97~冒険者ギルドは早く作らないとね~
いつもお読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、最近は寝させてないです。やっと普通の暮らしができるようになったかな。まだ春です。
サカイ様たちが来てから三日は経った。
サカイ様からの紹介の三家族は、なじむまでに時間がかかると思う。
ひと家族に一軒の家を与えてあるから、しばらくはそこでゆっくり休んでもらいたい。
このプラム郷にすっといるかわからないけど、仕事だってやってもらわないといけないしね。
でも、そう。
仕事で発生する給金も、きちんと考えておかないといけない。
ここは宿屋はあるけど、まだ、冒険者ギルドがない。
外の魔獣を狩ってきたとしても、解体や換金できる施設がないのだ。
今のところ収入源は、宿屋だ。
プラム郷の人たちは、なぜか賃金に関して何も言わないけど、外から来た人たちは収入がないと不安かもしれない。
早急な冒険者ギルドの設置が必要だと思う。
建物も。
「サカイ、ここに来る職員の方は決まっているのよね?」
「はい。ギルドマスターは決まっておりますね。そのほかは、おいおい決まってくると思います」
「建物はいつから建設するの?」
「そろそろですが、まず、大工仕事をできるものたちを連れてこないとなりませんね」
当然か。
建物ができなければ、すすまないものね。
「どこかの古い冒険者ギルド持ってこられるといいのに」
「ああ・・・、消えた集落の残っている建物ですか。しかし、老朽化して危険かと」
「そうよね。・・・地下室に移動魔法陣があればいいのよね?」
「たいていの冒険者ギルドはそのようになっていますね。あとは解体倉庫や受付、職員の部屋でしょうか」
「なるほどね」
ゲームの世界では、受付場所しかなかったけど、解体倉庫とか必要なのよね。
職員の寝泊まりする宿舎も必要だし、どうしようかな。
「一度、冒険者ギルドの作りを全部見てみたいわ」
「は?」
「それに沿って基礎工事だけしておこうと思うのよ。土魔法使いがいればいいんでしょ?」
「建築業を営む者たちも必要ですよ」
「資材はどれくらい必要なのかしらね。ここは森も近いし、わたしからも提供できるものもあるから。その辺りとかも、聞いておいてくれないかしら」
「師匠がたてるわけではないのですね」
「建てていいなら建てててしまうけどね」
そのほうが早いしね。
どうせなら宿屋と違和感がないような建物にしたいけど、それじゃ迷うかな。
「どれくらいの広さが必要なのかも知りたいわ」
「ギルド自体はそんなに広くなくていいと思います。解体倉庫は広さが必要ですが・・・」
う~ん・・・と悩んでいるサカイは、何か言い淀んでいる。
何かしら。
「あまり一般にはしらされていませんが、解体倉庫は空間魔法が使われているので、見た目が狭いのですが、中に入るとものすごい広さが確保されています」
その魔法を付与するものも必要だという。
何を言っているのか、このぼけたおっさんは。
私はプレイヤーだってば。
「その辺りは私が何とでもできるわね。・・・設計図を早急に持ってきなさい」
「本気で師匠が建てるのですか」
「そのほうが早いでしょ」
「まだいろいろジェヌさんとも相談しないといけないこともあるのですが・・・」
「早めにしなさいね」
「承知しました」
おっさん諦めに入ったようですね。
全く決断力がないな。
「あとあなたにも新しい術を覚えてもらうからね」
「ほんとですか!」
いまだにごみポーションと粗悪品のスライム核石しか作れなくても、次の段階に移ってもいいと思う。
少しは魔力量が上がってきているはずだし。
「とにかく冒険者ギルドができてからだね。・・・いつまでいるの」
「まだしばらくはここでお世話になります。おじいさまもミュゲも動く気がないようなので」
たしかに。
サカイ様は、キドナップバブーンたちと交流している。
もしかしたらテイマーとなって連れ帰りたいのかもしれないけど、それを承知する個体がいるかわからない。
スズランはナナと、ナナの兄であるマークを餌付けしようとしている。
獣人が気に入ったのかな。
ナナもマークもメイちゃんのご飯食べてるから、無理だと思う。
具体的に動けるのは、もう少し先になってからだ。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。評価、誤字脱字報告もいつもありがとうございます。
花粉症がつらくて、ぼんやりする日々です。




