プレイヤーとは違うのだよね。
意識しないスキルで作るのと、精魂込めた技術を持つ者の違いかな。
今は、それよりも重要なこと。
魔法玉だって、研磨しないといけない。
私が一番苦手としていることだ。
「どうしようかな」
メイちゃん作の朝食を食べながら考える。
メイちゃんやシツジローくんにやってもらうには、二人が忙しすぎるよね。
集落のことにほぼかかりきりの時あるしね。
「どう思う?運営さん」
一緒に朝食を食べている、なぜか拠点に来ている運営さん。
本職が忙しいらしく、拠点に体を置いて、向こうに行っているようだ。
時々は集落に顔見せているけど、基本いないものとして扱われている。
「本人たちにやらせればいいのではないか?彼らが使うものなのだし」
「それいいね。採用!」
そうだよね。
私たちがやってやる必要ないよ。
使う本人に、石を研いでもらおう。
そうと決まれば、朝食食べて一息ついたら、集落に行かないとね。
「すぐに出るのではないのか」
「食休みは必要だよ。それに久しぶりに運営さんとすごしているのだから、ゆっくりしたいよ」
「そうか」
朝食後のお茶もおいしい。
たわいない会話も久しぶりだ。
この星も、星に住む人たちも、いまだ未完成なのだと運営さんが言う。
そのために忙しいのだから仕方ないよね。
私がいた前世の世界ほどの文明は、まだ先になるだろうけど、少しずつ技術や様々なものが進化していくだろうって。
そうしたら、いつかテレビゲームができるのだろうか。
そこまで生きているのかわからないけども。
運営さんも仕事に戻り、私たちも集落に行く。
集落の昼間は、みんなが仕事で、住民のいるほうは静かだ。
ジャムさんは、いつもの門番だろうけど。
サカイは、サカイ様一行と一緒に宿にいるのは知っているから、訪ねる。
どうやら、門のほうにいるらしい。
ナイスタイミングだ。
門のプラントは、ジャムさんやサカイとコミュニケーションをとっている。会話はできないけど、文字が書けるから。
すごいよね。
プラント母さんには、やらせたことないけどな。
「ジャムさん、サカイ」
「あ、師匠」
「どうした、アイリーン」
此方を向く二人。
プラントはお辞儀っぽいものをして、外を見はじめた。
「二人に仕事があるの。ほら、これ」
持ってきた魔法玉。
ジャムさんもサカイも変な顔してる。
「師匠、これ・・・」
「あなたたちの魔法玉だよ。まだ研磨前だから、いびつだけど、これを楕円形に研磨するのがあなたたちの仕事。裏面は平にしてね」
カボッション・カットっていうのだったかな。
生きてた時に聞いたことある。
私にそういう知識を教えてくれたプレイヤーも、今はここにはいないんだな。
「これが研磨剤ね。きれいに磨くんだよ」
「おいおいおい」
「なに?」
「魔法剣って本気だったのか・・・」
「あのね?ランクCだったら、普通装備でしょ。プレイヤーならランクが下のほうでも、普通に持っていたんだよ?」
「化け物たちと一緒にするな」
あ、ほんと失礼だな、ジャムさん。
誰が化け物だ。
まあでも仕方ない。こちらの世界は、まだ、発展途上。
「とにかく作るんだから、早く研磨はじめてね。遅くとも明後日までには終わらせてほしいわ」
「ええ!」
「文句は受け付けません」
サカイはできるはずだよね。スライム核石磨かせたし。
ジャムさんはどうだか知らないけど、頑張ってもらいたい。
今日の私の仕事はこれで終わり。
昼寝しよっと。
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本日は二話更新です。一話目。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
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